蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

蕎麦打ち (6)

2006-06-11 | 蕎麦打ち
加水に関しては、1回がよいか分割がよいかは意見が分かれる所である。しかし、最初の水の打ち方を考えずに、そのことを議論しても始まらない。

次の3つの場合について考えてみよう。
① 蕎麦粉の中央に、3回分割の1回目を70%加水した場合。1回目をどのように巧く水を回しても、30%の粒子には水が行き渡らない。その30%に2,3回目で短時間に水を回すのはそう簡単ではないだろう。
② 蕎麦粉の中央に、1回のみで加水する場合。ほんの一部の粒子にどっと水が触れたら、それらの粒子だけが一気に水を抱え込んでしまわないだろうか。その結果、全部の粒子に水を送り込むのは難しいだろう。 
③ 片手で1回加水の場合。この場合は1回の加水であっても、多くの粒子が短期間に順次水に触れていくので、水回しは巧くいくだろう。
この他の幾つかのケースを考える必要があろうが、蕎麦粉の性質から考えて②のケースが最悪の選択である。

結局、最初にどのような加水方法をとるかと、1回加水か(一般的である)3回加水かは相互に関連しているのである。