My柿は名もない野良の柿だからかと思っていましたが、品種改良されたものでもそういうことがあるとか。
太秋柿という柿があります。
これは、シャクシャクした食感が特徴的な柿です。シャクシャクなのに甘い果汁が溢れてきて、まるで(ザラザラの砂粒のない)梨のような、大変美味しい柿です。
わずかに青いくらいのうちのほうがこの特徴的なシャクシャク感があるので、真っ赤になっていないものの方がおすすめ、というちょっと変わった柿です。
この太秋柿にも、2種類の実がつくようです。
(かずさん、珍しい柿をありがとうございました!)。
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右側が、いわゆる普通に売られているタイプの太秋柿。これは雌花に実る果実です。 |
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大きさや形が全然違います。 |
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断面は、割と似たような色合い。雄柿もゴマがなく、シャクシャクで美味しい甘柿なのです。 |
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小さい方の実は「雄柿」と呼ばれているものの、雄しべだけでは実はなりませんよね。おそらく「完全花(両性花)」が肥大したものではないかと思います。 |
調べてみると、柿の花のつきかたには次のような種類があるようです。
・雌花のみ着生=富有、次郎、平核無
・雄花のみ着生=カキにはなし、君遷子(豆ガキ)。雌雄異株。
・雌花、雄花ともに着生=禅師丸、西村早生、筆柿。
・雌花、雄花、完全花ともに着生=夫婦柿、正月など極少数
甘渋やタネの入り方と花の関係を整理してみようと思ったのですが、花のつきかたについては情報が少なく、いまいちよく分からないことも多いです・・・。
栽培の上では受粉樹の要不要の方が重要で、こちらの情報はみつかりました。
ここから推理すると、受粉樹が必要なものは、花粉がないと(タネが入らないと)実が大きくならない、ということなので、雄花がないか、もしくはごく少ない、ということだと思います。
受粉樹が不要な品種は、おそらく雄花と雌花が両方つくのですよね。
でも、受粉樹が不要で、雌花だけしかつかない平核無は、受粉しなくても実が大きくなる、ということなのかな?ムムム。
あと、完全花がつく品種はごく少ないとありますが、My柿のうち3分の2はそうなんですけど。しかも片方は、両性花の実が圧倒的多数です。
何故でしょう?そういう品種?
苛酷な環境で生えていると、両性花が多くなるとか・・・?
種の入り方と甘渋 | 完全甘柿 種子の有無にかかわらず熟し、甘くなるもの |
不完全甘柿 種子の数が多いと、甘く、種子の数が少ないと渋くなる。 一般に種子の周囲にゴマが多い。 |
不完全渋柿 渋柿ではあるが、わずかに種子が入ると、種子の周囲にゴマができて、その部分が甘くなるもの |
完全渋柿 種子の有無にかかわらず、常に渋いもの | |
花のつきかた | 代表品種 | 富有、次郎、松本早生、伊豆など | 禅師丸、水島、甘百目、西村早生、筆柿など | 平核無、会津身不知、甲州百目など | 蜂屋、西条、四つ溝など |
雌花のみ | 富有、次郎、平核無など | 富有 次郎 |
平核無(受粉樹不要) | ||
雌花、雄花 | 禅師丸、西村早生、筆柿など | 西村早生 禅寺丸 筆柿 |
My鶴の子柿 | ||
雌花、雄花、完全花 | 夫婦柿、正月など極少数 | 太秋(完全花の実も甘柿) | Myハート形柿(両性花の実は渋・こちらが多数つく) My枇杷隣柿 |
久目丸(富山1号)(雌花少なく完全花多いようです) | |
雄花のみ (雌雄異株) |
君遷子(豆ガキ) (カキにはなし) |
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花のつきかた不明 | 松本早生(受粉樹必要) | 会津身不知(受粉樹不要) | 蜂屋(受粉樹必要) 西条(受粉樹不要) |
■参考情報
当ブログの記事二種類の雄花 雄花と完全花の外見および断面写真を撮りました
高校の理科の先生のHPのカキの花 雌花・雄花の写真があります。
HPフルーツ大好き応援団の甘柿・渋柿・柿のゴマ
ホームセンターコメリのHP果樹の品種と受粉樹の要不要
果樹研究所の果樹品種情報検索システム