英国の憲法は、不文憲法である。只、エリザベス女王が下院で可決された法律に署名することを拒否することは、不可能ではない。でも、女王は67年間の統治の間、そうしたことは一度もなかった。ただ、ご高齢のエリザベス女王に委ねるのではなく、決められない議会は解散し、ブレグジットの是非をもう一度国民投票で問うべきでしょう。
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エリザベス女王は、ブレグジット法案に署名することを拒否するのは不可能ではないという。「合意なき離脱」という国を揺るがす前例のない危機において、イギリスの国家元首の役割はどういうものなのだろうか。
以下は、フランスの週刊誌「ル・ポワン」(中道右派)の記事翻訳を元に構成したものである。
君主の3つの力とは「警告をし、励ましと助言を与える」。
19世紀のジャーナリストであるウオルター・バジェットは、彼の主要な著書である『イギリスの憲法』でこのように定義した。
更に専門家は「賢明で良識のある支配者は、他のことは考えません」という。
国家元首である英国の国王は、他者による決定に署名する公証人的な役割を果たすだけである。
ただ、英国の憲法は、不文憲法である。エリザベス女王が下院で可決された法律に署名することを拒否することは、不可能ではない。でも、女王は67年間の統治の間、そうしたことは一度もなかった。
その行為は、1688年の名誉革命と権利章典から確立されている慣習に反することになる。これらは、人権を法制化して、議会制民主主義の到来を告げたものだった。
しかし、ブレグジットのために、女王はその厳格な中立を手放すことは可能なのだ。もし議会が主導権を握って、政府に対して今後の手続きに従うことを課すならば、メイ首相は女王に対して、拒否権を行使するよう求めることが許される。議会の2度目の示唆的投票が失敗に終わり、議員たちは必ずまた同じことを繰り返すだろう。メイ首相は、4月2日に議会の投票の結果を尊重することを公約した。しかし首相は同時に「ソフトな」ブレグジットだけが受け入れられると示唆した。