前回もお話したとおり、引越し作業でおおわらわだった我が家。
予告していた大事件の話ではないが、と注釈をいれつつも、
もひとつお引越しエピソードを。
整理の中で、出てきたものの中でもわらかしたのが両親の往復書簡である。
つまり、ラブレターだ。
こういうものは、たいてい女性がいつまでももっていて、
男性は
「そんなの捨てとけよっ」
みたいなシチュエーション。
しかし、当家では逆であった。
「捨てるな!」とマジックで書かれた箱の中にぎっしり詰まったラブレターは、
父の荷物から出てきたのである。
しかも、手紙の中身には、こんな一文が。
「この手紙は、将来保存して見せてやるぜ。って悪趣味かな?」
って、悪趣味だよ!父!
あんまり見ては母に申し訳ないので、すぐに彼女に全て渡したのだが、
恥ずかしがる彼女が、娘に見せてもokなものだけピックアップしてくれたので、
読ませてもらった。
爆笑である。
二人とも呼び捨てだ。
ひろし!!(←父の名)
ふみこ!!(←母の名)
しかも、なぜか「!!」マークがもれなくついている。
もう、『愛と誠』(古い?)の世界だ。
そして、父の書く文章がなんともはや。
「もう、堪忍!はごめんだぜ」
あんたは裕次郎か?
20代前半の若々しい恋人たちのやりとりに、
散々、泣くほど爆笑させてもらった数時間。
「“しぶしぶ”ではなく、愛のもとに生まれた私たちだったのね!」
と抱きしめあう、ふてぶてしいアラフォー姉妹なのであった。