もう本当に久しぶりのアートで、嬉しいです。
本当はもっと行きたかったんですが、出かける時間が遅くて・・・。
今回は1箇所で三度おいしい例の場所へ。
まずは。
NISHIO Yasuyuki"Mythology"
TAKAHASHI collection、西尾康之"神話学"です。
また今回も贅沢な内容でした。本当に。
「独占禁止法違反・・・!!」と思わず言いたくなるような(笑)羨ましい限りのコレクション。
1995年の"革猫"から2004年の"タナトティス"(山本現代で今年開かれた"崩壊人体展"に出品されていたものだと思います。)まで。
GEISAIで金賞を受賞したことで彼を一躍有名にした"ジャイアンティス"もしっかりありました。
通路を曲がると突然"革猫"がドドンと現れ、少々びっくり。
出品作品一覧です。
■革猫 Leather Cat
■タナトティス Thanatotis
■素粒の鎧 Armor of the elementary particles
■ジャイアンティス Giantis
■Fight in the cause of justice
■内側さえも Besides inner
■内側へ Towards inner
西尾さんの作品は実のところ生で見たことは無く、"素粒の鎧"や"ジャイアンティス"などの写真を見て凄く惹かれていたのですが、実際どういう感覚で創っているのかというのはいまいちつかめないでいました。
が、今回でそれが少しだけわかったような気がしました。
彼独自の造形手法・陰刻鋳造によるファイバープラスターのスカルプチャーが特徴といえると思いますが、そもそもどういうものかというと粘土に指を押し付けていき、それを鋳型として創る手法なのだそうです。
実際に作品の表面に無数の指が現れているんです。
うろこ状の何かかと思ってよく見ると、指ゆびユビ・・・。
GEISAIの受賞時に様々なことを西尾さんが語っているのを読んでいるはずなのに、思い出せないのですが、やはり何かしらのフェティシズムに突き動かされている部分があるということは言えるのではないでしょうか、と勝手に思います(というかアーティストは皆そういう部分を持っていますよね、きっと)。
豊かな肉付き、時に豊満を通りこした身体の表現は少しの恐ろしさと異様なパワーを感じさせます。
"素粒の鎧"は想像していた以上の作品でした。
物凄いプレッシャーを感じさせる7体の人物像で、僕はあそこに一晩一人で寝なさいと言われたら絶対逃走します。
リアルではない中にあるリアル、というものを感じてしまいました。
陰刻鋳型が特徴と前述しましたが、実際使用されているのは今回は7作品のうち3作品のみです。
"内側さえも"、"内側へ"は軸装された対の作品で、前者が肉付きの良いアメリカンコミック的な巨大な女性が走っており(足元では相変わらず建物が破壊されています)、後者はほぼ同じ構図ですが、女性の皮膚と脂肪がはがされ筋肉のみで描かれています。
これも何か西尾さんについて考えるのには重要な作品かな、と思いました。
単純に画力も備えていて迫力あります。
それから笑ってしまったのが"Fight in the cause of justice"で、テラコッタによる16体の人物像なのですが、それぞれがお得意の巨大女性建築破壊で、異様なほど細かいというわけではないのですが、7×7×5cmのなかで実によく表情や雰囲気を表現していて、近くでそれぞれじっくり見るとホントに面白かったです。
それから"タナトティス"。
女子高生かそれくらいの世代のファッションを身につけた小さな人形群。
リアルな衣服とは反対に顔は崩壊寸前、ミイラのよう。
でも何故か"素粒の鎧"と同じようにそこにリアルさを感じ取ってしまいました。
恐ろしくも美しい小品だと思います。
なんだか全部にコメントをつけてしまいました・・・。
久々で嬉しいんです。
まだ続きます。
YAMAMOTO GENDAI"NISHIO Yasuyuki|Transform"
続いて山本現代でも西尾康之新作個展、"変態"。
昆虫の変態をあの表現で作品にするのですから、もうだめな人にはだめでしょう。正直。
物凄かったです、こちらも。ほんとに。
こちらについてはゴタゴタ書かないですが、連作油絵もあり山本現代のHPによればこれには「西尾康之心酔」だそうです。アメコミアイドル風巨大美女がまたも街を破壊しています。さりげなく。
それから実物大の紅のロングブーツのスカルプチャーもありました。
ブーツのみですが、まるで中に豊かな女性の脚を包みこんでいるようなリアルで生々しい表現で(これも良く見ると勿論指。昆虫にも指・・・)見入ってしまいました。
他、全てが圧倒的でした。
興味を持たれた方は是非是非行ってみて頂きたいのですが、「昆虫無理」とかいう方は一度ご検討なさってからのほうが賢明・・・??
最後。
KODAMA Gallery"DAISUKE NAKAYAMA|doze"
西尾さんからがらっと雰囲気が変わって、中山ダイスケの個展。
言い方が良くないですし、僕が偉そうに言うことでもないのですが、ある意味若手に多い表現の仕方にも思えます。
が、なんというか、そう言いつつも少し違って、よくある浮遊感とか夢遊病的だったり幻想的な感覚をそのまま描くものではなく、二次元の世界にうまく落とし込んでいるなという印象を個人的には受けました。
そのあたりはさすが、という感じですね。
関係ないですが、鶴田真由さんとの結婚生活はうまくいってらっしゃるのでしょうか(余計なお世話)。
色彩もキレイでしたし、モチーフの面白さも気になるところです。
という感じで"doze"も良かったのですが、如何せん。
西尾展が強烈過ぎて・・・。
というわけで、KODAMA Gallery(普通に作品をみる)→高橋コレクション(過去の西尾作品で作風に慣れる)→山本現代(虫と向き合う・・・)という順序はいかがでしょうか、などと感じたりしました。
本当は草間彌生展"永遠の現在"にも行きたかったのですが、東京国立近代美術館は平日以外に行きたくない美術館トップ3に入るので、そのうち平日に行きたいと思います。
本当に満足な一日でした。
2度も電車の停止に巻き込まれましたがね。。
本当はもっと行きたかったんですが、出かける時間が遅くて・・・。
今回は1箇所で三度おいしい例の場所へ。
まずは。
NISHIO Yasuyuki"Mythology"
TAKAHASHI collection、西尾康之"神話学"です。
また今回も贅沢な内容でした。本当に。
「独占禁止法違反・・・!!」と思わず言いたくなるような(笑)羨ましい限りのコレクション。
1995年の"革猫"から2004年の"タナトティス"(山本現代で今年開かれた"崩壊人体展"に出品されていたものだと思います。)まで。
GEISAIで金賞を受賞したことで彼を一躍有名にした"ジャイアンティス"もしっかりありました。
通路を曲がると突然"革猫"がドドンと現れ、少々びっくり。
出品作品一覧です。
■革猫 Leather Cat
■タナトティス Thanatotis
■素粒の鎧 Armor of the elementary particles
■ジャイアンティス Giantis
■Fight in the cause of justice
■内側さえも Besides inner
■内側へ Towards inner
西尾さんの作品は実のところ生で見たことは無く、"素粒の鎧"や"ジャイアンティス"などの写真を見て凄く惹かれていたのですが、実際どういう感覚で創っているのかというのはいまいちつかめないでいました。
が、今回でそれが少しだけわかったような気がしました。
彼独自の造形手法・陰刻鋳造によるファイバープラスターのスカルプチャーが特徴といえると思いますが、そもそもどういうものかというと粘土に指を押し付けていき、それを鋳型として創る手法なのだそうです。
実際に作品の表面に無数の指が現れているんです。
うろこ状の何かかと思ってよく見ると、指ゆびユビ・・・。
GEISAIの受賞時に様々なことを西尾さんが語っているのを読んでいるはずなのに、思い出せないのですが、やはり何かしらのフェティシズムに突き動かされている部分があるということは言えるのではないでしょうか、と勝手に思います(というかアーティストは皆そういう部分を持っていますよね、きっと)。
豊かな肉付き、時に豊満を通りこした身体の表現は少しの恐ろしさと異様なパワーを感じさせます。
"素粒の鎧"は想像していた以上の作品でした。
物凄いプレッシャーを感じさせる7体の人物像で、僕はあそこに一晩一人で寝なさいと言われたら絶対逃走します。
リアルではない中にあるリアル、というものを感じてしまいました。
陰刻鋳型が特徴と前述しましたが、実際使用されているのは今回は7作品のうち3作品のみです。
"内側さえも"、"内側へ"は軸装された対の作品で、前者が肉付きの良いアメリカンコミック的な巨大な女性が走っており(足元では相変わらず建物が破壊されています)、後者はほぼ同じ構図ですが、女性の皮膚と脂肪がはがされ筋肉のみで描かれています。
これも何か西尾さんについて考えるのには重要な作品かな、と思いました。
単純に画力も備えていて迫力あります。
それから笑ってしまったのが"Fight in the cause of justice"で、テラコッタによる16体の人物像なのですが、それぞれがお得意の巨大女性建築破壊で、異様なほど細かいというわけではないのですが、7×7×5cmのなかで実によく表情や雰囲気を表現していて、近くでそれぞれじっくり見るとホントに面白かったです。
それから"タナトティス"。
女子高生かそれくらいの世代のファッションを身につけた小さな人形群。
リアルな衣服とは反対に顔は崩壊寸前、ミイラのよう。
でも何故か"素粒の鎧"と同じようにそこにリアルさを感じ取ってしまいました。
恐ろしくも美しい小品だと思います。
なんだか全部にコメントをつけてしまいました・・・。
久々で嬉しいんです。
まだ続きます。
YAMAMOTO GENDAI"NISHIO Yasuyuki|Transform"
続いて山本現代でも西尾康之新作個展、"変態"。
昆虫の変態をあの表現で作品にするのですから、もうだめな人にはだめでしょう。正直。
物凄かったです、こちらも。ほんとに。
こちらについてはゴタゴタ書かないですが、連作油絵もあり山本現代のHPによればこれには「西尾康之心酔」だそうです。アメコミアイドル風巨大美女がまたも街を破壊しています。さりげなく。
それから実物大の紅のロングブーツのスカルプチャーもありました。
ブーツのみですが、まるで中に豊かな女性の脚を包みこんでいるようなリアルで生々しい表現で(これも良く見ると勿論指。昆虫にも指・・・)見入ってしまいました。
他、全てが圧倒的でした。
興味を持たれた方は是非是非行ってみて頂きたいのですが、「昆虫無理」とかいう方は一度ご検討なさってからのほうが賢明・・・??
最後。
KODAMA Gallery"DAISUKE NAKAYAMA|doze"
西尾さんからがらっと雰囲気が変わって、中山ダイスケの個展。
言い方が良くないですし、僕が偉そうに言うことでもないのですが、ある意味若手に多い表現の仕方にも思えます。
が、なんというか、そう言いつつも少し違って、よくある浮遊感とか夢遊病的だったり幻想的な感覚をそのまま描くものではなく、二次元の世界にうまく落とし込んでいるなという印象を個人的には受けました。
そのあたりはさすが、という感じですね。
関係ないですが、鶴田真由さんとの結婚生活はうまくいってらっしゃるのでしょうか(余計なお世話)。
色彩もキレイでしたし、モチーフの面白さも気になるところです。
という感じで"doze"も良かったのですが、如何せん。
西尾展が強烈過ぎて・・・。
というわけで、KODAMA Gallery(普通に作品をみる)→高橋コレクション(過去の西尾作品で作風に慣れる)→山本現代(虫と向き合う・・・)という順序はいかがでしょうか、などと感じたりしました。
本当は草間彌生展"永遠の現在"にも行きたかったのですが、東京国立近代美術館は平日以外に行きたくない美術館トップ3に入るので、そのうち平日に行きたいと思います。
本当に満足な一日でした。
2度も電車の停止に巻き込まれましたがね。。
の山本現代のサイトからも確認できます。
ちなみに西尾さんは山本現代の取り扱い作家なので今回の「神話学」についてはこちらのサイトにのっていますよ。
タカハシコレクションですが、毎週土曜日のみの公開で、西尾康之「神話学」は12月25日までとなります。
現在の所、ウェブページなどはつくっていらっしゃらないようで、ロケーションは同じビルに入っているKODAMA GALLERYのサイト、
http://www.kodamagallery.com/start/index.html
から確認できます。
情報はその時のアーティストを取り扱うギャラリーのサイトに載っていることもありますよ。
また1回行って、住所と氏名をノートに記入すれば次回からお知らせを下さるようになるので予定などもそれで知ることができます。
今外出中なので、帰宅後もう少し情報追加しますね。
Webを調べても出てこないのですが…
これはいかねば・・・!!!!
ティルマンスはお時間見つけて是非!
僕ももう1回行こうかとおもっていますし、WAKO WORKS OF ARTで並行して開催されている新作展も行かねばと思っています。
本当に国立近代は・・・ですね。ちなみに土日祝に行きたくない第一位はBunkamuraです・・・。
できれば平日も行きたくない。。せっかく面白い企画展やってるのに、あの人の海を思い出すと脱力・・・
リンク、入れて頂けるものなら是非!
というかこちらからお金を積んでお願いしたいくらいです(笑)
こちらこそこれからも宜しくお願い致します。
>東京国立近代美術館は平日以外に行きたくない美術館トップ3に入るので、そのうち平日に行きたいと思います。
激しく同意です。なんとか、今週行きたい……。
ところで、こちらのリンクリストに入れさせていただいていいですか? というか、入れさせていただきます(事後ですみません。問題あれば外します)。今後ともよろしくお願いいたします!
確かに土曜日のみ、つらいですが、以前pizzさんがおっしゃっていたように、土曜だけでもあれほどのものを公開してくださるのは本当に有り難いですよね。
予約すれば他の日も可、となっていますがそこまでの勇気も身分も御座いません・・・。
「変態」の新作も全て完売していたようで、また高橋氏のコレクションが充実したのでしょうか(笑)
私もミナト第3ビルに行きたいのですが、タカハシコレクションが土曜のみで、なかなか都合がつきませんでした。
なんとか次の土曜日には行こう思っております。