「白秋」に想ふ―辞世へ向けて

人生の第三ステージ「白秋」のなかで、最終ステージ「玄冬」へ向けての想いを、本やメディアに託して綴る。人生、これ逍遥なり。

『グリム・アンデルセンの罪深い姫の物語』

2007年01月31日 | Yuko Matsumoto, Ms.
『グリム・アンデルセンの罪深い姫の物語』(松本侑子・著、樋上公実子・挿画、角川文庫)   中高生のころは、いずれ自然科学を専門的に勉強して優雅な研究職に就きたいと考えていた。一方、家庭では美しくて優しい“処女”の女性と結婚し、二人くらいの子どもをもうけて、小さな一軒家で幸せな生活を営みたいと思っていた。その後、身近に大学教授や大学院生を見ることになり、研究職が優雅さからは程遠いことを知った。それは . . . 本文を読む
コメント

『ダーウィンの悪夢』

2007年01月30日 | Ecology
 『ダーウィンの悪夢』(フーベルト・ザウパー・監督)   ぜひとも見ておきたい映画だったので、体調はすぐれなかったが、渋谷まで見に行ってきた。あまり体調の良くないときに見るべき映画ではなかったかもしれない。しかし、この世界が“どのように”できているかを垣間見せてくれた点では、たしかに見過ごせないドキュメンタリーだった。もちろん“どのように”というのは自然科学的な意味ではない。グローバリズムというシ . . . 本文を読む
コメント

『いとおしい日々』

2007年01月29日 | Arts
『いとおしい日々』(小池真理子・著、ハナブサ・リュウ・写真、徳間文庫)   こころの内にそっとしまっておきたくなる写真つきのエッセイ集である。エッセイと写真とのコラボレーションが見事としか言いようがない。その主題は「和」。「調和」とか「柔和」とかの「和」ではなく、「和風」の「和」である。もちろん「和風」から「調和」や「柔和」が引き出されることもあるだろうが、主題はあくまで「和風」にかかわる感性であ . . . 本文を読む
コメント

『ダーウィンの足跡を訪ねて』

2007年01月28日 | Science
『ダーウィンの足跡を訪ねて』(長谷川眞理子・著、集英社新書ヴィジュアル版)   歴史は時間軸で語られるが、そこで起こった出来事には必ず空間が関わっている。フランス革命は18世紀にフランスという地域すなわち空間で起こった出来事であるし、アポロ11号が人類初の月面着陸に成功したのは1969年に月面という地球外の空間で行なわれたことだった。ここで語られているダーウィンの「進化論」は、たしかにフランス革命 . . . 本文を読む
コメント

『素数ゼミの謎』

2007年01月27日 | Science
『素数ゼミの謎』(吉村仁・著、文藝春秋)   アメリカに13年あるいは17年ものあいだ地中にて、一度に同じ場所で大発生するセミがいる。名づけて「素数ゼミ」。この「素数」は地中にいる期間の13あるいは17が素数(1と自分自身でしか割ることのできない数)であることからきている。それにしても、なぜ15や16や18ではなくて、13や17という素数なのだろうか。何年間かの周期で発生してくるセミを「周期ゼミ」 . . . 本文を読む
コメント