前回の「アイ・アム・サムを見て」の記事で書こうと
思っていたのだけど、長くなってしまったので
別記事にしました。
僕は3人兄弟の長男で、一番下の弟は重度の知的障害を
持っています。
分類では「低機能自閉症」と言う物になるらしいの
ですが、医者によって診断が少し異なるため、
はっきりとは分かりません。
普段は施設にいて、土日に帰ってきます。
自閉症と言うのは先天的な脳障害で、心理的な原因で
生じる情緒障害ではなく原因も治し方もまだよく
分かっていません。
自閉症の特徴は他人とコミュニケーションが取れない
事です。「低機能自閉症」とはこの対人関係の障害と
知的障害（知能が低い事）が合わさったもので、
知能が高い自閉症の場合は「高機能自閉症」や
「アスペルガー症候群」と呼ばれます。
映画「レインマン」でダスティン・ホフマンが演じた
レイモンドは、このタイプです。
また、「アイ・アム・サム」のサムは自閉症では
ありません。
弟は言葉をしゃべれず、興奮した時に奇声をあげる
ぐらいです。時と場所にお構いなく高い声で叫ぶので
夜などは少し困ります。何か伝えたい事があるのかも
しれませんが、知る事は出来ません。
とにかく多動ですが、身体的な障害が無いのが
せめてもの救いかなと思ったりもします。
後、こういった子（と言っても30歳を過ぎてますが）
には多い事ですが、時にてんかんの発作を起こす事が
あるので、なるべく1人にはしないようにしています。
発作自体は2、3分で治まりますが倒れて頭を打ったり
する恐れがあるからです。
同じ施設に通っていた子で、風呂に1人で入っていた
時に発作が起きて亡くなった方がいます。意識が無い
まま湯船に沈み溺れたそうで、痛ましい事です。
なので、風呂に入る時も必ず誰か一緒に入ります。
また他人の物と自分の物という区別が出来ないので、
店にある商品をその場で飲んだり食べたりするし
他人が飲んでいるコーヒーを取って飲もうとしたり
するので気が抜けません。他人の迷惑になるので、
どこでもは連れて行く事は出来ないです。
最近はタバコの吸殻を拾って口にするのが癖になって
しまい、これも体に悪いので困っています。
身の回りの事はほとんど自分では出来ないと言うか、
興味が無いようです。着替えとか布団をたたむとか
何度も言うと出来る事もあるのですが、言わなければ
ずっとそのままです。歯磨きなど、少し複雑な事に
なるとうまく出来ずにすぐに止めてしまいます。
恥ずかしいという感情も無いようで、人前でも平気で
おしっこをするし裸のままでも気にも止めません。
弟は2～3歳ぐらいの知能しかないと思いますが、
興味がある事に関しては驚くほどの知恵を働かせる
時があります。ひょっとしたらもっと知能が高いの
では？と思う事もありますが、読み書きが出来ず
知能テストを受けられないので確認は出来ません。
今興味があるのは、「水遊び（コップを2、3個置いて
延々と水を移しかえる）」と食べる事、コーヒーを
飲む事ぐらいでしょうか。
飲み過ぎや食べ過ぎにならないように色々な場所へ
隠すのですが、どんなに隠しても目ざとく見つけて
しまいます。おなかが出てきて少し痩せさせなければ
いけないのですが、親はどうしても食べさせてしまう
ようです。
施設では十分な量を食べれないだろうから、せめて
家にいる時ぐらいはおなかいっぱい食べさせたいの
でしょう。
自閉症はよく「目が合わない」などと表現されます。
弟の目の前に顔を近づけて目をじっと見ながら
「こっち見て。」と言うと、一応は僕の目を見るの
ですが、まるで僕を突き抜けて後ろの壁を見ている
かのようです。これは、実際見てみないとなかなか
分かりにくい事だと思います。
ただ、数年前から弟の症状が変わってきました。
呼びかけるとまっすぐ目を見つめるようになって
きたのです。やはり反応があると嬉しいものです。
後ろの壁ではなく、僕を見ているのがはっきりと
分かります。機嫌の良い時は笑いかけると笑い返して
くれるようにもなり、今まで無かった感情が現れて
来たようです。
自閉症は治らないと言われてますが、完全に直らない
までも少しずつ改善していく事は出来ると思います。
ところで、「アイ・アム・サム」を見ていて思った
事があります。
知的障害が軽い人と重い人の、どちらが本人にとって
幸せなのでしょうか？
母は弟を見て「同じように生まれてきたのに、こんな
障害を持って可哀想に。せめて身の回りの事が自分で
出来れば良いのにね。」と言う事があります。
確かにその通りかもしれません。でも・・・。
すでに書いた通り、弟は話せないし読み書きも出来ず
ほとんど身の回りのことが出来ません。
また、自分がどう見られているかという事はまるで
関心無いようです。
一方、サムは軽度の知的障害者で、身の回りの事は
ある程度出来るし他人とのコミニュケーションも
不器用ながらもする事が出来ます。でも周りの状況が
ある程度理解出来るために、自分が他人より知能が
劣っていると感じて悩み苦しみます。
弟のように重度の障害の子は、サムのような苦しみを
味わう事が無い分、本人にとっては幸せではないかと
ふと思ったのです。
でも、実際どうなのかは分かりません。
ひょっとしたら、僕が弟の事を可哀想だと思いたく
ないためにこんな事を考えたのかもしれません。
かなり長くまとまりの無い文章になりましたが、
ここまで読んでくれて有難うございました。
最後に一つだけ言っておきたいのですが、こういう
障害を持つ子は他人に暴力を振るう事は少ないです。
弟もそうですが、何かに不満を持った場合は自分の
腕を噛んだり頭を壁にぶつけたりする自傷行為という
形を取ります。危険な事はありません。
最近怖い事件が多いため、混同、誤解されている方も
いらっしゃるのではと思い、付け加えておきました。
思っていたのだけど、長くなってしまったので
別記事にしました。
僕は3人兄弟の長男で、一番下の弟は重度の知的障害を
持っています。
分類では「低機能自閉症」と言う物になるらしいの
ですが、医者によって診断が少し異なるため、
はっきりとは分かりません。
普段は施設にいて、土日に帰ってきます。
自閉症と言うのは先天的な脳障害で、心理的な原因で
生じる情緒障害ではなく原因も治し方もまだよく
分かっていません。
自閉症の特徴は他人とコミュニケーションが取れない
事です。「低機能自閉症」とはこの対人関係の障害と
知的障害（知能が低い事）が合わさったもので、
知能が高い自閉症の場合は「高機能自閉症」や
「アスペルガー症候群」と呼ばれます。
映画「レインマン」でダスティン・ホフマンが演じた
レイモンドは、このタイプです。
また、「アイ・アム・サム」のサムは自閉症では
ありません。
弟は言葉をしゃべれず、興奮した時に奇声をあげる
ぐらいです。時と場所にお構いなく高い声で叫ぶので
夜などは少し困ります。何か伝えたい事があるのかも
しれませんが、知る事は出来ません。
とにかく多動ですが、身体的な障害が無いのが
せめてもの救いかなと思ったりもします。
後、こういった子（と言っても30歳を過ぎてますが）
には多い事ですが、時にてんかんの発作を起こす事が
あるので、なるべく1人にはしないようにしています。
発作自体は2、3分で治まりますが倒れて頭を打ったり
する恐れがあるからです。
同じ施設に通っていた子で、風呂に1人で入っていた
時に発作が起きて亡くなった方がいます。意識が無い
まま湯船に沈み溺れたそうで、痛ましい事です。
なので、風呂に入る時も必ず誰か一緒に入ります。
また他人の物と自分の物という区別が出来ないので、
店にある商品をその場で飲んだり食べたりするし
他人が飲んでいるコーヒーを取って飲もうとしたり
するので気が抜けません。他人の迷惑になるので、
どこでもは連れて行く事は出来ないです。
最近はタバコの吸殻を拾って口にするのが癖になって
しまい、これも体に悪いので困っています。
身の回りの事はほとんど自分では出来ないと言うか、
興味が無いようです。着替えとか布団をたたむとか
何度も言うと出来る事もあるのですが、言わなければ
ずっとそのままです。歯磨きなど、少し複雑な事に
なるとうまく出来ずにすぐに止めてしまいます。
恥ずかしいという感情も無いようで、人前でも平気で
おしっこをするし裸のままでも気にも止めません。
弟は2～3歳ぐらいの知能しかないと思いますが、
興味がある事に関しては驚くほどの知恵を働かせる
時があります。ひょっとしたらもっと知能が高いの
では？と思う事もありますが、読み書きが出来ず
知能テストを受けられないので確認は出来ません。
今興味があるのは、「水遊び（コップを2、3個置いて
延々と水を移しかえる）」と食べる事、コーヒーを
飲む事ぐらいでしょうか。
飲み過ぎや食べ過ぎにならないように色々な場所へ
隠すのですが、どんなに隠しても目ざとく見つけて
しまいます。おなかが出てきて少し痩せさせなければ
いけないのですが、親はどうしても食べさせてしまう
ようです。
施設では十分な量を食べれないだろうから、せめて
家にいる時ぐらいはおなかいっぱい食べさせたいの
でしょう。
自閉症はよく「目が合わない」などと表現されます。
弟の目の前に顔を近づけて目をじっと見ながら
「こっち見て。」と言うと、一応は僕の目を見るの
ですが、まるで僕を突き抜けて後ろの壁を見ている
かのようです。これは、実際見てみないとなかなか
分かりにくい事だと思います。
ただ、数年前から弟の症状が変わってきました。
呼びかけるとまっすぐ目を見つめるようになって
きたのです。やはり反応があると嬉しいものです。
後ろの壁ではなく、僕を見ているのがはっきりと
分かります。機嫌の良い時は笑いかけると笑い返して
くれるようにもなり、今まで無かった感情が現れて
来たようです。
自閉症は治らないと言われてますが、完全に直らない
までも少しずつ改善していく事は出来ると思います。
ところで、「アイ・アム・サム」を見ていて思った
事があります。
知的障害が軽い人と重い人の、どちらが本人にとって
幸せなのでしょうか？
母は弟を見て「同じように生まれてきたのに、こんな
障害を持って可哀想に。せめて身の回りの事が自分で
出来れば良いのにね。」と言う事があります。
確かにその通りかもしれません。でも・・・。
すでに書いた通り、弟は話せないし読み書きも出来ず
ほとんど身の回りのことが出来ません。
また、自分がどう見られているかという事はまるで
関心無いようです。
一方、サムは軽度の知的障害者で、身の回りの事は
ある程度出来るし他人とのコミニュケーションも
不器用ながらもする事が出来ます。でも周りの状況が
ある程度理解出来るために、自分が他人より知能が
劣っていると感じて悩み苦しみます。
弟のように重度の障害の子は、サムのような苦しみを
味わう事が無い分、本人にとっては幸せではないかと
ふと思ったのです。
でも、実際どうなのかは分かりません。
ひょっとしたら、僕が弟の事を可哀想だと思いたく
ないためにこんな事を考えたのかもしれません。
かなり長くまとまりの無い文章になりましたが、
ここまで読んでくれて有難うございました。
最後に一つだけ言っておきたいのですが、こういう
障害を持つ子は他人に暴力を振るう事は少ないです。
弟もそうですが、何かに不満を持った場合は自分の
腕を噛んだり頭を壁にぶつけたりする自傷行為という
形を取ります。危険な事はありません。
最近怖い事件が多いため、混同、誤解されている方も
いらっしゃるのではと思い、付け加えておきました。
私も子供がアトピーで生まれた時、自分にしかわからない葛藤がすごくありました。普段、の～てんきでいつも笑ってるという印象を与えていたために、誰にもこの気持ちはわかってもらえなかった。
まあ、そのお陰で乗り越える強さも育めたんですけどね^^;
お母さんも、愛しいわが子が障害を持って生まれてきたという事実を受け止めるのは、周りが思うより大変だったんじゃないかなと思います。
でも、私も子供の時からいろいろな苦労や試練を乗り越えてきたけど、母にいわれたんです。
「お天道様はちゃんと見てるよ。あんたが乗り越えれる子だから今、この試練を与えてるんだよ。人間はこの世に修業をしに生まれてきてるんだよ。これを乗り越えれたら次生まれてくるとき、もっともっと幸せになれるよ。あんたのココ（胸を押さえて）はわかってるからね」
この言葉で、不思議と自信と安心をもらえたんです。
ふじこーさんにもプレゼントします。
軽はずみにいっているわけではないけれど、私も健康や環境に関わる仕事をしていることもあって、さまざまな障害や病気を抱えた子や人に出会うことが多い。
自閉症は今、すごく増えてるんですよね。これもほとんどが化学物質が原因だと言われてます。
アレルギーもそう。でも、自分の利益のことだけを考える人が多くて、私たちのように普通の一般人には知らされないことが多い。でも、それによって傷つくのは一番弱い立場の人間なんだよね。
だから、少しでも悲しい思いをする人が減るように、子供も大人も楽しく笑っていられるように、自分のできることはないだろうかと日々活動してます。
自閉症は脳の障害なので、治るということはないかもしれないけれど、私の周りには、子供の使うもの口にするもの触れるものから有害化学物質を極力取り除いた生活をして、自閉症の治療を並行して、随分改善した人が何人もいます。
うちも長男が多動といわれたこともあったけど、有害化学物質を避ける生活をしてたら、今では嘘のように落ち着いた子供に成長しました。持って生まれた性格もあるけれど^^
次男のアトピーも嘘みたいにきれいになった。
日用品やプラスチック、食事など見直してみてください。
あと、これも自分の体験ですが、舌癒着症といって、生まれつき舌が前の方についてて気道が引っ張られることで、通常より呼吸がしにくい病気があるんです。これは優性遺伝するのでこの病気を抱えてる人はすごく多いそうです。
無呼吸症候群と診断されがち。この病気について真剣に研究したり、治療できる先生はまだ少ないので、誤解や中傷も多い。うちもたまたまかかりつけ医が知識があったので、救われたんです。
舌小帯だけを切る医者が殆どだけど、筋肉まで切って初めて気道が正常の位置に戻る。
呼吸がちゃんとできないというのは体にも精神にも大きな害を及ぼす。
横浜の方にその手術をしてくれる先生がいて、うちは家族全員手術しました。
自閉症、ダウン症、多動の子もその病気を抱えてることが多いみたいで、たくさんの人が手術にきてましたよ。劇的な改善を見せる人も多いです。
一度、「舌癒着症」「向井診療所」のキーワードで検索してみてください。
一応、参考までに。気を悪くされたらごめんなさい。
思っていたのですが、やっと書くことが出来ました。
母も弟の障害を初めは信じられず、いつかは治ると
思っていたようです。あまり泣き言のような事は
言いませんがとても辛かったと思います。周りから
無責任な事を言われて傷ついた事も多々あったようです。
はるひなさんも色々とご苦労されたようですね。
お母さんのお言葉読ませていただきました。
良い言葉を有難う。強く優しいお母さんです。
はるひなさんのパワーの源が分かった気がします。
苦労を乗り越える度に人は強くなるんですね。
化学物質のお話、とても勉強になりました。
家には少し畑があって、家族で食べる分の野菜を
作っています。有機農法まではいきませんが、
農薬を散布する回数をなるべく少なくしています。
虫がたくさんついてきれいではないですが、
多少なりとも安心出来ます。
今のところはこれぐらいですが、出来る範囲で
気をつけていこうと思います。
「舌癒着症」、これは初めて聞きました。
家族全員で手術したとの事、大変でしたね。
弟は睡眠時の無呼吸やいびきも無いし、呼吸を
しにくそうにした事も無いので、舌癒着症の心配は
無いと思います。
情報、有難うございました。
私は昔、障害児の通園施設に何年か通わせてもらった事があります。
おかげで、障害児教育に関してはプロ級の知識があると自負しております。
そこで初めて重度の身体障害等を持った子供たちと接したわけですが、正直、それまでの人生で触れ合った経験のない私にとって、最初はおっかなびっくりで、「どう接して良いかわからない」故に心のどこかで敬遠していた事に気がつかせてもらいました。
日常の地域社会からは疎外されているんですよね。こういう子供たちって。
（実際外出も困難なわけだし）
だから社会も接し方がわからない。
でも、大変な状況にありながらも、そこに通う子供たちと触れ合うにつれ、「普通に接していけば良いんだ」という事がわかり、嬉しい時は心から笑い、悲しい時には正直に泣くこの子たちって、なんて純粋でかわいいのだろう、と本当に開眼する思いでした。
（嘘ついたりしないですものね）
また、大変な思いをしているお母さんたちが常に「すみません」「ごめんなさい」とたくさん謝らなくてはいけない社会は、やっぱりおかしいとも思いましたね。
何か放っとくといつまでも語ってしまいそうなのでここで筆を止めておきますが（笑）ふじこーさん家族が弟さんを優しく受け止めている様子が文面から伝わってきました。
現実には苦労もたくさんおありになることと思いますが、ふじこーさんの人柄がこうして形成されていったんだな、との一端をわからせてもらって、本当に嬉しく思いました。
書いてくださってありがとう。
これからもよろしくお願いします＾＾
接した経験があったんですね。はるひなさん同様、
理解ある方達に出会えて嬉しいです。
僕は弟が生まれてからずっと過ごしていて慣れている
せいか、あまり障害児だという感覚は無いですが、
やはり初めて接する方は戸惑いますよね。
それは無理のない事だと思います。
こういった子の親は、他人の迷惑にならないように、
また好奇の目で見られるのが恥ずかしいと言うのも
あるのでしょうか、積極的に外に出す方は少ないです。
自分も、まったく恥ずかしくないと言えば嘘になります。
中途半端な人間なんです。
確かに日本は福祉の分野で遅れていて、欧米の障害者に
理解のある社会をうらやましく思う時もあります。
障害児の家族が積極的に行動していけば少しずつ
良くなっていくと思いますが、なかなか難しい事です。
すべてを国や社会のせいにするつもりは無いですが、
もう少しなんとかならないものかなと思う時もあります。
いおんさんの言われる通り、こういう障害を持った方は
本当に純粋で小さい子供と同じですね。
機嫌が悪い時はこちらもついイライラして怒ったりする
事もありますが、落ち着いている時は邪心の無い笑顔を
見せてくれて、さっき腹を立てた事を後悔します。
色々と優しい言葉を有難うございました。
こちらこそよろしくです。