今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

Med-Peds

2008-11-14 22:00:36 | 臨床留学
Newborn Serviceにはシニアレジデントはいません

いるのはインターン3人とアテンディング、レジデントアシスタント1人と、毎週まわってくる医学部3年生が4人

今いるインターン3人は

Family Medicine 1人(私)
Pediatrics 1人(家庭医インターンの奥さん)
Med-Peds 1人

Med-Pedsとは4年間で内科(medicine)と小児科(pediatrics)両方の研修を終えて、両方の認定医試験を受けられる研修で

もともと内科が3年、小児科が3年の研修ですので、プラス1年で両方の資格を取れるという意味ではおいしいかもしれません

ただし、資格を両方とっても、結局は内科の感染症科専門医になったり、小児の呼吸器専門医になったりする人も多いようです

クリニック中心に働くプライマリケア医となるというキャリアパスも当然ありです

その場合は外来で、新生児から大人まで診る

日本での開業医に一番近い診療パターンになります

こちらの医学生にも家庭医療とのレジデンシーの違いを聞かれるのですが

診療範囲の違いとして、家庭医はお産も扱うということと

整形(Sports medicine)、メンタル、皮膚科などへの力の入れ方も家庭医のほうが大きいという点があげられます

そして診療範囲より、もっと大きな違いがクリニックでの研修のボリュームと質です

家庭医研修では2年目以降は毎週4、5コマの外来研修がありますが

Med-Pedsでは1、2コマです

Continuityという意味でも、家庭医では

「この人はあなたの患者さん」「この人があなたのプライマリケア医」ということを強調して患者さんをあてがわれますが

Med-PedsやPedsの外来ではそのような意識は薄く

たまたまその日にプリセプティング(外来研修指導)をするアテンディングの患者さんを代理で診るという形がメインです

Med-Pedsでは内科、小児科がそれぞれ3年で研修するところを4年間で両方やらなければいけませんので

病棟研修をみっちり詰め込まなければいけません

そういう意味ではMed-Pedsのプログラム自体が

内科や小児科のHospitalist(病棟専門医)を養成するように構成されているのです

大人か子供どちらにしぼるか決めかねているが、幅広い研修をして

病院で総合内科(General Internal Medicine)か小児科全般(General Pediatrics)を将来考えている人に一番適した研修だと思います

もし私が医学生に戻ったとして、日本にこのような研修があれば

候補の一つとして考えていただろうと思います



最新の画像もっと見る