ふじこーの「アレが気になる」

身の回りのちょっと気になる事や物など気ままに書き綴っていこうと思います。

台風の日にやって来たお客達2~孤高のソプラノ歌手

2005-09-08 | デジカメ-虫など
「鎌吉」が去った次の日、つまり9月6日は台風が最接近。とても心配だったけど、それほど雨も風も強くならなくて、夜10時頃ぐらいにはだいぶ弱まってきた。
やれやれ、助かった・・。一安心して自室でくつろいでいると、突然けたたましいセミの鳴き声が至近距離で聞こえ始めた。だ~っ!やかましい~!!


外に出てみると、東の窓の下にツクツクボーシが止まっていた。やはり風雨から逃げてきたのかな?右上には同じく避難してきた赤トンボが見える。


彼の名前は「セミ太郎」。シンプルな名前だな。永谷園&北島三郎の「寿司太郎」を思い出す。(太郎しかあってないやん・・)孤高のソプラノ歌手だ。
さっそくデジカメで撮りながら観察していると、どうも元気がないようだ。手を近づけると少し飛んで逃げようとするのだけど、すぐに元の場所に戻ってきてしまう。反応も鈍い。(近くにいた赤トンボは、近付いただけで逃げていった。)


やがて、網戸の下のレールに移動して、よたよたと這うようになってしまった。かなり弱ってるみたいだな・・。


まあ、少し休めば、その内元気になって飛び立つだろう。そう思って、その日は寝る事にした。


一夜明けた9月7日の朝は、厚い雲がまだ残っているものの、台風一過の爽やかな空気。午前6時頃に起きたので、早朝の空でも撮っておこうかとデジカメを持って外に出た。
そういや、セミ太郎はもうどこか行ったかな?と東の窓を見にいってみると・・


そこにはセミ太郎の変わり果てた姿が・・・。


まだ生きている。でも、力を使い果たしたのか、体の向きを変えて起こしてやってもすぐにまた裏向きに返ってしまう。起き上がる力も残ってないのか・・。しばらくは少し足が動いてたけど、まもなく全く動かなくなってしまった。
だけど、もう死んだのだと思って草むらの中に置きに行こうとした時に一声だけ鳴いた。そして再び黙りこくった。セミ太郎の最後の歌声だ。

命果てるその時まで歌い続けるんだな、セミは。魂の歌声、確かに聞いたよ。安らかに眠れ、セミ太郎。