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❝ムーディーズ2段階引き下げ・ソフトバンクG❞保有株売却で4.5兆円調達できるか?更に2年間で社債償還額は約1.5兆円、手元資金はほぼ同額。

2020-04-01 07:37:22 | 日記

3月28日には、SBGが出資する英通信衛星ベンチャーのワンウェブが、新型コロナによる市場混乱で資金調達が進まずに経営破綻し、米連邦破産法11条の適用を申請した。 ソフトバンクグループが手掛けるビジョン・ファンド1号の投資先でも、ウィーカンパニーのシェアオフィスや、インドの格安ホテルOYO(オヨ)は、コロナウイルスの感染拡大が需要を直撃するとみられ、投資先の経営悪化が徐々に進行する恐れが高まっている。 そうした中、株価下落したSBGは4.5兆円もの「巨額の保有株を売却して、大幅にディスカウントされた自社株を買う」と発表しましたが、コロナショックで世界中の金融市場が混乱する中で、傘下のアリババ(2月12日時点の保有価値は16兆円)、ソフトバンク(同4.8兆円)、スプリント(同3.2兆円)上場3社の株式売却を希望価格で実現できるのか最大の課題となる。

以下抜粋コピー

内情を知る関係者によると、最初に発表した5000億円の自社株買いで株価下落に不満を募らせた孫社長は即座に、自社株買いを追加投入して市場に真正面から対抗する構えを見せた。だが、それに財務部門の幹部が「待った」をかけたという。
 SBGは2月25日、保有するソフトバンク株を担保にしたマージン・ローンと呼ばれる手法で、金融機関から5000億円を調達。これにより、手元資金は1.7兆円超の水準まで確保しているが、それだけでは追加で自社株を実施するには足りない計算だったからだ。
 20~21年度の2年間に予定する社債償還は約1.5兆円にのぼる。SBGには「少なくとも2年分の社債償還資金を手元に置く」という財務規律があり、これを維持するためには、追加の自社株買いの原資を調達する必要があった。
「本当にこれ以上の自社株買いをやるなら、売るべきものは売って負債を減らしてもらいたい」。追加の自社株買いに前のめりな孫社長に対し、財務部門の幹部が釘を刺したことで、セットで保有株売却の方針がまとまった。最後は孫社長の判断により、今後1年間で4.5兆円にものぼる保有株を売却して資金を調達することにした。それと引き換えに実施する自社株買いは計2.5兆円で、これも空前の金額だ。残る2兆円は負債の圧縮や手元資金に充てる。
「新規投資は控えて、手元資金と資産売却でしばらくは“巣ごもり”する」。あるSBGの幹部は、新型コロナの感染拡大で金融市場の混乱が長引くことを見据えながら、「外出自粛」になぞらえる。負債の積極活用で新規投資を増やしてきた拡大路線から、財務縮小への急転換だ。
混乱下での株式売却
空前の実験がスタート
 もっとも、すでにSBGの新規投資は、実態として凍結状態にある。17年5月から運用を開始した10兆円規模の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」は投資枠の上限に達して19年9月末までに新規の投資を終了した。
 2号ファンドは19年7月に1080億ドル(約11.7兆円)の資金が集まる見込みと発表していたが、ウィーカンパニーの経営不振で、資金集めは頓挫した状態だ。現在、2号ファンドはSBGの自己資金の数千億円だけで運用している状態で、外部資金は調達できておらず、新規投資はほとんど進んでいない。
 こうした中で、3月28日には、SBGが出資する英通信衛星ベンチャーのワンウェブが、新型コロナによる市場混乱で資金調達が進まずに経営破綻し、米連邦破産法11条の適用を申請した。 ビジョン・ファンドの投資先でも、ウィーカンパニーのシェアオフィスや、インドの格安ホテルOYO(オヨ)は、コロナウイルスの感染拡大が需要を直撃するとみられ、投資先の経営悪化が徐々に進行する恐れが高まっている。
 SBGが「巨額の保有株を売却して、大幅にディスカウントされた自社株を買う」(SBG関係者)という判断に傾いたのは、こうした危機のダメージを最小限に抑え込むのが本質だ。今後は、コロナショックで金融市場が混乱する中で、いかに株式売却を実現するかが最大の課題となる。
 1年間で4.5兆円もの保有株を処分する大掛かりな取り組みを実施するにあたっては、売却候補はおのずと限られる。具体的には、傘下のアリババ(2月12日時点の保有価値は16兆円)、ソフトバンク(同4.8兆円)、スプリント(同3.2兆円)の上場3社が筆頭だ。
 また、ビジョン・ファンド1号が保有する上場株8社も売却候補になるだろう。8社の累計投資額は19年12月末で95億8700万ドル(約1兆円)。これらを売却すれば、SBGはビジョン・ファンドの配当収入として現金を確保することができる。
 ただ、格付け会社のムーディーズは、金融市場の混乱の中でSBGが巨額の保有株を売却する点を懸念。「割安な価格で株式を現金化して残った投資先の価値が低下する恐れがある」として、3月25日にはSBGの発行体格付けを2段階引き下げた。
 これに対してSBGは「誤った憶測」と即座に反発し、ムーディーズへの格付け依頼を取り下げて、全面的に対立することとなった。今後1年間で投資会社のSBGは、4.5兆円もの保有株を売却して現金を確保して、新たな姿に生まれ変わることができるか。未曽有の危機になりそうなコロナショックに端を発した金融市場の危機を乗り切るために、SBGの壮大な実験が始まる。

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