映画と音楽そして旅

主に懐かしい映画や音楽について…
時には新しい映画も…

(映画音楽)「デリカード」 (イタリア映画「高校三年」)

2006-09-17 00:02:49 | 映画音楽
 映画音楽の王者パーシー・フエィスオーケストラの演奏で、私のCD-BOXにもちゃんとあるのにこの曲は実体が判り難い曲でした。
 この曲はなにかリアルで深刻な感じ…と云うイメージが定着していたイタリア映画にしてはとても明るい雰囲気の映画…無名ではあったけれど、若くて綺麗な女の子が沢山出て来る青春映画「高校三年」の主題歌でした。
 舟木一夫の「高校三年生」や「学園広場」など一連のヒット曲の、一足お先に公開されたイタリア映画と主題曲でしたが、多分その頃封切られた数多くの名画の中に埋没してしまったのではないかと想像されます。
 しかしあの軽快なメロデイと快いリズムは私達には、青春の象徴みたいな感じで私が映画音楽の世界は、この歌を抜きにしては成り立たないのです。
 そこで例によって探索を始めましたが、ぶつかるのは…「ショッピング・カード」の類ばかり…ほんとに乏しい情報に難儀しました。

 私の青春時代…1950年代後半は音楽の世界でも、国際交流が盛んでアメリカを中心に考えればアメリカを発祥の地とするジャズ系の音楽が、やや後退の兆候を見せてきた時代のように感じられました。
 フランスから「バラ色の人生」が映画に挿入され、「愛の讃歌 」に英語の歌詞がつけられて「If You Love Me」などのポピュラー曲に変身しました。
 弦楽器と打楽器を主体にした「デリカード」は南米系のリズムのようにも思いますすが、中南米系には弱い私の独断と偏見ですからあてにはなりません。でもあの軽やかな曲の調子は「サンバ・ブラジル」などと、相通じるものを感じます。
 やがてマンボが上陸して大流行するなど、音楽の世界にも多様化の傾向が現れ始めたのが大きい特徴ではないかとも思います。
 「Delicado」…この言葉は「デリカシー」にも通じる言葉ではないかと思うのですが、日本と同様に敗戦の痛手とどん底の世界から、必死になって這い上がろうとしていたイタリアの厳しい現実の中で、感じやすい世代の群像を描いた映画でした。
 暗い感じが多かったイタリア映画の中に、新鮮な涼風を吹き込んだ感じがして、忘れることの出来ない映画であり音楽でもあるのです。
 あの頃に青春時代を送って来た世代は今…ほんとに感概無量ですね。

 本稿を終了してからも念のために執拗に捜していたら、やっと有力情報が見付かりました。後追いデータになりますが…紹介致します。
   「デリカード」Delicado - 全米ヒットチャート1位を記録
     ハープシコードのソロはスタン・フリーマン。発売 1952年。
   アルバム「永遠のスクリーン・ミュージック大全集」 収録曲一覧
   DISC-1 ティファニーで朝食を/風と共に去りぬ…より
       1 ムーン・リヴァー/「ティファニーで朝食を」より ★
       15 デリカード/「高校三年」より
  「ラテン・ムード音楽全集」
   デリカード……ルイス・アラカラス楽団
 映画「高校三年」については結局は詳細が判らず仕舞いでした。
   ご存知の方ご教示下さい。