「一帯一路」で世界を支配する構想なのでしょうか?中国のアフリカ向け融資が止まりません。中国共産党の力を国内向けに宣伝するとの見方もありますが、2025年には直接投資、ソフトローン、銀行貸し付けを含め、中国のアフリカへの経済支援累積112兆円と桁違いで、もはや後には引けないプロジェクトです。果たして、経済支援の見返りが得られるのか甚だ疑問です。とん挫した時の衝撃は世界経済を大混乱に落とし入れるでしょう。資本主義は恐慌、繁栄を繰り返しますが、生き残るのは優良企業・優越地域と考えるべきで、生活環境として疑問符が付くアフリカ大陸はハイリスクですね。
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北京で開催された中国アフリカ協力フォーラムの首脳会議で、中国の習近平主席は3年前の前回会議に続き、今後3年間に600億ドル(約6兆7000億円)の経済支援をアフリカに行うと発表した。中国はアジア、ヨーロッパ、アフリカを結ぶ「一帯一路」構想の下でも途上国支援に積極的だが、相手国に払いきれない負債を抱えさせる「借金地獄」外交だという指摘がある。中国政府は反論しているが、国内外から厳しい目が向けられている。
◆アフリカでの影響力拡大 「一帯一路」でも巨額の援助
中国のアフリカでの活動が劇的に広がり始めたのは「一帯一路」が打ち出されるよりずっと前の2000年頃だ。以後アメリカの援助を抜き、アフリカの資源獲得への道が開かれた。ジョンズ・ホプキンズ大学のデータによれば、2000年から2016年の間に、中国からの融資は約1,250億ドル(約14兆円)に達している。
アフリカでは、中国の援助で鉄道、道路、港湾など、さまざまなインフラ整備が行われているが、同様の援助は世界に広がっている。習主席は「一帯一路」の沿線国に1,260億ドル(約14兆円)の融資や援助を行うと表明しており、すでに世界十数ヶ国で、5億ドル(560億円)が投じられている。
◆利息も払えない? 安易な融資受け入れで借金地獄に
ワシントンにあるシンクタンク「世界開発センター」は、「一帯一路」プロジェクトにより、借金苦に陥る「かなり高い」危険性がある国は、68ヶ国中23ヶ国だと述べる。さらに、別の8ヶ国に至っては、利払いにさえ苦しむ可能性があるという。「一帯一路」プロジェクトが、果たしてコストに見合うだけのものなのかと考える国も出始めた。マレーシアは高速鉄道を含む中国がバックアップする3つのプロジェクトを棚上げした。数十億ドルを費やす中国・パキスタン経済回廊について、自国に返済能力がないのではという不安が広がるパキスタンでは、新首相が透明性の確保を約束した。さらに、負債の80%が対中国だというモルジブでは、亡命中の野党リーダーが、中国のやり方は「国土収奪」で「植民地主義」だと主張している。スリランカにいたっては、債務返済ができなくなり、中国に戦略的に重要な港を99年間のリースで貸し出すことになった。
他にも、中国は自国経済のために他国の資源を搾取しているという批判もある。また、環境破壊につながるプロジェクトに資金を出していること、建設現場などに地元の労働者ではなく、中国人労働者を送り込んでいることなどにも批判が集まっている。
◆国内からも批判 戦略の曲がり角か?
中国主導の援助プロジェクトは、「虚栄」「チャイナ・クラブ」と呼ばれることもあり、中国は反発している。中国外交部の報道官は、西洋諸国の融資は好意的に受け止め、中国のものは「マネートラップ」と呼ぶのはダブルスタンダードだと主張。中国は資金不足が開発の妨げとなっている国に融資することで、社会、経済の持続可能な開発を実現し、人々の生活を豊かにしていると述べている。
豪ローウィ―研究所の中国アナリスト、メリデン・ヴァラル氏は、「一帯一路」は、世界を支配する試みと言うよりも、中国共産党の力を国内向けに宣伝するという側面が強いとしている。しかし中国のSNSでは、海外に使う金があるなら、国内に1億人はいると言われる貧困層を支援すべきだという厳しい批判も出ているという。経済力で影響を強める中国の戦略は国内外から批判を浴びており、思わぬ曲がり角に来ているようだ。