化学系エンジニアの独り言

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ソーラーサービスモデル

2006-10-30 | 再生可能E
CO2排出抑制のため太陽光発電を検討しても、初期投資が大きすぎて投資回収ができないという問題にぶつかります。初期投資がゼロで、運転管理費もかからずに太陽光発電を設置することができ、炭素排出量削減を実現できると同時に、自らのエネルギーロストを削減できる方法があるようです。

日本でいうエネルギーサービスプロバイダー(EPS)に似ているモデルです。
カリフォルニアにあるGMの部品倉庫の屋根には年間150万kWh発電量(稼働率約20%とすると900kW)のソーラーパネルが設置されています。設置したのはGMではなくて、DEERS(Developing Energy Efficient Roof Systems)という会社です。Deersは投資家から資金を集めてそのお金でソーラーパネルを設置しました。

GMはDeers社から9-10セント/kWhで電力を買います。(通常系統電力よりも安い一定価格か、一定割引率で10年の契約を結ぶようです。)この価格は電力会社からの買電よりも安いのでGMは電気代を年10%削減できるそうです。Deers社はカリフォルニア州から再生可能エネルギー(CO2削減)発電ということで税免除や税還付を受けることができ、その結果として安く電力を売ることができます。GMからは長期(10年)にわたって一定の電力販売収入が得られるので、投資家からみると20%の高リターンは期待できませんが、AAA債権と同程度のリターンを10年間という長期にわたって受け取れるので悪い話ではありません。

同様の事例として、GEがサンディエゴの23の学校にソーラーパネルを設置、Whole Food Market社の店舗や倉庫にSunEdison社(ゴールドマンサックスが出資)がソーラーパネルを設置し10%の電力を供給、Staple社のカリフォルニア配送センターにSunEdison社が280kWのパネルを設置し全使用量の15%の電力を賄う、などがあります。

いいこと尽くめのようですが気をつける点もあります。エネルギー価格は今後とも上昇するという前提ですから、10年間の間に系統電力料金が下がってしまうと買う側はメリットがなくなります。ソーラーパネルの発電効率の悪い場所、つまり日照条件の悪い地域には適用できません。さらに免税や税還付といった再生可能エネルギーに対する優遇政策を実施している州のみが対象になります。

どこでも適用可能というわけではありませんが、太陽光発電の導入を促進する良い仕組みです。

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