蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

蕎麦打ち (10)

2006-06-16 | 蕎麦打ち
ソフトな歯触りがし、しかも「めん」がしっかりしている蕎麦を打つにはどうしたらよいか。
ことが重大であるために、その答えは容易に見つかるものではない。私は、何年も頭の片隅に入れておき、事あるごとに思案した。ある時、一つの考えの道筋が見えてきた。

私達は蕎麦を食べるとき、細い「めん」を、おそらく十数本を箸でつまみ、つゆにつけ口に運ぶ。この時の「めん」状の蕎麦が与える印象を、コシがあるとか食感がいいとか言い表す。そうであるからには、十数本を構成する「めん」の1本を仔細に検討することが必要だと考えた。

ところで、蕎麦には「切りべら」、うどんには「延しべら」という言葉が使われる。それは、蕎麦は切り面よりも延し面の方を短く、うどんは切り面よりも延し面の方を長くするというものである。従って、蕎麦は「めん」1本の断面が縦長方形になることを意味する。

この縦長方形にするのはなぜなのか。ここが出発点である。ここを突き詰めて考えることなしに、いいコシのある蕎麦は打てない。