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Mrs.ベリーのVeryな一日

☆ミセス・ベリーのSmileダイアリー☆エレガントな女性目指してセルフプロデュース中(^v^)

くまちゃん

2010年04月16日 14時29分46秒 | ベリーの感想文(本・映画)
くまちゃん
角田 光代
新潮社

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角田光代 著 : くまちゃん
を、読みました。


7人の男女の恋愛を描いたオムニバス。
最初の物語“くまちゃん”は、20年くらい前のお話で、
大学を出たばかりの、とある会社で働くOLのお話。

苑子は、どうしても学生気分が
抜けきれないという自覚があって、
仕事をまっとうにこなしながら、
きちんとした社会人になって行くことを、
受け入れられずに、OL2年目を迎えようとしていました。
そんな時花見で不思議な男の子と知り合い、
あっという間に、夢中になりました。
いつもくまの絵がついた、Tシャツを着ていた、
“くまちゃん”という男の子。
彼の、社会から外れた、まるで学生のように自由な生活が、
苑子には、まるで自分を解放してくれるように感じます。

この恋を発端に、少しずつ時代は現代へ。
かつて若者だった彼らは、もう大の大人になってしまって、
特に女性は、仕事と恋の両立にかなり苦心します。
この本のテーマは、こうした仕事と恋愛の両立なのだそうですが、
私は、この本には、もう一つ大きなテーマがあった気がします。

それは、“成功って何だろう?”というテーマ。
一度は一世を風靡したロックスター。
売れっ子女優を夢見る30歳を過ぎた女。
大きなチャンスを次々とものにしてきた、売れっ子イラストレーター。
彼らは皆成功という事と向き合っています。
一人はかつて成功し、一人はまだ成功しておらず、
一人は現在進行形で成功し続けている。
そんな彼らが感じている事。
人生の成功とは、縁遠いところにいる私ですが、
それって、世間的に成功しているとか、そうじゃないとか
全く関係ない、ひとりの人間の人生観なんじゃないか?と
物事をどう見て、どう受け止めるのか?という
日々の感性が、深くかかわっているんじゃないか?
と、いろんなこと考えさせてくれた、とても興味深いテーマでした。