今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

オーダーメイドの健診をデザインする

2008-02-19 13:48:43 | けんしん
以前も書きましたが、

健診で行われている24項目のうち医学的根拠があるのはわずか6項目です
(最新の科学的知見に基づいた保健事業に係る調査研究班報告 2005)  

こんな発表が出ても、相変わらず健診、ドックは大盛況

多くの人々は今も有用であると信じています

国も「受けなさい」と法律であいかわらず規定していますが

大部分の項目は、メリットがデメリットを上回るという証拠はありません

多くの人々は、無駄な可能性が高いと分かっている検査を、きっと有用だと信じて受けているんでしょう

一方で、本当に必要ながん検診を、本当に必要な人たちが受けていない現実もあります

例えば「主婦」

大企業のサラリーマンは、会社が社員に健診を受けさせる義務がありますので、半ば強制的に検診を受けていますが

家族である「主婦層」はがん検診とは縁遠い環境です

結局「けんしん推進派、反対派?」と思われるかもしれませんが、

私はどちらでもありません

言いたいのは

「ほとんどが無駄に終わる、健診やドックのために毎年、数千億円を垂れ流すのではなく、もっと効率よくお金を使いましょう」

「個々の年齢、危険因子にあったオーダーメイドのがん検診や予防医療を受けましょう」

どうやってオーダメイドをしたら良いか?

医師向けに、根拠に基づく予防医療のワークショップをやったり

医師の意識調査の論文を書いたりしてきましたが、

実際にけんしんを受ける側への働きかけをできないものかいつも考えていました

大学からの友人で、より効果的な予防医療の推進を目指している市橋先生のサイト(しあわせで健康な人生)で面白い試みを始めました(私もお手伝いしました)

オーダーメード人間ドック作成フォーム

アルゴリズムにどの程度の数字を入れ込むか、どの程度厳密なエビデンスを要求するか

議論の余地がありますが

自分で自分の健康をデザインするお手伝い」をする

大変面白い試みです

もちろん無料

隠れたニーズは絶対にあると思うのですが、どうやってみなさんに作成フォームにたどりついてもらうか?

ここが課題です

試してみて面白ければ、是非知人にご紹介ください

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