先日、例のおじいさまより
「全員集合」の号令がかかった。
急に調子が悪くなり、意識があるうちに対面しておいたほうが・・・
という病院の判断。
親戚一同、といっても旧家や名家でもないので大勢ではないが、
遠くは広島、私達は大阪より兵庫県へと集結した。
状態はというと、だんだんと、眠る時間が起きている時間よりも
長くなっているというかんじ。
不謹慎かもしれないが、老いて自然に還っていくということはこういう事か、
と、不思議と美しささえ感じる。
もちろん、様々な病気も併発してはいるが、それが原因というより
「老衰」のほうが勝っている。
痛がったり苦しんだり、薬の副作用で幻覚をみたり・・・と、
苦痛の上人間としての尊厳さえ失われたまま息絶えた瞬間を
目の当たりにしたことのある私と姉からすれば、
それは、とても幸せなことのように思えた。
と、まじめな話はそこまで。
帰り際、ふとおじいさまが目を覚ましたので、
姉が「くみ（姉の名）だよー」と声をかけると、
おじいさまは「おお、くみか・・・」とほほえんだ。
続けて私も「なを（私の名）だよー」と呼びかけると、
いぶかしげな顔をして、こういった。
「なをは・・・かおが・・・ぐおぉぉぉ～（眠る）」
おいー。眠るなー！
またですか。
一体何がいいたいんですか。
頼みますよ。