Mrs.ベリーのVeryな一日

☆ミセス・ベリーのSmileダイアリー☆エレガントな女性目指してセルフプロデュース中(^v^)

12歳の大人計画

2010年10月06日 13時41分27秒 | ベリーの感想文(本・映画)
12歳の大人計画―課外授業ようこそ先輩
松尾 スズキ
文藝春秋
天気      のしましま模様



松尾スズキ 著 : 12歳の大人計画 ~課外授業ようこそ先輩~
を、読みました。


NHKで放映されたシリーズ“課外授業ようこそ先輩”の
松尾スズキの回を、本にしたもの。
“課外授業ようこそ先輩”は、有名人が母校の小学校に出向き、
特別授業を行う番組で、俳優、小説家、音楽家、書道家、建築家、料理研究家
などなど、ちょっと変わったお仕事で大活躍中の先輩から
ちょっと変わった授業を受ける面白い番組。

母校の北九州市折尾の小学校に出向いた松尾スズキが、
選んだ授業のテーマは、“12歳の大人計画”
自らの劇団の名前を授業のテーマに選んび、
松尾スズキが、子どもたちに語りたかった事とは?

舞台に映画に、役者に演出に、マルチな才能を発揮する松尾スズキ。
彼の授業ってどんな?と、興味しんしんで借りてきた本ですが、
彼の授業は期待通りのユルさ全開で、期待を裏切らない面白さでした。
面白くて、げらげら笑いながら読んだ本ですが、
面白いだけでなく、深く納得できるところも多々ありました。
子どもの視点で見つめる大人の姿は、絶対なものがあって、
全能感さえ感じているのですが、実際に子どもの保護者達が語る、
大人の実態はややズレがあり、大人になっても嫌なことも沢山あるし
いつまでも変わらない、子どもな部分も依然としてある。
そんな大人の感覚を、子どもたちが知って行く様子や、
授業中の子どもたちの発言が織り込んであるので、
リアルな授業風景が目に浮かぶ、楽しい本でした。

最後にクエスチョン!
Q.松尾スズキが、子どもたちに大人の世界を感じさせるために
  恥ずかしがる子どもたちに、無理やりうたわせた歌は?
                 答えは↓






















A. 銀座の恋の物語





マジかよぉ~(笑)















父とガムと彼女

2010年10月06日 13時37分38秒 | ベリーの感想文(本・映画)
あなたに大切な香りの記憶はありますか?
阿川 佐和子,角田 光代,熊谷 達也,小池 真理子,石田 衣良
文藝春秋
天気        呑気な気分で幸せな


角田光代 著 : 父とガムと彼女
を、読みました。


小さなころ、小学校に上がった頃から数年、主人公の学校の
お迎えをしてくれた初子さん。
彼女はまだ若く、父の仕事の減少によって逼迫した
家計を支えるべく働きに出るようになった母の代わりに
毎日校門の前まで迎えに来てくれるようになった。
禁じられている下校時の寄り道を、堂々と行う初子さんとの
思い出の香りは、甘ったるい駄菓子屋のオレンジのガムのにおいでした。
父の葬儀の際に、不意に香ってきたガムのにおいに
今まで忘れていた幼い頃の、父と母の不仲を思い出す主人公。
毒々しいまでに甘ったるい香りが、運んできた思い出の物語。


香りと音楽は、タイムマシーン。
どんなに現代の科学が進んでも、
これほどに、時空を瞬時にさかのぼれるものって、
しばらく出来ないと思う。
その二つの中でも、香りのほうが私にとっては強烈です。
パリのメトロ、ロンドンの寮の部屋、そんな17年も昔の体験を
瞬時によみがえらせてくれるのは、写真でもビデオでもなく
一つの香水です。
この物語の主人公も、きっとタイムスリップしたんでしょう。
その香りが、駄菓子屋の誰しもが口に入れたことがあるであろう
4個入りのオレンジのガムというのが、
やはり角田作品らしいと思いました。