Mrs.ベリーのVeryな一日

☆ミセス・ベリーのSmileダイアリー☆エレガントな女性目指してセルフプロデュース中(^v^)

I'm sorry,mama.

2010年10月07日 15時55分11秒 | ベリーの感想文(本・映画)
I'm sorry,mama.
桐野 夏生
集英社
天気       朝は寒いのに昼は暑い!



桐野夏生 著 : I'm sorry,mama.
を、読みました。


養護施設、星のこ学園の保母だった美佐江と
かつての園児だった稔は今では夫婦。
20歳以上の歳の開きがあるこの夫婦が、
結婚記念日の祝いに、仲良く食事に出かけるシーンから始まるこの物語は、
焼き肉屋で見かけた、松島アイ子を中心に
物語は思いがけない方向に、展開してゆく。
養護施設で育った、アイ子の生い立ちが語られて
その荒んだ性格の背景が浮かび上がる。
サスペンス小説。


紛争地帯や、貧困の国で、日々をひたすら生きている子どもたち。
子どもは皆明るく、きれいな目をしているなんて、ユニセフは言うけれど、
そうかな?って思う事がありました。
誰からも、愛情どころか、優しさも与えられず、
ゴミのように邪魔なだけで、子どもゆえの優先権なんて
ただの一度も経験したことなく、
ひたすら自分で自分を守って生きている子どもは
果たして、明るくきれいな目をしているんだろうか?
私だったら無理だと思う。
食糧難だろうが、危険だろうが、
子どもとして手厚く扱われ、そうされたと自覚がなければ
キラキラと輝く瞳でいるのは、神業だと思います。
でも、その対極で手厚くされ過ぎて、というか過干渉で
ボロボロになってしまう子どももいるから、
やっぱ人ひとり健全に育てるって、本当に大変ですね。

この物語は、子どもらしい生活とは無縁で育った女の物語。
子どもがキラキラと輝くには、まず大人がちゃんとしてないとね。
そんなあたりまえの事を、強く感じた物語でした。