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ロッキー山麓の炭素税

2006-11-22 | エネルギー
コロラド州ボルダーという土地を知っているでしょうか?マラソン選手が高地トレーニングで利用していることから日本でも良く聞く地名です。ロッキー山脈のふもとに位置する人口9万人の町で、コロラド大学のある大学町です。

ボルダー市民は先の住民投票で炭素税を承認しました。来年4月1日より発効するこの税金は、電力使用量(kWh)に課税されるもので、一般世帯で年間16ドル、商用で46ドルになると市当局者は見込んでいます。税金は電力料金と一緒に電力会社に収められます。2012年までに総額で$6.7 millionに達すると予想されます。

ここで集められた税金は気候行動プランに使われます。具体的には一般住宅やビルのエネルギー効率向上、再生可能エネルギーへの転換、自動車燃費の改善です。ボルダー市ではCO2排出量を1990年よりも7%削減、現在の排出量からは24%の削減を目標にしています。

既に風力発電等の再生可能エネルギーを利用しているケースではこの炭素税は減税されます。

ポートランド市では2001年から同様のプログラムを実施しています。同市では電力料金の3%を徴収しています。税金という形態をとっていないので、集まったお金はNPO法人を通じて太陽光発電、風力発電、バイオマスエネルギーの導入補助金、エネルギー効率向上のための建物の改造補助などに使われているそうです。

この様な自治体独自の活動は今後も広がっていくものと思われます。温暖化抑止は全地球規模で取り組む必要がありますが、実際に先進国、途上国を含めた包括的な行動計画を作ることは無理な話です。上の例のようにできることから始めるのが、現実的な方策と思われます。

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