サンパウロの庶民的生活

わたしの半径1メートル以内で考えたことや感じたことをつづってみようと思います。

危機を救われる

2009-04-24 17:54:42 | Weblog
 危機というほど大げさなものではないけれど、乳腺炎になってしまった。
 一昨日から痛みはじめ、熱と頭痛がひどく、立ちくらみまで伴う。

 乳腺炎というのは、病気というよりは事故に近い。つまり、子どもが胸を思いっきりかんで、急にばい菌が入ったか何かで炎症を起こした。長男の時にも同じ経験をした。

 多くの母親が程度の差あれ経験するけれど、ほっとくと入院沙汰になるようなこともあり、実際、かなりの熱と頭痛。いろんな人に聞いてみたけれど、やっぱりお医者さんに頼るのが最善ということだった。普通の風邪なんかと違って、いろんな意味で自然に治るのを待つのは難しい。

 でも、病院に行くのも大変で、ところが、たまたま別の用事でいつもお世話になっている婦人科のクリニックへ訪れる用事があった。すると、みんな私の顔色を見て心配して、事情を聞いてくれた。
 その日、クリニックの先生は学会で海外におり、不在だったのだけど、他の先生に電話で看護婦さんが聞いてくれることになった。そして、緊急なので仕方がないということで、聞いた状況と症状から判断して、お薬を処方してくれた。それで、薬を買いに行くのも大変ということで、看護婦さんが電話で注文して持ってきてもらうことになった。

 その後、順調によくなる。
 
 急患をみて、臨機応変に助けるブラジルの人々の情けにほんとうに感動する。これだけではない。毎日何かを助けられて生きている。顔色を見て明らかにおかしいからといって、すぐに助けてくれようと行動に出るブラジルの人々。懐の深さと、その人間的判断力に私はすばらしさを感じるのです。
 世界数十カ国で、路上で倒れている人を見て、どのくらいの時間でその人を助けようとする調査が行われたことがあるそうです。ブラジルは世界一だったそうです。ちなみに、日本はかなり下のランクだったそうです。よくうなずける。

 全体の規律を作って守り抜くことは大切だけれど、小さな部分で人間的判断を実行するのが豊かに生きることに必要だと思う。多分、今の日本は前者に偏りすぎていると思う。
 
 いかなる危機でも、実は、危機を救うのは人間的判断を実行できるかできないかのような気がした。
↓クリニックで作ってくれた風船。なんと、ゴム手袋による。