ビッグ3のうちの二つが倒産したあおりもあり、ミシガン州の失業率は15%です
近くのデトロイトは、今や全米一治安の悪い地域
それでも私のいるアナーバーは安全な街で
身の危険を感じることは全くありませんが、外来をしていると不景気の波を確実に感じます
例えば
患者さんA
うつ病、甲状腺機能低下症、膝のOA、喫煙をproblemとして通院中
禁煙のためにChantixを前回処方したのですが、再診日に話をすると、まだChantixを初めていないとのこと
曰く
「先週失業しちゃって、精神的に禁煙を始める気になれないんです」
まだ外来半日で、7人がmaxの受け持ち数ですが
毎日最低1回は、以下のような「失業関係」の話題が出ます
- 失業前にHME(けんしん)で全身をくまなくチェックしてほしい
- 失業して引っ越ししてきました
- 失業をしたので、医療保険が切り替わり前医にかかることができなくなった
- 失業して、医療保険のランクが落ちたので今までの薬に保険がきかなくなった
興味深いのは、怪我や痛みで「一時的な休職扱い」になっていた患者さんの態度
これまでは、「まだ痛いから麻薬を増やしてくれ」とか、「良くなっていないからもう少し休職扱いにしてほしい」という人が多かったのが
景気が悪い今となっては、クビになるのが怖いので、多少痛みが残っていても
多くの人が、一日でも早く仕事に復帰したがります
ずる休みが減ったことを喜ぶのか、
皆が無理している状況を憂えるのか、
難しいところです