蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

石臼 (6)

2006-04-26 | 石臼
古い石臼を電動化し、製粉が自由に出来るようになっても、石臼作りを止めなかった。半年あるいは1年もしないうちに、全く新しい石で電動の石臼を作製した。

なぜ次の石臼に向ったか思い出せない。電動化した古い石臼でも、それなりの粉は挽けた。蕎麦粉だけで普通に打てた。だから、挽ける蕎麦粉に不満があった訳でもなかった。蕎麦について様々なことが判ってくるのが面白くて、NBさんと酒を飲みながら盛り上がって、もう1台作ってみようということになったのかもしれない。先日、NBさんにこのことを確認したが、彼も何でだろうと訝しがっていた。

全く新しい石臼を作るには、私達の知識は絶対的に不足していた。石臼について学ぶ必要があった。当時、粉体工学の第一人者としてテレビに出演されることがあった三輪茂雄先生に、「石臼を作りたいゆえ、先生の著作名をお教え下さい」という内容の手紙を書いた。先生の住所を知らなかったので、同志社大学工学部気付 三輪先生宛で手紙を送った。嬉しいことに、突然の不躾なお願いにもかかわらず、しばらくして先生から手紙が届いた。この手紙が、間違いなく石臼理解と作製への大きな第1歩となった。手紙には、先生の著作の一覧だけでなくあるサジェスチョンが記されていた。