今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

オリエンテーション初日~アイスブレークの仕方

2008-06-17 22:44:34 | Faculty Development
家庭医療のプログラムはあまり「お硬くない」と、インタビュー旅行の時に感じていましたが

訪れた中でミシガンのプログラムが一番「お硬い」という印象を持っていました

ところが、その印象が初日で変わってしまいました

朝一番に、1年目の研修医とディレクター、副ディレクター、ティーチングクリニックの責任者、プログラムの秘書さん、チーフレジデントなどが集まり自己紹介をしました

その自己紹介の仕方がとても良かったのです

「自分の名前の由来や物語を自己紹介で語る」というものです

様々な人種、文化、宗教の人たちが集まっているだけになおさら、それぞれの話が本当に面白く、親近感を憶えました

考えてみれば、「名前を付ける」ということには文化、宗教、家族のおもいなどが凝縮されています

それを語り合うことは、お互いを知り合って、興味を持つためには大変良い方法だと実感しました

1年目のレジデントは全部で9人で、私以外はアメリカの医学部卒なのですが、背景はバラエティーに富んでいます

タイ系アメリカ人2世、韓国系アメリカ人2世、フィリピン系アメリカ人2世、エチオピア系アメリカ人2世と白人が4人

それぞれの2世は文化的背景が色濃く名前に反映されていることが分かりました

白人が4人と書きましたが、彼らも名前から察するにロシア系だとか、イタリア系だとかがあるのですが

面白いことに、名前の由来は「俳優からつけた」や当時「人気だった」から別に語ることはあまり無いよ~という感じで

彼らがこだわりとして語るのは、結婚したあとミドルネームを変えて旧姓を残したとか、オリジナリティを出すために綴りを変えたなど

個性を出すため、こんなに簡単に名前変えちゃうんだ~と驚きです

さすが自己主張の国です

名前の紹介だけで、それぞれのナラティブを自然に聞けた最高のアイスブレークでした


ちなみに「ミシガンがおかたい」と思った、もう一つの理由が分かりました

ずばり、ディレクターの風貌

すごく生真面目な性格を反映してか、いつもパッチリとネクタイをしめています

まわりから「おまえ、硬すぎるんだよ」と揶揄されるようで、本人もなんとかフレンドリーさをだそうと頑張っている感じです

「今日からDr.クックではなくジェームスと呼んでください」と真顔で言ったり

ホームページに載せるレジデントの写真を、ディレクター自らがカメラマンになって撮影したり

カメラマンまでやるの?!と驚きでしたが、雰囲気作りにかなり気を使ってくれているおかげで、とても話しやすい環境ができあがってきました

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2 コメント

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Unknown (matsumoto)
2008-06-19 12:34:38
先日はせっかくお会いできたのに、結局ゆっくりと話もできず大変失礼いたしました。 でも、ひとまず先生にお会いできてよかったです。 ミシガン大学を見学した際に、かなり充実したプログラムであることはすぐに理解できましたので、異国でのレジデント1年目は非常に長く感じたりするようですが、実りの多いレジデント生活になるのは間違いないのではないでしょうか? わたしが訪問した際は3年目レジデントのお別れ会が開催され、レジデント、アテンディングともに皆さん非常に気さくで面白い方々でした。
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re:Unknown (matsumoto) (familymed758)
2008-06-19 18:23:39
matsumotoさん
お互いに忙しく、ちょっとしか話ができませんでしたね。でも、きっとこれからもたくさんお会いできるでしょう。おっしゃるように、研修が始まってみて実感しているのは、リソースが豊富なことと、雰囲気が良いことです。
ところで、金曜日は途中で引き返したおかげ(?!)で良いことがあったのではないでしょうか?多分私の時と同じのようにその場でM先生がすばらしいギフトを・・・。
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