「白秋」に想ふ―辞世へ向けて

人生の第三ステージ「白秋」のなかで、最終ステージ「玄冬」へ向けての想いを、本やメディアに託して綴る。人生、これ逍遥なり。

『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』

2008年01月22日 | Ecology
『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』(内山節・著、講談社現代新書)   たしかにキツネにだまされたことはない。日本人は1965年頃を境にキツネにだまされなくなった、と内山さんはいう。それは、戦後の経済発展により、自然の価値も経済的価値で判断されるようになったからだ。科学的真理が唯一の真理と考えられるようになった時代でもある。テレビや電話が普及し、情報のあり方やコミュニケーションが変化した . . . 本文を読む
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『天文学者はロマンティストか?』、『新しい太陽系』

2008年01月21日 | Science
『天文学者はロマンティストか?』(縣秀彦・著、NHK出版生活人新書)、『新しい太陽系』(渡部潤一・著、新潮新書)   ちかごろ天文関係の本を買うことはめったになくなった。それ以外に読むべき本がふえて、純粋に自分の興味だけで読みたくなる本を買う余裕―同時に読む余裕も―なくなってきたということだろう。天文に興味がなくなったわけではない。そもそも自分の原点の一つは、あきらかに天文に対する興味にあったと思 . . . 本文を読む
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『女性解放思想の歩み』

2008年01月20日 | Gender
『女性解放思想の歩み』(水田珠枝・著、岩波新書)   人間の自由と平等を説いた思想家としてルソーの名前を知らない人は少ないだろう。「自然にかえれ」の言葉でも有名だ。この「自然」が何を意味するかも知らず、民主主義の基盤を築いた人という印象をもっていた。数十年前に高校で使った世界史の教科書をひっぱりだし、ルソーの箇所を見てみた。そこには「ルソーは“社会契約論”“人間不平等起源論”“エミール”などの著作 . . . 本文を読む
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『恋する天才科学者』

2008年01月19日 | Science
『恋する天才科学者』(内田麻理香・著、講談社)   『カソウケンへようこそ』から約3年、内田麻理香さんの新著だ。最近はテレビ番組(「おもいっきりイイTV」や「世界で一番受けたい授業」)にも出演されて、知名度もますます上がってきているように思う。しかし、料理の科学的ウラワザ紹介のような「カソウケン」的なネタだけが内田さんの領分ではない。専門的な科学を一般の人たちにも楽しく伝えたいという思いが、内田さ . . . 本文を読む
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