Mrs.ベリーのVeryな一日

☆ミセス・ベリーのSmileダイアリー☆エレガントな女性目指してセルフプロデュース中(^v^)

父とガムと彼女

2010年10月06日 13時37分38秒 | ベリーの感想文(本・映画)
あなたに大切な香りの記憶はありますか?
阿川 佐和子,角田 光代,熊谷 達也,小池 真理子,石田 衣良
文藝春秋
天気        呑気な気分で幸せな


角田光代 著 : 父とガムと彼女
を、読みました。


小さなころ、小学校に上がった頃から数年、主人公の学校の
お迎えをしてくれた初子さん。
彼女はまだ若く、父の仕事の減少によって逼迫した
家計を支えるべく働きに出るようになった母の代わりに
毎日校門の前まで迎えに来てくれるようになった。
禁じられている下校時の寄り道を、堂々と行う初子さんとの
思い出の香りは、甘ったるい駄菓子屋のオレンジのガムのにおいでした。
父の葬儀の際に、不意に香ってきたガムのにおいに
今まで忘れていた幼い頃の、父と母の不仲を思い出す主人公。
毒々しいまでに甘ったるい香りが、運んできた思い出の物語。


香りと音楽は、タイムマシーン。
どんなに現代の科学が進んでも、
これほどに、時空を瞬時にさかのぼれるものって、
しばらく出来ないと思う。
その二つの中でも、香りのほうが私にとっては強烈です。
パリのメトロ、ロンドンの寮の部屋、そんな17年も昔の体験を
瞬時によみがえらせてくれるのは、写真でもビデオでもなく
一つの香水です。
この物語の主人公も、きっとタイムスリップしたんでしょう。
その香りが、駄菓子屋の誰しもが口に入れたことがあるであろう
4個入りのオレンジのガムというのが、
やはり角田作品らしいと思いました。






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2 コメント

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懐かしい~!! (てっきゅう)
2010-10-06 22:15:21
ベリー様へ

 4ヶ入りのオレンジ味のガムですか!めっちゃ懐かしいですね。このガムは、箱を開けると、耳の部分がくじになっていて、赤い耳にあたりと印刷されていて、買った店でもう一個貰えたのを思い出します。私の年代に売っていた駄菓子には、こういった類の駄菓子が多く売っていたように思います。
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懐かしのフレイバー! (てきゅうさんへ)
2010-10-07 15:50:49
やっぱ、関西圏でも同じなんですね(笑)
私は、4個入りオレンジガムか、イチゴガムか悩んだ末に、
フィリックスガムを購入する、変な小学生でした。
うす暗く、やや散らかった感じのする駄菓子屋さんがよみがえる
昭和のフレイバーですね
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