夜の街に孤り
酒を飲むことが好きだからだ
目をとじたまま
風のなかにも揺れることもない表情は
緑の皮ふを持っているだけに
過去をひきずっている女(ひと)を思い起こさせるのだ
それが棘の間から花を咲かせた時は
そんな女がひと時のものと知りながら
愛に身をまかせる時の声を聞くのだ
わたしは時折
棘に唇を寄せてみるのだが
その感触は
触れ合うことの出来ない心の奥底に
突き当たったような気がして
わたしのまわりを囲む深い淵を確認するのだ
わたしがサボテンを好きなのは
夜の街に孤り
酒を飲むことが好きだからだ
塚原将『消せない時間』より
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