映画と音楽そして旅

主に懐かしい映画や音楽について…
時には新しい映画も…

(雑記帖) 「晩秋」(4)京の古寺散歩「永観堂」

2005-11-24 14:34:59 | 旅 おでかけ
 晩秋…ゆく秋を惜しむように、休日は観光地には大勢の人たちが,お出かけになられたようです。私も勤労感謝の日に自然の描く芸術の,おすそ分けにあずかるべく、「もみじ」といえば《ここ》《ここ》といえば「もみじ」と,云われるほど有名な「永観堂」へお参りして来ました。
 正式には「永観堂禅林寺」863年に開かれた由緒あるお寺です。東山を背景に紅葉と緑が池に映え、滝や庭園など均整のとれた、自然美と人工美が満喫できました。
 「京都一日古寺ぶらぶら散歩」メインの「映画」と「音楽」の幕間に、ぼちぼちとはさんで行きたく思いますので、よろしければご覧下さい。

 永観堂は紅葉の季節に合わせて、ちょうど「宝物展」が開かれていますので、この期間中は拝観料が大人は金壱千円也です。夜は五時半からライト・アップされて紅葉がライトに映えてとても綺麗だろうと思います。
 紅葉や仏像に宝物それから庭園など、ゆっくりと鑑賞すれば半日でも、急いでも一時間ぐらいはかかりそうに思います。
 残りわずかな今年の想い出に、次の休日には是非お出かけください。

 ※下手な写真ですみません。実際はもっと綺麗なんですよ。
  クリックすれば拡大されます。

 

(シネマ落書帖)(44)映画「悲しみよこんにちは」

2005-11-24 00:22:55 | 映画
 パリのナイトクラブでセシル(ジーン・セバーグ)が、ボーイ・フレンドと踊る場面が、モノクロ・フイルムで始まります。そしてけだるいようなジュリエット・グレコの歌声が流れます。
   <メランコリーが私の道連れ かすかな悩みが私の友
    毎朝 私は云う 悲しみよこんにちは…と
    笑いのない私のほほえみ 愛情のない私のくちづけ
    忘れ得ぬ人を思うときの ほろ苦いこの悲しみ>
 この歌詞はF・サガンの原作には、なかったように思いますので、この映画のために作られたオリジナルの詩のようです。あの忘れられない夏の日の出来事の後、なにか投げやりで、やけっぱちみたいな、セシルの気持が表現されていて、大いに気に入りました。
 これを彼女は英語で歌うのには私は慌てました。アメリカ映画なんだからこれで当たり前なんですが、勿論、どちらで歌おうと意味は判らないのですが…舞台がパリなんだから、少し違和感があったように思います。やはりシャンソン風なのを期待してたのですが…でもパリの庶民の哀歓を綴ったという、シャンソンの雰囲気とは、ちょっと違うかな?なんでも私好みのシーンでした。
 グレコはシャンソン歌手としては後発で、少し年代的に若いので私のCDアルバムにも収録されていないようです。フランス映画に出たシャンソン歌手は、以前にもこのブログで触れたと思いますが、ジャクリ-ヌ・フランソワやアンドレ・クラヴォーなど、珍しくはないのですが、彼女はアメリカ映画に出た珍しい存在のようです。
 今年七十七歳の彼女は現役歌手として今年の十月に来日して、その若々しい声はフアンを魅了したそうです。 
 回想が途切れて舞台がパリから南仏の別荘地になると、眩いばかりの鮮やかなブルーがが、目に飛びこんで来ます。これから進行する物語をカラーで、強く観客に印象づける意図が感じられます。、
 さて、私はこの映画でセシル、或いはアンヌ(デボラ・カー)のどちらを応援すべきか?迷いましたね。
 心情的にはセシルの行動も理解出来ないことはないし、かといって良いことをしたね…とほめることもできないし、やはり大人がデリケートな若い女の子の気持に、もう少し理解してやるべきだったし…と複雑な気持になります。
 それにしても「高慢で気取り屋で押し付けがましい…」と、セシルに嫌われる役どころを演じたデボラ・カーも、「めぐり逢い」のテリーと大違いでお気の毒でした。
 受験勉強を強制され、恋人との交際も禁止されたセシルは、勉強のフリだけして父の元愛人も巻き込んで彼女の追い出しに、全力で取り組みます。それにしてもアンヌをじりじりと追いつめていく冷徹さの後で、自分が招いた結果に恐くなり、パリへ去って行くアンヌに告白して止めようとします。結果として悲劇は避けられないのですが、ここだけが唯一の救いとも感じます。
 日本では大ヒットしたこの作品も、海外では不評だったそうですが、次作品の「勝手にしゃがれ」ではヌーヴェル・ヴァーグ(新しい波)の花として注目されました。その彼女も1979年に四十代の若さで世を去りました。事故なのか、自殺だったのか、死因は今でも不明と云われていますが、もっと活躍したスターだったのにと惜しまれます。

 写真は少し見にくいですが、映画の舞台になった南仏コート・ダジュール(紺碧海岸)です。
 夢でもいいから、やっぱり行ってみたいな…