FUCHISO(フウチソウ)

諸国の古い工芸/染織品をご紹介する小さなお店です。 東京都渋谷区神宮前3-7-4 2階/TEL 03-5474-7107

● 朝鮮族・馬綴れ/手描き捺染

2013-11-10 | 古いもの
生涯(と言える程は生きて無いか)で、まだ片手に満たない位しか見た事の無い布

馬の毛で織られたと思しき綴れ(つづれ)織りの布。



















始めは感覚。褪色した天然染料であろうその色調、パステル画みたいでキレイだなあ。



見て触るほどに、技法の混ざり合いやその資料の無さに戸惑わされ、興味の深まった布。


技法としては、つづれ織りした生地の表側に、手描き捺染で宮中図が染め出されています。


見るからに短いあの馬毛から糸を紡ぐのは、さぞや手間と技術が必要だったでしょう。



そういえば広げたりする度にこれも、短い毛がパラパラと抜け落ちる。

この布もあと200年もすればおそらく、図柄の判別も付かぬ位に毛が抜けたり虫に喰われたりして残欠となり

やがて朽ち果て、自然の一部に還るのでしょうか。

布や紙ものにはそういった儚さも伴って魅力が有るように思う、今だからこそ愛でられるもの。

来年は馬年ですし。(関係無し?)











日常的な用途ではなくて祭礼の懸装幕として山車を飾る為の用として日本に渡ったものだそう。

その使用頻度からも、強度と言うよりは、珍重度が優先されたのだとすれば納得。

19c初頭位のものかと思われます。


資料があまり無い布の為、確かでは無いけれど

宮中図柄と素材から察するに、騎馬民族である朝鮮族により織られた綴れという説が今の自分には腑に落ちる。








素材 経 木綿 × 緯 獣毛(おそらく馬毛)

技法 綴れ織り/手描き捺染

W 132 × L 168 cm


:ご売約済みとなりました、ありがとうございます:

所々に、染みと虫食いの穴有り。



* 明日11/11(月) は 古裂市場の為、休業とさせて頂きます。12(火) 13(水) は 通常営業致します。

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