今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

CNSローテーション~ナイトシフト

2010-03-03 13:15:38 | 家庭医療
3月の前半はCNS

CNSとはChelsea Night Seniorの略

チェルシー病院家庭医病棟の夜勤(ナイトシフト)です

以前も書きましたが、ナイトシフトはmole(もぐら)と呼ばれます

太陽をみることがほとんど無いからです

ただでさえ日照時間の少ないミシガンの冬にmoleはつらいのですが

家庭医病棟が大学病院、市中病院二つにあり、お産病棟も独自に運営しているため

レジデント2、3年目は年間ある程度のmoleをこなさなくてはいけません

ちなみに2年目の私には大学のmoleが2週間 x 2、チェルシーのmoleが2週間 x 1回まわってきます

2週間のmole生活が終われば、2週間のバカンス(カリブクルーズ予定)が待っていますので

耐え忍ぶのみです

ちなみに1週間のスケジュールは

  • 日曜日 7AM-7AM (24時間)
  • 月-木  7PM-7AM (12時間)
  • そして金曜日朝当直あけ午前中が外来
  • 土曜日いっぱい休み

大学の病棟ナイトシフトは本当につらいですが

実はチェルシーのナイトは以外と楽(多分)

というより当たり外れが有ります

一晩での入院は平均1-2人なので運がよいと新規入院ゼロの夜も有ります

そして入院患者さんがICUに入っておらず安定していれば

病院に必ずしもいなくても良いことになっています(大学病院は病院張り付きが必須)

つまり同僚からのサインアウト(引き継ぎ)も電話

救急からの入院受け入れ、入院時指示も電話でOK

入院中の患者さんについても、大学病院と比べると看護士さんが自立しているので、よほどのことでないと呼ばれません

もちろん救急からの入院受け入れに関しては

救急の先生の診たてとサインアウト(引き継ぎ)をどれくらい信用するか

患者さんがどれだけ安定しているかによります

落としどころとしては、

病状が安定している真夜中の入院は、とりあえず電話で指示をしておいて

明け方早めに病院入りし、患者さんを自分でみてから指示のmodifyと入院時カルテのdictationをすませて、7時に引き継ぎ

いずれにせよ、本人の自信度によって家で仕事を済ませられます

こうしたルールは、実践的な意味で設定されています

つまり将来、田舎で病棟を受け持つ家庭医ともなれば

夜中に入院患者さんが入っても、翌朝に外来があることを考えれば

患者さんの病状次第で、必ずしも夜中に病院入りすることが得策とは限りません

そうした将来の診療パターンに備えるという意味で、大学病院以外の地域市中病院に病棟を持っていることは

レジデントのトレーニングとして大きなメリットとなっています

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