『フライドチキンの恐竜学』(盛口満・著、サイエンス・アイ新書)
鳥は恐竜から進化したといわれている。ちょっと進化論をかじった人ならば、よく聞かされた話だろう。しかし、全身が羽毛におおわれた空を飛ぶ鳥が、爬虫類を大きくしたようなあの恐竜たちから進化したなんて本当だろうか。にわかに信じがたい話ではある。著者の盛口さんは骨を持ち歩いて全国各地をまわっている。骨格標本を見せながら生物の進化の話をするためだ。そんな「骨の学校」をライフワークとする盛口さんが、フライドチキンの骨を手がかりに恐竜に迫ろうとしたのがこの本だ。
その試みが成功したかどうかはともかくとして、意外と知られていない鳥の知識をこの本は教えてくれる。鳥は飛ぶものと思っているが、飛ばない(飛べない)鳥がいるのも事実だ。それでは、なぜ飛ばなくなったのだろうか。たとえば、沖縄に住むヤンバルクイナは飛ばないが、ヤンバルクイナの住む島には天敵がいないことが大きな要因になっている。飛んで逃げる必要性がなくなるということだ。また、飛ぶためのエネルギーの節約が生存上有利に働いたとも考えられている。さらに、ヤンバルクイナがどうして飛べなくなれたかについては、ネオテニー(幼形成熟)によって発生がストップしたと説明されているが、このあたりの話もなかなかおもしろい。ところで、ペンギンは鳥類だろうか。もちろん鳥類である。では、ペンギンを漢字で書くと? なんと「人鳥」である! むかしの鳥の分類表での話なのだが、「人鳥目」と書いて「ペンギン目」と読んだそうである。
先日ある会合に参加した帰り、友人・知人たちと軽い夕食を共にした。そのとき二つのテーブルに分かれたのだが、たまたま自分のいたテーブルでは「ホネホネ団」のことが話題に出ていた。「ホネホネ団」とは「骨の学校」と同様に「骨好き」の同好会のようなものであるらしい。とくにテーブルにいた一人の女性は「骨」に詳しい人だったので、そのような話題に傾いたのかもしれない。この本を読んだ直後ということで「ホネホネ団」のことは知っていたが、まだまだ「骨」の濃い話についていけるレベルではなかったし、そもそも睡眠不足と介護の疲労でかなり朦朧としていたので、そのときはだんまりを決め込んでいた。しかし、自然史系を中心とした某博物館(本当は「某」などと書く必要もないのだが)と縁ができて以来、徐々に「骨」の魅力にも目覚め始めている。本書を買ったのもその一つの証しといえるだろう。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/apples.gif)
鳥は恐竜から進化したといわれている。ちょっと進化論をかじった人ならば、よく聞かされた話だろう。しかし、全身が羽毛におおわれた空を飛ぶ鳥が、爬虫類を大きくしたようなあの恐竜たちから進化したなんて本当だろうか。にわかに信じがたい話ではある。著者の盛口さんは骨を持ち歩いて全国各地をまわっている。骨格標本を見せながら生物の進化の話をするためだ。そんな「骨の学校」をライフワークとする盛口さんが、フライドチキンの骨を手がかりに恐竜に迫ろうとしたのがこの本だ。
その試みが成功したかどうかはともかくとして、意外と知られていない鳥の知識をこの本は教えてくれる。鳥は飛ぶものと思っているが、飛ばない(飛べない)鳥がいるのも事実だ。それでは、なぜ飛ばなくなったのだろうか。たとえば、沖縄に住むヤンバルクイナは飛ばないが、ヤンバルクイナの住む島には天敵がいないことが大きな要因になっている。飛んで逃げる必要性がなくなるということだ。また、飛ぶためのエネルギーの節約が生存上有利に働いたとも考えられている。さらに、ヤンバルクイナがどうして飛べなくなれたかについては、ネオテニー(幼形成熟)によって発生がストップしたと説明されているが、このあたりの話もなかなかおもしろい。ところで、ペンギンは鳥類だろうか。もちろん鳥類である。では、ペンギンを漢字で書くと? なんと「人鳥」である! むかしの鳥の分類表での話なのだが、「人鳥目」と書いて「ペンギン目」と読んだそうである。
先日ある会合に参加した帰り、友人・知人たちと軽い夕食を共にした。そのとき二つのテーブルに分かれたのだが、たまたま自分のいたテーブルでは「ホネホネ団」のことが話題に出ていた。「ホネホネ団」とは「骨の学校」と同様に「骨好き」の同好会のようなものであるらしい。とくにテーブルにいた一人の女性は「骨」に詳しい人だったので、そのような話題に傾いたのかもしれない。この本を読んだ直後ということで「ホネホネ団」のことは知っていたが、まだまだ「骨」の濃い話についていけるレベルではなかったし、そもそも睡眠不足と介護の疲労でかなり朦朧としていたので、そのときはだんまりを決め込んでいた。しかし、自然史系を中心とした某博物館(本当は「某」などと書く必要もないのだが)と縁ができて以来、徐々に「骨」の魅力にも目覚め始めている。本書を買ったのもその一つの証しといえるだろう。
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