蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

石臼 (41)

2006-06-01 | 石臼
コヤスケで台地をどう叩けばよいのか。

まず、粒子が掻き上げられる側の3分に1程に、次の3つのことを行うことだ。
第1に、台地の角を少し多めに叩き、わずかに下げ粒子が噛み込まれ易くすることである。
第2に、粒子が掻き上げられる側の斜め上方から、コヤスケを打ち下ろすことである。こうすると、臼面に出来た「刃」が蕎麦の粒子に鋭く向かうことになる。
第3に、副溝に平行でなく少し角度をつけて、コヤスケを叩くことである。狙いは2つめと同じである。

台地の残り3分の2は、コヤスケを真上から副溝に平行にして打ち下ろし、まさに切れる臼面を作るようにすればよい。

目立てがよくできているか否かを判断するには、台地の表面を指の腹でそっと撫でてみる。ざらざらと、ひっかかりがあればある程よい。副溝に沿って撫でる時よりも、それに直角に撫でる時の方が、よりひっかかりが多いと感じられるのがさらによい。

台地にこのような目立てをして始めて、「石臼」のはじめで述べた、上臼が平たく軽くできる。すなわち、上臼の偏平率が20%でも、丸くない、角ばった、大小様々な細かい粒子からなる蕎麦粉が得られるのである。これが理想の石臼である。