昨日、IOM(Institute of Medicine)というところから、研修医の労働時間に関する勧告が出ました
「患者の安全」という視点から、まともな医療判断ができる範囲内に研修医の労働環境をとどめようというのが目的です
IOMの勧告に沿ってACGMEが具体的なルールを策定しますが
それを守れなければ、各プログラムは資格を剥奪されますので
各レジデンシープログラムにとっては、実質上ルール変更が確定したことになります
以前も書きましたが、この勧告で週の労働時間の上限が現行の80時間から60時間台に削減されるのではという噂もありました
さすがにそこまで減らしては、研修そのものが成立しない(特に外科系)ので、戦々恐々としていたのですが
ふたを開けてみると、上限は80時間のまま据え置きでした
しかし詳細をみると、結構基準が厳しくなっていることが分かります
例えば、
Maximum shift length
これまではon-callと言えば、朝7時から翌日の昼12時までの29時間(残業で1時間の余裕をみて)というのが一般的でした
これが夜の22時から朝8時までの間でprotected sleeping hourを5時間
つまりポケベルなどにもいっさい悩まされない5時間の睡眠時間の確保となります
夜間10時間を2人で半分ずつ分け合って眠るか
protected sleeping hourに達したらもう帰宅するか
ということになります
表を見ると分かりますが、現行でも細かい制限がありますので
それを実現するためにnight floatというローテーションがあります
例えば、ミシガンの家庭医では夕方7時から朝の7時まで当直をする勤務を2週間、毎日こなします
これは結構きついですが
新しい勧告ではこのnight floatは最大4日しか連続で行えず
3日か、4日連続で夜勤の後は、必ず48時間休むことが義務づけられます
これは大変助かる変更ですが、逆に言えば
全体をどうやって回していくの?という質問になります
同じ仕事を、同じ人数でこなすことを考えると
例えば2週間のnight floatを2回やっていたところを、今度は48時間の休みを挟んで4日サイクルのnight floatを7回やることになります
これはこれで、きついような気がします
いずれにせよ、今回の勧告で強調したいのは
大元の考えが、「患者さんの安全」のためのルールであること
それを守らなければ、プログラムは資格を剥奪されるという厳しい罰則があること
そしてそれを実現するための人数と予算をちゃんと計上すること
最初と最後をダイレクトにつなぐと
「患者さんの安全を守るためには、金と人をちゃんと用意しましょう」ということです
どこかで聞いた話ですね~
「患者の安全」という視点から、まともな医療判断ができる範囲内に研修医の労働環境をとどめようというのが目的です
IOMの勧告に沿ってACGMEが具体的なルールを策定しますが
それを守れなければ、各プログラムは資格を剥奪されますので
各レジデンシープログラムにとっては、実質上ルール変更が確定したことになります
以前も書きましたが、この勧告で週の労働時間の上限が現行の80時間から60時間台に削減されるのではという噂もありました
さすがにそこまで減らしては、研修そのものが成立しない(特に外科系)ので、戦々恐々としていたのですが
ふたを開けてみると、上限は80時間のまま据え置きでした
しかし詳細をみると、結構基準が厳しくなっていることが分かります
例えば、
Maximum shift length
- 現行
- 30 hours (admitting patients up to 24 hours then 6 additional hours for transitional and educational activi- ties)
- 新しい勧告
- 30 hours (admitting patients for up to 16 hours, plus 5-hour protected sleep period between 10 p.m. and 8 a.m. with the remaining hours for transition and educational activities)
- 16 hours with no protected sleep
これまではon-callと言えば、朝7時から翌日の昼12時までの29時間(残業で1時間の余裕をみて)というのが一般的でした
これが夜の22時から朝8時までの間でprotected sleeping hourを5時間
つまりポケベルなどにもいっさい悩まされない5時間の睡眠時間の確保となります
夜間10時間を2人で半分ずつ分け合って眠るか
protected sleeping hourに達したらもう帰宅するか
ということになります
表を見ると分かりますが、現行でも細かい制限がありますので
それを実現するためにnight floatというローテーションがあります
例えば、ミシガンの家庭医では夕方7時から朝の7時まで当直をする勤務を2週間、毎日こなします
これは結構きついですが
新しい勧告ではこのnight floatは最大4日しか連続で行えず
3日か、4日連続で夜勤の後は、必ず48時間休むことが義務づけられます
これは大変助かる変更ですが、逆に言えば
全体をどうやって回していくの?という質問になります
同じ仕事を、同じ人数でこなすことを考えると
例えば2週間のnight floatを2回やっていたところを、今度は48時間の休みを挟んで4日サイクルのnight floatを7回やることになります
これはこれで、きついような気がします
いずれにせよ、今回の勧告で強調したいのは
大元の考えが、「患者さんの安全」のためのルールであること
それを守らなければ、プログラムは資格を剥奪されるという厳しい罰則があること
そしてそれを実現するための人数と予算をちゃんと計上すること
最初と最後をダイレクトにつなぐと
「患者さんの安全を守るためには、金と人をちゃんと用意しましょう」ということです
どこかで聞いた話ですね~