中国共産党で経済運営の司令塔役を担う役職に何立峰(か・りつほう)副首相(68)が就任したことが10月31日までに分かった。何氏は、習近平国家主席(共産党総書記)の地方勤務時代から近い関係にあるため、習氏の意向を反映して統制色の強い政策を打ち出すか注目される。
中国国営新華社通信は10月29日に配信した記事で、何氏の肩書として「党中央財経委員会弁公室主任」を初めて使った。中央財経委員会は、経済政策の方向性を決める党の重要組織で、トップは習氏が務めている。弁公室主任は事務局トップに当たるが、実質的には責任者の位置付けだ。前任者は元副首相の劉鶴(りゅう・かく)氏(71)だった。
中国では従来、国務院(政府)を取り仕切る首相が経済運営の主導権を握っていたが、習政権下で党中央財経委員会が重要な意思決定を行うようになった。10月27日に急死した李克強前首相は権限を次々と奪われて存在感が低下した。
何氏は福建省を中心とした地方勤務が長かったが、国家発展改革委員会(発改委)の副主任、主任を経て今年3月に副首相に就いた。何氏が福建省アモイ市で勤務していた際に、当時30代前半だった習氏が副市長として赴任したときからの付き合いとされ、習氏が何氏を引き上げたとみられる。