ナガミヒナゲシ
ケシといえば阿片をとるオニゲシが連想されるが、それに比べて小さいのがヒナゲシで、印象派のモネの絵などで知られる。そのヒナゲシに似ているが、果実が細長いので「長実ヒナゲシ」。ヒナゲシはヨーロッパの町が戦争で瓦礫の町になると咲く。それが真紅なので悲しみと希望を象徴するという。瓦礫で開花するのは、土中の種子が80年も長生きできるからだ。ナガミヒナゲシも腐葉土の豊富な林や草原にはなく、市街地の道路の隙間や駐車場など痩せた土地でよく見かける。蕾のときは下向きに垂れているが、開花する時はスッくと立ち上がる。微妙な紅色で細い茎の上につく花は風に揺れているのをよく見る。花が終わると細長い果実をつけるが、熟して乾燥するときには灯台の上にある窓のようなスリットができて、そこから筒の中にあるたくさんの種子を撒き散らす。それはちょうど胡椒を振り出す小さな小瓶のようだ。その先端部には「米」という字の模様まで付いているというこりようだ。地中海などの植物で、戦後に入った外来種で、各地で拡大傾向にある。
つぼみ
未熟な果実
熟した果実
ここ数年の間に庭先や路地などでも多く見かけるようになりました。繫殖力が旺盛な外来植物なので駆除するようにと言われた記憶がありますが、清楚な感じのオレンジ色の花が風に揺らぐ姿に夏の近づきを感じます。
小島 基男
駐車場のかたすみ、踏切の脇、コンクリートのわずかな隙間から顔をのぞかせて咲いている淡いオレンジの花。「外来種」という括りで目の敵にされている状況も耳にするけど、どうにかうまく馴染んで溶け込んでほしい、そんな春の花。
豊口信行
ナガミヒナゲシを子供の頃に見た記憶がない。目立つようになったと感じたのも、それほど昔ではない。色や姿が妙に造花っぽく、何か違和感のある不思議な存在だ。これが植物の帰化にリアルタイムに接した感触なのか。
牧田一雄
ナガミヒナゲシ
ケシといえば阿片をとるオニゲシが連想されるが、それに比べて小さいのがヒナゲシで、印象派のモネの絵などで知られる。そのヒナゲシに似ているが、果実が細長いので「長実ヒナゲシ」。ヒナゲシはヨーロッパの町が戦争で瓦礫の町になると咲く。それが真紅なので悲しみと希望を象徴するという。瓦礫で開花するのは、土中の種子が80年も長生きできるからだ。ナガミヒナゲシも腐葉土の豊富な林や草原にはなく、市街地の道路の隙間や駐車場など痩せた土地でよく見かける。蕾のときは下向きに垂れているが、開花する時はスッくと立ち上がる。微妙な紅色で細い茎の上につく花は風に揺れているのをよく見る。花が終わると細長い果実をつけるが、熟して乾燥するときには灯台の上にある窓のようなスリットができて、そこから筒の中にあるたくさんの種子を撒き散らす。それはちょうど胡椒を振り出す小さな小瓶のようだ。その先端部には「米」という字の模様まで付いているというこりようだ。地中海などの植物で、戦後に入った外来種で、各地で拡大傾向にある。
つぼみ
未熟な果実
熟した果実
ここ数年の間に庭先や路地などでも多く見かけるようになりました。繫殖力が旺盛な外来植物なので駆除するようにと言われた記憶がありますが、清楚な感じのオレンジ色の花が風に揺らぐ姿に夏の近づきを感じます。
小島 基男
駐車場のかたすみ、踏切の脇、コンクリートのわずかな隙間から顔をのぞかせて咲いている淡いオレンジの花。「外来種」という括りで目の敵にされている状況も耳にするけど、どうにかうまく馴染んで溶け込んでほしい、そんな春の花。
豊口信行
ナガミヒナゲシを子供の頃に見た記憶がない。目立つようになったと感じたのも、それほど昔ではない。色や姿が妙に造花っぽく、何か違和感のある不思議な存在だ。これが植物の帰化にリアルタイムに接した感触なのか。
牧田一雄
ナガミヒナゲシ