採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

ゴマの収穫と選別

2013-09-03 | +その他

今年は、夏野菜のうちピーマン・唐辛子類が失敗です。
種まきが遅れ、また植え付け後も根切り虫にやられ、更にトウモロコシとトマトの害獣よけネットの中に一緒に囲ってしまったため、日照不足。
昨年・一昨年のセラーノ唐辛子・ハラペーニョ唐辛子責めは今年はなしです。
(多くても困ったけれど、全然ないというのも寂しい・・)

その代わり、今年初挑戦のものが。

ゴマ。


春先、実家に行った折り、母が「今年ゴマやってみようと思って種を買ったんだけど、多いから半分あげるね」と。

ゴマといえば。

私がまだ中学生くらいの頃、(母は当時から同じ場所で畑をやっていたので)母が一度挑戦しました。
当時私は全く畑作業に興味もなく、ほとんど何もお手伝いしていませんでした。
それでも印象深く覚えているのは、えらく大きな枝みたいなものを母が玄関に運びこんできたことと、
んもう、すごい大変! もう絶対胡麻なんて育てないわ!
と断言していた母のセリフ。

(お母さん、あのときの決意は翻したのでしょうか?それとも忘れた?)


種をもらってしまったし、畑に空きスペースもあったので、植えてみることにしました。

粒の小さい種って、播くのはすごく苦手です。
こんな小さな種から絶対芽なんて出る訳ないから、播かないでもいいんじゃない?と思いがち。
でも雑草って、種も蒔かないのに(というか目に見えないくらい小さな種なのに)毎年盛大に育ってくれます。
この小粒なゴマも、もしかしたら芽が出るかも。
(播かなかったら絶対芽は出ない)

播いてみると、そこそこの発芽率。
間引きをし、草むしりを時々しつつ放置しておきました。

初夏、ほかの野菜にかまけて放っている間に、見違えるように大きく育ってきます。
トウモロコシくらいの背の高さ。
畑の中では大きい方です。
(自分で植えてみて分かったのだけれど、この背の高いゴマ、あちこちの畑でたまに見かけます。)


途中、強風で大々的に傾きましたが、それでも枯れることもなく、なんとか生き延びてくれています。
そういえば畑友も昨年ゴマをやっていたと聞きました。
大して世話をしなくても、すごくよく育つと言っていました。

薄ピンクの花が咲いて、オクラを寸詰まりにしたようなさやが幾つもついて、ふくらんで・・・。
ふむふむ。
とのんびりしていたら、はっと気が付くと、下数段分のさやがはじけて地面がゴマだらけ。

このままでは全てのゴマが地面に。
上は青いけれど、刈り取って持って帰ることにしました。
(調べてみると、一番下のさやがはじけるかはじけないか、くらいで(上は青いうちに)収穫し、数本まとめてしばり穂を上にして立てかけて追熟・乾燥させるのだそうです)

持って帰るのが一苦労。
こんなに大きくて嵩張る農作物は初めてです。
トウモロコシだって、草丈は高いけれど、収穫して持ち帰る部分は持ち運び易い形状です。


大きめのシートを地面に広げ、くるんで車に積みこみますが、刈り取りや持ち運びでちょっと揺すぶると、バラバラとゴマ粒が脱粒していきます。
ガサガサした植物体なので束ねるに束ねられず、苦労しているうちに、うっかりシートに土を蹴りこんでしまったり。
農作業では経験したことのないイライラ感です。
(おそらく収穫遅れが最大の原因。適期に収穫していればもっと楽なのかも)

折から我が家はDIYリフォーム真っ最中。
(ブルーシートも用意しておらず)ベッド用シーツや養生用ビニールの上に適当に広げて放置することしばし。


いい加減なんとかしないと、と先日ようやく調整作業に着手しました(リフォームも終わったし気分的に余裕が出てきた)。 

sesami

倉庫部屋とベランダの2箇所にガサガサしたものが2山放置してありました。
こちらはベランダの方。
後から調べると穂を上にして縦に立てかけておくらしいのですが、持ち帰って、シーツにのせて、そのままです。 

sesami

何かするたびに、ベランダやら室内のそこらじゅうにゴマが飛び散って、勿体なくてイライラしてきますが、なるべく気にしないようにします。 

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・ブルーシートの上に並べて竿で叩く
・樽の中に逆さに入れて振る
など脱粒方法があるようですが、量もさほどないので、シーツの上でサヤをひとつずつカパっと開いてゴマをふりおとしました。
(既にどこかに落ちて空っぽのサヤも多数あるので意外と少ない)

振り落とし済みの枝は折ってゴミ袋に詰めて行き、最後、ゴミ袋の中に少したまったゴマも回収します。 
枝は固くて袋を破る程です。 

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45リットルの袋にぎっしりのゴミと、そこからとれた、ボウルにちんまりとしたゴマ。

これから更に減って行きますよ。  

sesami

ふるい作業。
まずは目の粗いコランダーで枯れ葉などを選別。

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次にザルで、ゴマ粒よりちょっと大きめのゴミを選別。

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ゴマ粒より目の細かい網(味噌こし)で、細かなゴミをふるい落とします。

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だいぶ綺麗になってきましたが、まだまだ。

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次は風選。
外のそよ風の力を利用し、ボウルからボウルへ落としつつ、軽いものを吹き飛ばします。
(撮影はダンナサマ。構図がいまいちだにゃあ・・) 
上手に繰り返すと、風選だけでかなり綺麗にすることが出来るらしいです。 

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次は水洗い。
ボウルに水をため、少量ずつゴマを入れて、ぐるぐるとかき混ぜます。
浮いているものと沈んでいるものがあるのが分かるでしょうか。 浮いたもの(不良品のゴマや葉っぱのカケラ)はすくって捨てます。
沈んだもののうち、ゴマ部分だけ上手に選り分けます。
(砂金掘りの要領。ゴマは砂に相当) 

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一番底に残るのは、土。(砂金掘りでいうところの金に相当)
結構沢山の土が混ざり込んでしまっています。 
収穫時には、なるべく土を混ぜないように気をつけた方がいいです。 

sesami

洗い終わったゴマは、ザルにあげて水気を切り、ペーパーの上に広げて即座に乾かします。
湿気のある状態で放置すると、2日間ほどで発芽(発根)してしまうのだそうです。 

sesami

そして最後。目視確認およびピンセット作業。
自家用なので多少のゴミや不良ゴマ粒は気にしないのだけれど、先日買った上等なピンセットを使ってみたくてやってみました。
このピンセットはおそらく歯医者さんの放出品(フリマにて購入)。先端が細く、ゴマ一粒でも簡単につまめるすぐれものです。 

sesami

収穫量はこのくらいになりました。
種を蒔いたのは、小さじ半分程度だったので、それに比べれば増えたのかもしれないけど・・・ 


味見はまだなのですが、これだけ手間をかけて、それほど美味しくなかったらがっかりだろうなあ・・・。ううううう。


作業の全ての段階で、結構な量のロスがでます。
それを勿体ないと思うとイライラするので、むしろ植え付けを増やす方がいいと思います。

また調整作業の際は、そこらじゅうがゴマだらけになることを覚悟しないといけません。
かなり広い場所と、大きなブルーシート、多少のロスは気にしないおおらかな心、あちこちにゴミがちらばるという覚悟、そしてめげずにやり通す根気が必要です。
(現代人でこの5要素兼ね備えるのは結構大変かも。昔の人はえらかったんだなあ・・・)


「んもう、すごい大変! もう絶対胡麻なんて育てないわ!」
と断言していた母の気持に、(やる前から薄々想像はついていましたが)改めて同感です。

でもまあ、 一度ひととおり自分でやってみるというのは、面白いことでした。
産直で、地元産のゴマが売っていて、美味しいのでよく買っていました。
一度自分で栽培を経験してみると、ありがたみ倍増、いや、十倍増です。
 


業務連絡:お母さんへ
久々に栽培してみた感想はどうですか?



■■参考情報
(1)喜界島でのゴマの生産風景
日本で使用されるゴマは99.9%(16万トン)が輸入で、残りの国産ゴマ(200トン)のほとんどは鹿児島県喜界島産。
日本一の生産地ということは、調整作業もかなり機械化されて・・・と思いきや、大半が手作業っぽい感じです。

(2)ゴマ栽培 

(3)ゴマのお店和田萬のHP
 ゴマ栽培方法 
作業全般で大切な事は、面倒くさがらずに根気よく頑張るという事になります。」ですって。
本当にその通り。 

 ゴマ選別用ふるいの販売と、調整方法 
  

コメント (12)
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