映画と音楽そして旅

主に懐かしい映画や音楽について…
時には新しい映画も…

(音楽落書帖)  「中国琵琶」を聴く

2005-11-09 00:06:16 | 音楽
 先日ある会合のアトラクションとして、中国琵琶の演奏を聴く機会がありました。
 最近は「女子十二楽坊」などの活躍で、中国音楽や伝統楽器が関心を集めていますが、そもそも琵琶なる楽器には全く知識がなく、どんな音色なのか、日本琵琶と中国琵琶とどう違うのか、など全く知りませんでした。
 演奏されたのは葉衛陽氏という中国の琵琶奏者の方で、「長城楽団」という中国楽器の楽団を主宰されているそうで、流暢な日本語で日本と中国の琵琶の違いについて説明がありました。それによると日本の琵琶はバチを使い、中国の琵琶は指で弾きますが、最近は弦が金属製が多く指先の保護のため、ツメをつけて演奏しているとのお話しでした。
 最初に演奏されたのは中国の歴史でも有名な,漢王朝の劉邦と項羽の故事にちなんだ「四面楚歌」という楽曲でした。劉邦の軍に囲まれ死を前に「虞や虞や 汝いかんせん」と歌った項羽と虞美人のお話は有名です。
 三百人程の聴衆の前で、やや高めの金属性の音色が快く響きました。
 次は年配の人にはとても懐かしい「蘇州夜曲」でした。
 <君がみ胸に抱かれて聴くは 夢の舟歌恋の歌 水の蘇州の花散る春を…」
                    (作詞 西条八十 作曲 服部良一)
 思わず涙が出てきそうな曲が、もう一曲…「夜来香」(イェイライシャン)です。
 <あわれ春風に 嘆くうぐいすよ 月に切なく匂う夜来香…> 
 渡辺はま子 李香蘭(山口淑子)など、ヴェテラン歌手の顔が目にに浮びます。
《夜来香》は作詞は佐伯孝夫ですが、作曲は黎錦光という中国の方で、本格的なチャイナ・メロディとして大好きな曲です。
 吉川英治「三国志」の世界がいいですね.魏の大軍百万を殲滅…という赤壁の戦いなど
数千年の悠久の歴史に一度は触れてみたいな…と思いますが…。中国の歴史小説を読むとあの「白髪三千丈」風の誇張した表現に面食らいますが、壮大な人生観 歴史観に生きた中国の人々の英知と逞しさに脱帽です。
 次は小学生の頃の歌「浜千鳥」でした。昔は学芸会とかいうのがあって、下手な芝居をしたものですが、女の子が鳥みたいな衣裳をつけて、踊っていたのを思い出しました。
 それに昭和の歌姫、ひばりの「河の流れるように」が演奏されました。
 <生きることは旅すること…><空が黄昏に染まるだけ…>
 ほんとにそうですね だからブログつくってます 今まで生きてきた証として…
 ラスト・ナンバーは古代中国の宮廷音楽でした。中国文化が最も豪華絢爛と咲き誇ったのは、やはり長安を都とした頃、唐の時代ではないかと思います。
 優雅な舞姫の姿を思い起すような舞曲や、伝統で荘重な感じの楽曲などを、フイナーレとして演奏が終りました。
 コンサートではありませんが、短時間ながら結構楽しませて貰いました。

 ちなみに葉衛陽氏について検索してみたら、プロフイルとして
   中国抗州市出身 音大で琵琶を専攻 1992年来日 
   京都教育大博士課程終了 在日留学生の支援に努力している。
   京都の某お寺さんで中国音楽と邦楽の共演を行なった。
 などの情報がありました。