バスケ青春の詩

平成25年12月22日をもって33年9か月ほど勤務した仕事を定年退職をしました。これを機会にまた想いを綴ります。

バーンアウトとコーチの役割…2 013

2013-04-21 04:57:31 | やっぱりミニバス!
平成25年4月21日 日曜日
 
「バーンアウトとコーチの役割…2013」


『バーンアウト』…別名、燃え尽き症候群。


これは精神的にも、肉体的にも疲労が重なり、耐え切れない状態に陥り、

その競技からリタイアしてしまうことを言います。

バーンアウトを理由とした、選手に対する「戦力外通告」は、

選手自身を燃え尽き症候群の状態に陥らせた…指導側の責任も大きいのです。

バーンアウトの状態とは、選手が…

『バスケを続けるのはなぜ?

その目的はなに?

なんのためにバスケを行っているのか?

別にバスケである必要はないのでは?』

…という疑問を抱え、悩みに追い込まれた状態です。

それは、自分の親や、学校、コーチなどの自分以外からの、

自分に対する過ぎた、『勝つためのプレイヤーになる』という欲求に応えるプレッシャーが考えられます。

自分のためではなく、『その欲求に応えなければならない』との想いが心を占めています。

そんな状態でバスケをしても、楽しくもないし、追い込まれていき、バーンアウトするのでしょう。


さてコーチは、勝利に貢献する選手や、

勝利するチームを造ることを目的とするのは当然でしょう。

勝利を追求する過程で得られる成長は、意義あることですし、

それに結果が伴えば、さらに選手とチームは向上していくでしょう。

しかし、それが続くと、単なる勝利至上主義になり、

『なぜ出来ない!』という叱責ばかりが目立ち、

勝利という絶対的価値のために、常に追い込んだトレーニングになっていきます。


コーチの役割は、チームを勝利に導くことだけではなく、

選手を楽しませること、『こうすれば出来る』という過程を創造し、忍耐強く指導すること…

それによって、出来ることを体験した選手は、技術的な一歩より、精神的な成長が大きいと思います。

ですから、選手のフィジカル面だけでなく、メンタル面での成長を助けることでしょう。

試合に負けたときにこそ、コーチが選手達に語る言葉が、次に進むための貴重なものになると思います。

勝利するために、全力を出し切って負けたのならば、

もしくは、全力を出し切れずに負けたとしても…

勝利しなかったことに、選手達を叱ることは誤りでしょう。

それだけの勝利にこだわる選手や、チームならば、

負けた悔しさを一番に感じているのは、プレーした選手達自身なのです。

コーチも悔しい思いは同じでしょうが…

コーチ以上に選手達は悔しいのです。

茫然とするほど悔しいのです。

そのときに、コーチは、その悔しさを認めて飲み込んで、

選手達を、それをバネにして次に向かわせなければいけないのです。

ゲームスタッツの分析などは、二の次でよいのです。

特に、指導にあたっては、選手達のフィジカル面では…

●スポーツ技術を学び
●コンディショニングを考え
●怪我を避けて
●健康維持管理を指導する


メンタル面では…

●選手自身が勝利のためではなく
●勝利することを、あきらめない気持ちを育てること
●自分達はできる!という自信を持たせること
●スポーツ・一辺倒ではない社会性を学ばせること

そして、スポーツの楽しさを常に頭に置いて指導することだと思います。

たかがバスケ、されどバスケ…バスケというスポーツを通じて、

多くの価値観を学ばせることがコーチの役割だと思うのです。