ぐるぐる自転車どこまでも

茨城県を自転車で散歩しながら,水戸藩の歴史について考え,たまにロングライドの大会に出場,旅する中年男の覚書

佐渡ロングライド2015・前日その3

2015-06-06 08:42:48 | 自転車
さて、前日その3である。

受付会場を後にした我々が向かったのは地元の日帰り温泉である。
金北の里。
温泉に到着すると、すでに大会参加者らしき人々がたくさんいた。
明日の大会に備えて、温泉に浸る。
みなさん、考えることは同じなのですね。
佐渡にはいくつかの日帰り温泉があるが、地元の人はほとんどが相当にお年を召したご老人である。
比較的といっても50代くらいの入浴客は自転車乗りであることが雰囲気からわかる。
脱衣所で服を脱ぐときに地元のおじいちゃんから声をかけられて、あんたたちは明日の自転車の大会に来たのかと尋ねられ、「ご苦労さん。明日はがんばって」と声をかけられた。
地元のおじいちゃんからすると、ふだんはほとんど人がいないであろう温泉が満員になるのでトライアスロンか、マラソンか自転車の大会かと思うのだろう。
ちなみに佐渡島の人口は58,047人(2014年12月1日現在)で大会に出場する人が3500名だ。
これに応援やボランティアその他の関係者も加えると相当な数になる。
島のあちらこちらで混雑がおこることは間違いない。
さて、この金北の里はお世辞にもピッカピカにきれいなところではない。
どちらかというと歴史を感じさせる施設だが、お湯そのものはいい感じであった。
丁寧に身体を洗い、まったりとした気分を味わった。

風呂ですっきりした後は、夕食だ。
何を食べようということになり、仲間と議論をする。
佐渡島の先輩は、我々の好みがわからないのでどこも予約を入れなかったという。
議論の結果、佐渡島へ来てフランス料理もイタリアンもないだろう、やはり地元の新鮮な魚に限るという結論に達した。
店をどこにしたらいいか。スマホの食べログを見ながら、次々と候補の店をあげていく。
それを佐渡島の先輩が聞いて、次々にケチをつけてくる。
いわく「そこは聞いたこともない。まず地元の人間が行かない。観光客相手に高い店だ。そこは先代が生きていたときはよかったが息子になってからはダメになった。そこは遠すぎる。往復で2時間もかかる」などなど。
そんな話を温泉の椅子に座りながらやっていたが、らちがあかないので、とある寿司屋に決定。
電話をかけてみたら、予約はだめだが、今なら席が空いているという返事。
そこへ行こう。すぐに金北の里を出て店へ向かう。

到着。
まだ席が空いていた。
ラッキーだ。
メニューを見ながら、地元のもので美味しそうなものは何でも頼むことにした。
それと佐渡の日本酒。
佐渡の日本酒は、旨い。
なので、佐渡の先輩のお勧めを冷酒で頼んだ。
佐渡にはふぐの子の粕漬けというのがある。ごまフグの卵巣を粕漬けにした佐渡の珍味で名物だ。
ふつうにふぐの卵巣を食べたら死ぬ。
日本には、フグの卵巣を食べられるようにした場所が2カ所だけある。
たしか、石川県とここ佐渡島だけだ。
これは珍味なのでいただくことに。
塩辛いので日本酒にピッタリ。
それに烏賊の沖漬け。
これも日本酒がぐいぐい進む。
地元の新鮮な魚の刺身。
ノドグロの刺身。
もう、完全に酔っ払いですが、いいじゃないですか。
明日のライドのことなどまったく頭から消え失せてしまい、どんどんと酒を飲むのです。
「飲んで飲んで飲まれて飲んで」というある種の悪循環の世界に入り込んでしまいました。
かわいいお姉さんがマグロが入りましたので、どうですかとお勧めされました。
では、中トロを!

「はい。お待たせしました。中トロです」
かなり白っぽい刺身が載っていました。
こんな中トロは見たことがありません。
我々は、議論好きです。で。
それがなんであるかのかについて議論が始まりました。
中トロである。
そもそもマグロではないもの。
大トロである。
と3つの見解に分かれました。

いくら議論しても、外観からは判断できないので、味から判断しようということになりました。
その「中トロ」らしき物体を刺身皿の醤油につけます。
すると、刺身皿の醤油に細かくではありますが、脂が広がるのです。
ものすごい脂です。
慎重に箸でつまんで口にいれます。
ふぁーっと口の中でやわらかく脂が広がります。
全員が「旨い!」を連発。
こんな中トロは食べたことがありません。
さらに日本酒をぐいぐいと飲みながら、あまりの美味しさに賞賛しまりくです。
結局、我々の間では、佐渡島ではこのような刺身を「中トロ」と呼んでいるのだろうということで決着がつきました。

しかしです。
これが「中トロ」であったとしたら「大トロ」とはどんなものなのでしょう。
たぶんほとんど真っ白な脂だけのものに違いありません。
来年は「大トロ」に挑戦しようということになりました。
今から楽しみで楽しみでなりません。

えんえんと飲んでいたのですが、どうやら他の部屋で食べていた大会参加者らしき人たちはほとんど帰ってしまっていました。
酒に飲まれて宴会モードになっていたのはどうやら我々だけであったようです。

お店の人に、明日の朝のおにぎりを握ってくれるように頼み、それを受け取って、先輩の部屋に戻りました。