エスペラントな日々

エスペラントを学び始めて27年目である。この言葉をめぐる日常些事、学習や読書、海外旅行や国際交流等々について記す。

ペール・ギュント

2018-01-07 | 読書ノート


 今年の読書ノート2冊目は「イプセンのペール・ギュント」。一昨年のヨーロッパ旅行の時に泊めてもらったノルウェー・オスロのエスペラント会館で買ってきたものである。グリークの音楽が有名だが、原作はこの戯曲である。原作と比較したわけではない(出来ないし)が、エスペラント訳もきちんと韻が踏まれている。例えば冒頭部分、ペール・ギュントとその母親(ASE)の会話である:

ASE: Peer, vi blagas!
PEER: Ne ecx grajne!
ASE: Jxuru do, ke estas vero!
PEER: Kial jxuri?
ASE: Timas, sxajne! / Nur sensenca frazafero!
PEER: Estas vero --- gxis la fino!
ASE: Vi ne hontas al patrino! / Jen monatojn vi promenas / cxasi monte kun fervoro / for de devoj kaj laboro; / ...

grajne - sxajne
vero - frazafero
fino - patrino
fervoro - laboro

 私が韻文を苦手なこともあって、全体にかなり読みにくかった。分かりにくいところ、ノルウェー語やノルウェー独自のことなどについて巻末に注があり、さらに章ごとの簡単な解説もあって大いに参考になる。それでも「外国の読者には、おそらくもっと詳しい解説が必要であろう。しかし、それは膨大な仕事になってしまい、この本自体よりも大きな本になる。詩文の深さにもかかわらず、その豊かな表現によって表面だけを読む読者にも充分楽しめるであろう。」

 ネット上で見つけた日本語訳も時々参考にしながら何とか最後まで読んだが、それこそ表面だけ、何とか筋を追うことが出来た程度で、よく分からないところがずいぶん残ってしまった。

 ちょっと面白かった表現を少しだけ:
malricxpove:貧しいなりに
Dibenon, sinjoro! : 神のお恵みを!(Saluton!)
nia boeco : 親類だということ
La vivo < havas vulpon post la orelo>. : Havi iun ruzan intencon. ノルウェー語の表現。同様の表現がエスペラントになかったので直訳したという。
Mi baldaux mem staros sur nuda piedo : 私はもう裸一貫なのです。
Mia mio ecx garanti-staras. : 私の自我は質草になっています。
 キリがないからこれくらいにしておこう。
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