読書レビュー
「道しるべ/ダグ・ハマーショルド」
第二代国連事務総長であったダグ・ハマーショルドの著作。日記、己との対話、神との対話、自作の詩などが綴られてある。精神的生活、人間の弱点や可能性が主要なテーマ。今で言えばブログやTwitterのつぶやきのような内容だ。
人間は物事が成功したとき、自分でも気付かないうちに自慢し、傲慢になってしまう。サタンが悪魔となったのは、自分が成し遂げた天使としての行いをはじめて自慢したときであった。だからこそ常に謙虚でなければならない。しかし自分を卑下してもいけないのだ。バランスを保つことが大事なんだと思った。
また人間がより良く生きるためには、自己犠牲・自己滅却の精神が必要になる。自分の欲望に支配されないこと。それから見返りを期待するのではなく、隣人のために魂を尽くして奉仕していこうとする心がけを持っていきたいと感じた。
そして愛がなければ、人間は真の平安を得ることはできない。なぜなら愛は神から出るものだからだ。悪魔の心には愛だけが存在しない。愛がないばかりに、他人を支配したいという欲望が湧き出てしまうのだなと思った。愛はこの世界で最後まで残る一番偉大なものなのだろう。
国連事務総長という権力の頂点に立った著者は、自分を律することに相当苦労したのではないだろうか。やっぱり祈りや瞑想する時間は誰にでも必要なんだよな。
最後に特に気に入った言葉を載せてみる。
「昔の伝説は語っている。獣だの、目に見えぬ霊だのに変えられてしまった者が、もとの人間の姿をとり戻すには、だれかほかの人に愛されなくてはならないのである」P114
「おまえは、もし無思慮にも自分の死後に語られるおまえ自身の姿を思い描くようになると、自分自身にたいする墓碑銘と死刑判決文とを同時に書きつづることになるであろう。
できることをせよ。そうすれば、任務が手にあまることもなく、軽やかに片づけてゆくことができよう。その軽やかに力を得て、おそらくはつぎにやって来るかもしれぬ、より厳しい試練にむかって、希望をもって向かってゆくことができよう」P121
「他人から好評を博したいと切望し、彼らが<栄誉>を受けそうなのを見て嫉妬しつつ、自分のした行いや自分のいままでのありようから、どんな行く末をたどることになるのだろうかと思いあぐねるほど、おまえは情けない状態にたちいる。
不安は自分のなかに生命がまだ残っている徴だと思って、ありがたく思うがよい」P133
「われわれは、わが亡きあとにせめて端正さだけでも生き残ってくれるよう、端正さを保ちつつ死ぬべきであると、私は信じている」P139
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「道しるべ/ダグ・ハマーショルド」
第二代国連事務総長であったダグ・ハマーショルドの著作。日記、己との対話、神との対話、自作の詩などが綴られてある。精神的生活、人間の弱点や可能性が主要なテーマ。今で言えばブログやTwitterのつぶやきのような内容だ。
人間は物事が成功したとき、自分でも気付かないうちに自慢し、傲慢になってしまう。サタンが悪魔となったのは、自分が成し遂げた天使としての行いをはじめて自慢したときであった。だからこそ常に謙虚でなければならない。しかし自分を卑下してもいけないのだ。バランスを保つことが大事なんだと思った。
また人間がより良く生きるためには、自己犠牲・自己滅却の精神が必要になる。自分の欲望に支配されないこと。それから見返りを期待するのではなく、隣人のために魂を尽くして奉仕していこうとする心がけを持っていきたいと感じた。
そして愛がなければ、人間は真の平安を得ることはできない。なぜなら愛は神から出るものだからだ。悪魔の心には愛だけが存在しない。愛がないばかりに、他人を支配したいという欲望が湧き出てしまうのだなと思った。愛はこの世界で最後まで残る一番偉大なものなのだろう。
国連事務総長という権力の頂点に立った著者は、自分を律することに相当苦労したのではないだろうか。やっぱり祈りや瞑想する時間は誰にでも必要なんだよな。
最後に特に気に入った言葉を載せてみる。
「昔の伝説は語っている。獣だの、目に見えぬ霊だのに変えられてしまった者が、もとの人間の姿をとり戻すには、だれかほかの人に愛されなくてはならないのである」P114
「おまえは、もし無思慮にも自分の死後に語られるおまえ自身の姿を思い描くようになると、自分自身にたいする墓碑銘と死刑判決文とを同時に書きつづることになるであろう。
できることをせよ。そうすれば、任務が手にあまることもなく、軽やかに片づけてゆくことができよう。その軽やかに力を得て、おそらくはつぎにやって来るかもしれぬ、より厳しい試練にむかって、希望をもって向かってゆくことができよう」P121
「他人から好評を博したいと切望し、彼らが<栄誉>を受けそうなのを見て嫉妬しつつ、自分のした行いや自分のいままでのありようから、どんな行く末をたどることになるのだろうかと思いあぐねるほど、おまえは情けない状態にたちいる。
不安は自分のなかに生命がまだ残っている徴だと思って、ありがたく思うがよい」P133
「われわれは、わが亡きあとにせめて端正さだけでも生き残ってくれるよう、端正さを保ちつつ死ぬべきであると、私は信じている」P139
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