好奇心旺盛なおばさんのワクワク日記

勉学優先のセン業主婦!
遠くに見える富士山を眺めつつ、ワクワクしながら学習などにいそしむ日々を書き綴っています

自筆本『節用集(雑字類書)』に「ヤマトタケノミコト」

2022-05-28 20:38:08 | 漢文・漢字
 〔雑字類書〕と称される『節用集』が国立国会図書館デジタルコレクションにあることが分かり早速ダウンし、確認してみました。
 便利な時代に生まれて良かった!

 

 「ヤマトタケノミコト」(260/589)と確かに書かれています。
  ※ カッコ内はPDFの頁数

 この〔雑字類書〕は、『古語大辞典』(p1824)によると、「この本は文明本を作った人の自筆になり、他の本を転写したものではないらしく、誤記がほとんど稀であることもこの辞書を有益な国語資料としている。」のだそうです。

 また、国立国会図書館デジタルコレクションの解題に以下のように記されています。
 いろは引き分類辞書。冒頭が「伊勢」で始まる所謂「伊勢本」系統の節用集(室町時代に成立した国語辞書)の一つ。書中に「文明六年」(1474)とあることから「文明本節用集」とも称される。現存する節用集諸本のなかで最古の部類に属す写本といわれる。内容的には収録語彙が多いこと、漢籍の出典を多く引用して詳細な訓点が施されていることなどが特徴である。室町時代の国語資料として貴重である。全巻一筆。分類を示す門名のみは陰刻黒印で押捺されている。書名は箱書「古写本雑字類書」による。巻末に「天下無雙」(寺田望南)の印記。

 易林本にあった「跉跰(ヤスラフ)」は見つからず、「徘徊(ヤスラウ)(ハイクワイ)」(288/589)はありました。

 頁数も多く、細かな字でたくさんの情報が書かれているので読みにくいですが、頑張って最後まで読んでみます。まだまだ面白い情報がありそう

 夕方、歯科医院から帰ってきた家人が「刺身買って来ちゃった」
 前日の残り物のポテトサラダと牛肉の炒め物、前々日の残り物酢豚などがあり、ごはんを炊くだけで充分に賄えました。
 有り難や有り難や!!

 今日は調べ物が捗り筆も進み4度の投稿になってしまいました。

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《大方等大集經》中の「跉跰」

2022-05-28 16:46:20 | 漢文・漢字
其國當有三不祥事。一者穀貴。二者兵革。三者疫病。
一切善神悉捨離之。其王教令人不隨從。常爲隣國之所侵嬈。
暴火横起多惡風雨。暴水増長吹漂人民。内外親信咸共謀叛。
其王不久當遇重病。壽終之後生地獄中。若宿善追及。還得人身。
無量世中常盲無目。貧窮跉跰行乞自活。常生惡心。因是惡心。
復當還墮於地獄中。如王夫人。
 (SAT大正新脩大藏經テキストデータベースより抜粋)

 仏典中の「跉跰」は、『古語大』にある「休らふ」の意とは解せず、《妙法蓮華經玄賛》卷第六末にある「有解云跉跰足履危險之貌」や《添品妙法蓮華經》・《阿毘達磨大毘婆沙論》・《大方廣佛華嚴經隨疏演義鈔》などの欄外注にある「伶俜=跉跰」、さらに『電子佛教辭典』にある「孤独にしてさまよい步くこと」の説明がやはりしっくりきます。

 「跉跰(ヤスラフ)」が見つかっているのは、今のところ『節用集』(主に易林本)だけなので、もう少し他の古辞書にあたって見ようと思います。
 『古語大』「休らふ」の説明に、中古から中世にかけて多く用いられ、後世、「ためらふ」の意味がこれと近接して、その結果「やすらふ」が後退し、死語化してゆく。 とあるのも気になっています。

 今日は日差しが強く暑いのでヨシズを張りました。昨日の土砂降りのおかげで網戸が綺麗になり、景色がくっきり見えているでちょっと残念ではありますが。

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「𠄌」に3種の用法

2022-05-28 13:36:16 | 漢文・漢字
 前述の1.について、先生の論文が見つかりざっと目を通しました。「ヤマトタケ」と書いたクリアファイルの中に他の資料と共に入っていました。内容については別の機会に書こうと思います。

 2.については、校勘学の本ではなく『訓詁学講義 ー中国古語の読み方』(洪誠著、森賀一恵・橋本秀美訳)のほうでした。
 第六節 句読のない古書に、どうやって点を切るか(p75)
 (前略) 最後に、句読の起源と発展について簡単に述べよう。(p80)
 (中略)
 《文心雕龍札記》からの引用、《史記・滑稽伝》・《流沙墜簡》の《屯戍叢残》の一簡の例を挙げ、「𠄌」には、句・読・頓の三種の用法があり、章の区切りだけに使われたのではなかった。一九五九年に武威で出土した前漢の《儀礼》簡策を見ると、章句符号として、黒丸「●」・白丸「○」・鈎「𠄌」の三種の形式が使われている。(p81)
 との記述がありました。

 上記の赤字の部分にはしっかりとマーカーが付けられていました
 ひとまずこの件は、落着! なのだけれど・・・
 
 『校勘学講義 ー中国古典文献の読み方』(倪其心著、橋本秀美他訳)
 第六章 校勘実践の具体的方法(p229)に、「流伝状況についての知識を得る」なんて項目見つけてしまった

 『漢籍版本のてびき』ももう1度読みたい・・・

 調べたことはWordに記録しているのですが、文字変換やIMEの手書きで簡単に出てこない漢字が多く、ユニコード調べたりとか時間が余分に取られてすごく面倒
 で、久しく出番のなかった今昔文字鏡のフォント、ついに昨日Win10にも入れました
 新しいバージョンは3つほどフォントが増えたようです。

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まず整理整頓を

2022-05-28 09:10:59 | 漢文・漢字
 頭の中の整理整頓が必要なようです。
 何がどの文献に書かれていたのかうろ覚えが多くて

1.「ヤマトタケノミコト」に関する先生の論文を拝読したことがあり、版本に関しては全く触れられておらず別の観点からのご意見だったと思うので、もう1度読み直したい。手元にあるはずだと思うんだけど?

2.ある方のブログで、漢籍に書き入れのある符号について詳細な説明をされているのですが、この符号に関してもどこかの文献で読んだことがあるような?
 版本に書き入れがあり、読みかけの箇所に印を付してある、というような・・・
 レ点(乙点)について調べた時に見たような気がするけれど、版本に関する書誌学の本だったか、校勘に関する本だったか? 

3.以前に文教大で『史記』の版本の展示があり、図録を戴いておりどこかにあるはず・・・

 後、何か確認するものあったっけ? 
 次の校正が来ないうちに集中してやってしまわなければ。

 名人戦七番勝負、渡辺明名人vs斎藤慎太郎八段の第5局1日目が始まりました。
 名人がすでに3勝していますので、本局に勝利すれば防衛が決まります。夕方の封じ手まではほぼ互角でしょうから、今日はサブディスのほうに画面を表示しながら形勢判断だけ確認しようと思います。

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