松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

甘木の夏越祭

2008-07-31 21:03:58 | 復活奮闘日記
今日は朝倉市甘木にある須賀神社で夏越祭(なごしまつり)の日です。
さっそくお邪魔してみると、氏子たちの準備の真っ最中でした。
夏越祭は、半年間の間についた穢れを祓い清める儀式だそうです。

本殿の前には巨大な茅の輪があります。

参拝者はこの茅の輪をくぐって清々しい気持ちで参拝するとのことです。

小茅の輪づくりに精を出す氏子たち。

茅の輪をくぐって参拝する人たちには小さな茅の輪をもらいます。
小茅の輪を玄関近くに飾り、厄払いとするそうです。

毎年、竹と和紙で作った提灯並木が境内に作られるそうです。

よく見たら、本当にみな達筆の手書きでした。

参拝者に振る舞われる「あめ湯」

甘くて美味しい。ショウガが入っていました。

境内にある楠は、バタバタ祭りで有名な安長寺の楠と夫婦楠だそうです。



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水俣訪問二回目

2008-07-30 21:56:32 | 復活奮闘日記
今日は荒木製蝋さんと水俣へ行ってきました。
はぜのき館の館長で、櫨を育てる名人の緒方さんと昨年初めてお会いし、今回は二回目の訪問です。

今回は後継者となる若手の櫨農家の状況をお伺いしましたが、
100人以上櫨栽培に携わる農家のほとんどは60代以上。
櫨を育てて実をちぎる値段も低いので、
なかなか若手で櫨に興味のある人が出てこないそうです。

櫨蝋は日本が生み育てた大切な伝統文化…といっても、
収入が労働に見合わなければ、櫨を育てようとする気がなくなり、
櫨を育てる人がいなくなれば、櫨蝋も絶えてしまうのは目に見えています。

櫨農家は高齢となり、水俣でも放置される櫨の木が年々増えてきました。
収穫される櫨の実が減り、櫨蝋も足りない状況が続いています。
しかしその対策として、単に櫨を植えればよいという話ではなく、
櫨に携わる全ての人が潤わなければ、櫨のサイクルはうまく回りません。


緒方さんです。
この暑さにも関わらずお元気でしたが、なにぶんご高齢ですので健康面が心配です。
お元気なうちに、水俣でどんどん衰退化する櫨が将来へ繋げていけるよう、私も自分にできる事をしていかなくちゃと改めて思いました。


緒方さんの育てている櫨の実。低く仕立てられた櫨には、たくさんの実がついていました。

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ワックスと「弓ふきん」

2008-07-29 20:29:14 | ワックスと石鹸
櫨蝋のワックスを使用していただいている方からメールをいただきました。
ワックスを矢に塗った後、ユガケにワックスが付いてしまうと、
引き分けの時にギリ粉が効かずに暴発する恐れがあるとのことです。

実際弓矢にワックスを手で塗っただけでは、表面が乾くまで多少ベタベタするのが気になっていました。
何か対策はないかなと思って作ったのがこれ。

「弓ふきん」です。

材料は家の引き出しの奥に埋まっていた和風手ぬぐい。
弓矢を拭きあげるのに扱いやすい大きさに切って手縫いしました。
ワックスを塗った後に、この「弓ふきん」で余分なワックスを拭き上げ、仕上げに弓道具屋さんで売っている鹿皮で磨き上げれば完璧!

大切な竹弓・竹矢がピカピカ&適度に保湿されるってわけです。

ところが周囲の人に「和風手ぬぐい」が引き出しに余ってないか聞きまわりましたがどうも最近は出回ってない様子です。
日本人の生活習慣が「手ぬぐい」→「タオル」に変わったってことなんでしょう。
手ぬぐいも使い所によっては、タオルよりずっと使いやすいシーンがあるんですけどね。

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ひょうたんの飾り結び

2008-07-28 22:12:12 | 和弓と櫨
先日の矢筒紐の飾り結びが大変好評だったので、それなら!ってことで先生が私に頼んだのが「的中粉入れ」。

的中粉とは、弓手のひらに汗をかき、滑って弓が引けなくなるのを防ぐために粉を入れたものです。
写真はひょうたん。的中粉に限らず、ギリ粉を入れるのに使う人もいます。
これはだいぶ年季の入ったひょうたんなので、フタの部分が摩耗していて、すぐにパカッと開いてしまいます。そこで矢筒紐の時に使った「平編み」を使って締めたら、フタが固定されていいんじゃないかと思いました。
できたのは上写真。豪華でカワイくなりました。
フタを開ける時には、青い房付きの紐を下に下ろして緩め、フタを閉めてから、白い紐を下に下ろして引っ張ります。
フタの部分に総角結びを入れてるので、引っかけることもできます。
幸い先生は喜んでいただけたので、まずはほっとしました。

ちなみに総角結びを「ソーカクムスビ」と呼んでいたら、
房屋さんから「アゲマキムスビ」って呼ぶんだよと教えてもらいました。

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櫨の灯り展終了

2008-07-27 21:29:09 | 復活奮闘日記
櫨の灯り展が無事終了しました。
毎日暑い中、たくさんの方が来ていただきました。ありがとうございました。
最終日の今日は駆け込みで来られた人も多く、わずかに売れ残っていた和ろうそくも全部売り切れて、感謝感謝。

八女・本町筋を愛する会のみなさんからも大変ご協力いただきました。
次は山口の職人の世界イベントがあるので、蝋と灯芯草を展示することになったんですが、問題は井口さんの長い灯芯草。宅急便で送るため、一体どうやって梱包しよう?と頭を抱えていたら、会の皆さんがてきぱきと段ボールをつないで、立派に梱包ができ宅急便で送る手配までしていただきました。

会のみなさんは、それぞれの得意分野を生かした会の活動をしていると聞いていましたから、梱包の手際の良さを見ながら、大納得しました。

9月21~23日は「八女燈籠人形まつり」にあわせて、また櫨の資料展を「房屋」さんで開催します。
もし今回見逃した方は、ぜひいらしてくださいね!

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少年時代の思い出

2008-07-26 23:21:52 | 和弓と櫨
もう「櫨の灯り展」も明日が最後となりました。
今日来ていただいたお客様とお話していたら、たまたま弓の話になりました。その方は60代の男性でしたが、中学生時代に弓を習っていたそうです。
なんと範士九段の80代の先生から教えられたというから驚き。
当時は竹弓・竹矢しかなかったので、今から考えれば信じられない程、ぜいたくな弓生活をしていたことになります。

「不良少年だったからね、先生からしょっちゅう怒られてた。先生がいない間にみんなで遠的で遊んで、田んぼに穴を空けたこともあったし、黙って先生の弓を持ち出して引いたりしたこともあった。」

昔語りをするうちに、どんどん思い出してきた様子で

「先生がすごい人だったってのは、子供心にもわかっていた。
でも当時はその凄さがわからず、先生から叱られてうるさいとしか思ってなかった。今なら、先生の目指していたものや言葉の意味が理解できる。

弓道はアーチェリーみたいな勝って喜ぶスポーツじゃない。
自分は弓道をやめて、水泳をしたけど、結局は自分に負けたんだよ。
水泳の大会でも、ライバルが気になって力を出せなかった。
今思えば自分との戦いだった。全ては自分が相手だってことを教えてくれたのは、弓道だった。
でもそれは今だから言えることであって、当時はわからなかった。」

50年たっても、先生が弓を引いていた様子がはっきりと目に浮かぶそうです。

「まさに枯淡の境地だった。
 先生が的を射抜く音は強すぎるわけじゃなく、矢が真っ直ぐ入るいい音がしていた。あの時、自分はほんなもんを見てたんだと思うよ。」

…今なら、自分が悪さばかりして真面目に弓をしなかったと先生に謝ることができるのに。

そう言いたそうに、昔を思い出して考え込んでしまった横顔を見ながら、私は、先生の射に対する姿勢や言葉が50年後にようやく教え子に伝わったんだと思いました。

弓の先生は高齢の方が多いので、自分に対する助言は一つ一つ全て宝物です。
先生方に見てもらったり、一緒に引ける貴重なひとときを大切にしなくちゃと、私も強く思った一日でした。

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松山櫨、元気です

2008-07-25 20:40:05 | 復活奮闘日記
久しぶりに接ぎ木した松山櫨を見に行きました。
葉っぱも青々として元気に育っています。

近くで見ると、こんな感じ。


よく見たら、なんと!実が二つだけついていました。

『松山櫨の実は、大きくて、丸いよ。』と言われた通り、大きくて丸いです。
扁平な伊吉櫨ではありません。
一年目にして、二粒も見ることができるとは、幸先のよいスタートです。
元気そうでよかった。

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ブログ通信簿

2008-07-24 21:55:41 | ニュース
ブログ通信簿ってのがありました。
ブログを勝手に分析してくれるそうです。
通信簿って言葉がまた懐かしいなと思って、さっそく作成してみたのがこれ。

私は22才男なんだって。
なんともいえん。この結果をどう受け取っていいのやら。複雑な気持ちです。
マメ度だけは5でした。がんばって毎日書いてるもんね。
通信欄には職人を目指しましょうと書いてありました。

櫨復活職人。かな?

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ろうそく職人実演最終日

2008-07-23 23:34:16 | 復活奮闘日記
今日は手がけ和ろうそく職人実演最終日でした。
職人の大西さんいわく、一年中で最も過酷な実演だったそうです。
何が過酷って、この暑さ。
実演をしていただいていた建物に冷房が入ってない上、
お風呂みたいな温度の溶けた蝋を扱うわけですよ。
えんえんサウナに入ってる状態で、もうず~~っと汗びっしょり。

昨日は和ろうそくによるおはなし会で朗読をしてくれたOさんが、見に来てくれました。

それに山口の日本舞踊家花柳寿寛福さんも来られました。
花柳さんは、和ろうそくの光のみで踊るのだそうです。
和ろうそくの光は舞台に陰影とチラチラと揺らめく動きを紡ぎ、
普通の舞台では味わえない幽玄の世界を作り出します。

舞踊会では、舞台を明るくして着物の柄や背景をぱっと華やかにして踊るのが定番なので、
和ろうそくの光で踊るのは大変珍しいのだそうです。

しかし本来の日本舞踊の舞台は和ろうそくでしたから、
花柳さんらの舞台はいわば日本舞踊の原点に回帰しているのではないかと思います。

8月2日に山口で「職人の世界」というタイトルで、
和ろうそくの実演と花柳さんの日本舞踊が行われるので、興味のある方はぜひどうぞ!
紹介サイトはこちらです。

あんまり暑いので、Oさんと花柳さんと一緒に堺屋の「てまCafe」へ。


和パフェを食べながら、楽しいおしゃべりをしました。


現代の若き語り部Oさんに、日本舞踊家花柳寿寛福さん。
櫨を介して、いろんな交流が広がっていくのはとても幸せなことです。

櫨の現状を考えると、かなり将来は危うくなっているのですが、
ぜひ様々なジャンルの、いろんな方達の力で、
良き日本の産物と伝統が続いていければいいなと思いました。

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お酒に房をつけると

2008-07-22 22:44:51 | 復活奮闘日記
日頃お世話になっている方の誕生日が来たので、
八女で評判のいい日本酒「繁枡」をプレゼントすることにしました。

もちろん、お酒が大好きな方ですから
八女で280年の歴史ある銘酒だけでも喜ぶだろうなとは思うんですが、
ただ、なんとなく物足りないんですね。
のしをつけても、それだけだとありふれてるし。
さらに印象良くポイントを上げたい気持ち。わかります?

ということで今回は房屋さんに頼んで一升瓶用に房をつけてみました。
これなら飲むまで部屋に飾っておいてもいいし、
飲んだ後も捨てないで、何かにくっつけて飾っておくのもいいし。


房をつけただけで、途端に豪華に見えるから不思議。まさに「お祝い事!」って感じ。
海外の方へのお土産などにも喜ばれそうですね。
今更ながら、房の演出力ってすごいもんがありますね。

八女の日本酒「繁枡」のサイトはこちら。
房に関するサイトはこちらです。

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福岡市議長杯遠的大会

2008-07-21 21:59:19 | 和弓と櫨
今日は遠的大会。
福岡県は遠的については全国的にもレベルが高いとの挨拶があり
「は~、そうだったのか。」と思いつつ、
少なくとも私に関しては今回二回目の経験になるのでした。

優勝者へのトロフィー(画像上)も、ちょっとおしゃれなトロフィーですね。

今回は低い階級からスタートしたので、一級の私の立ちは一番目。
こないだの練習と同じく、後ろの壁にゴッと突き刺さったり、
大きく右へ左へそれたりして、自分でもどうも要領を得ない引き方をしてしまい
午前・午後を通して8射0中でした。orz

しかし後で気づいたのですが、初段以下の部っていうのがあって、
1中でもしていれば、なんと順位決定戦に出られたのでした。ちぇ~っ。

遠的はそのままの姿勢で少し矢尻を上に向ければいいそうです。

うまい人は、なんなく的中していきますが、
私みたいなのだと、どこへ行くんだか見当もつかなくなります。


筑前町弓道部の成績は、Kさんの3中を筆頭に
算段のM子さん2中、T先生1中、Fさん1中と、やはりイマイチな感じ。
やはりなかなか遠的の練習ができないせいでしょうかね。

今日は8射皆中を出した方もいて、安定した美しい射だったのが印象的でした。


それにしても、今日は暑かった!

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実際の戦いは その1

2008-07-20 23:55:36 | 和弓と櫨
よくTVドラマや映画で合戦のシーンがあります。
どういうものかというと
まず、馬に乗って大鎧を着た武者が刀を振り回し、
やはり騎馬武者の相手や槍を持った足軽と戦っているシーン。
あるいは、同じく大鎧を着た騎馬武者が刀を振り回して
馬で突っ込んでいくシーン。

そんなシーンを見る度に、疑問に思っていた事があります。
「実際の戦いって、本当にこんな感じだったのかな?」

大鎧を着た騎馬武者が刀を振り回し…って
なんであんな重くて動きにくそうな大きな鎧を着ているのか。
それに馬に乗って刀を振り回しているうちに、
馬の首でも間違って斬りつけたら大ごとではないのか。
おまけに、あのド派手な大鎧の色。
あんな目立つ色をどうして使う必要があったのか。

教科書にはこうした疑問の答えは載っていませんでしたし、
昔の本には「こうした大鎧が不便だから軽い甲冑になっていった。」と書かれていました。

最近、弓の歴史を調べていて、ようやくわかったことがあります。
大鎧は盾の役割を果たしていたってことです。
重くて不便さを我慢してまでも着ていた理由は、ただ一つ。
矢を防ぐためでした。
刀の攻撃を想定していたわけではありません。
実際の合戦の中、刀を馬上で振り回す騎馬武者なんて、
おそらくほとんどいなかったんじゃないかと思います。

昔の合戦の主役は弓。
弓は両手を使わなくちゃいけません。
だからこそ、弓を引けてなおかつ自分を守るために
盾の役割を備えた大鎧が必要だったのです。
大鎧には、いかに強力な弓から発射される矢を防ぐか
いたる所に工夫がこらされていました。

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今日から和ろうそく職人実演

2008-07-19 22:23:20 | 復活奮闘日記
今日から八女で開催している「櫨の灯り展」で
和ろうそく職人の実演が始まりました。

職人は滋賀県から来た「大與」の大西さん。
次々と素手で櫨蝋を芯に塗りつけていく様子を目の前で見るのは、やはり迫力があります。
せっせと手を動かしながら、物珍しげに眺めるお客さまと対話しています。
実演を見にくるお客さまは、もともと和ろうそくに興味を持っている方が多いので
積極的に質問していました。


一番質問が多かったのは
「自分の知っている和ろうそくは、こんな燃え方はしない。
 もっと煙がたくさん出るんだけど?」というもの。
大西さんの答えは
「それは混ぜもんでっしゃろ。
 櫨以外のもんがろうそくの中に入ってると煙が出ますよ。パラフィンとか。」
何百回となく繰り返される同じ質問に、大西さんも粘り強く答えているのでした。

一方、もう一人の職人さんも来てくれました。
筑後市で灯芯草を作っている井口さんです。
ちょうど大豆の収穫が終わったとのことで、時間ができたので駆けつけてくれています。
以前、正徳さんちで芯引きの稽古をしたことがあり、それから少しずつ芯引きの練習を重ねてきました。
今回は灯芯草のPRも兼ねての実演です。

灯芯草から中の髄を引き出す作業は、もう国内ではほとんど見ることが出来ません。
ゆっくりと白い髄が出てくる様子を、みなさん興味深く眺めておられました。


今回は残念ながら正徳さんが腰を痛めたため、芯巻きの実演ができなくなってしまいましたが、
お二人のおかげで、「櫨の灯り展」も活気が出てきました。

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遠的リハーサル

2008-07-18 21:22:21 | 和弓と櫨
今度の21日は博多の森弓道場で遠的の射会に出場することになっています。
遠的ってやったことがないので、事前に予行練習することにしました。

遠的は近的と違い、一つの的を三人が狙います。
距離は60m。近的の28mに比べると随分遠くにありますが、
的も大きいので、イマイチ距離感が掴めません。
自分がどのくらい矢を飛ばせるのかもわからないわけですから、
とにかく矢尻を上にあげて
「ええ~いっ。月まで飛んでけ~~!」みたいな気持ちで思いっきり離したら、
ふわ~んと大きく弧を描いて私の矢は遙か遠くに飛んでいきます。
湿気が多くて蒸し暑い日の中で汗だくになりながらも、一瞬だけ爽快な気分になりました。

私の最初の矢は上部後ろの壁にゴッと突き刺さりました。
「こりゃ、飛ばしすぎたね。」と先生。

しかし、それ以降は抑えて引いたものの、柱や安土の上部に突き刺さって
矢尻や筈が取れたりして、いちいち面倒臭いが玉にキズです。
遠的は引くのは気持ちがいいけど、矢払いが大変なんですね。

一通り引いたところで、高校生の矢が屋根の樋に突き刺さりました。

さっそくスライド式の高梯子の登場です。
あそこに入ると、かなり高くまで上らなくちゃいけません。
高校生の「うぎゃ~。怖ぇ~~。」とかいう叫び声が聞こえて、
どうやら矢の所有者が上っていきました。

ちょっとアップにしてみましょう。

よくもまあ、あんなとこまで飛ぶもんですね。
それにしても私の矢があんなとこに行かなくてよかった。

21日の本番ではどうなることやら。

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無心の離れ

2008-07-17 21:48:55 | 和弓と櫨
オイゲン・ヘルゲル氏著「日本の弓術」には、
阿波氏の弓の教えが詳しく書かれています。
私もその教えの一端にあずかろうと読んでいますが、
難解なことこのうえない。
ヘルゲル氏は離れの時、
親指の上に抑えられている他の指がぱっと裂けるようにしか開かれず、
どうもうまくいかないので先生に問うと

「あなたは無心になることを、
 矢がひとりでに離れるまで待っていることを学ばなければならない」
「しかしそれをやっているといつまで経っても矢は放たれません。」
「あなたが全く無になるということが、ひとりでに起これば、
 その時あなたは正しい射方ができるようになる。」
「無になってしまわれなければならないのなら、それでは誰が射るのですか?」
「あなたの代わりにだれが射るかがわかるようになったら、あなたにはもう師匠がいらなくなる。
 …中略…それよりむしろ精神を集中して、自分をまず外から内へ向け、
 その内をも次第に視野から失うことをお習いなさい。」

離れの時、ぱっと手が開くのは、実は私もそうなのです。
私も(もうこのくらい待ったから、そろそろ離そうかな)と思いながら、
「えいっ!」と心の中で合図をして開いています。
とても「無」というにはほど遠い心境です。

深い集中に到達する方法として
弓を射る前の一時間はできるだけ静かに心を凝らし
正しい呼吸によって心中を平らかにし…と書いてあるので、
で、できるだけペチャクチャしゃべったり、大声で笑ったりせず
無我の境地に入るように努力しなくちゃと思いました。

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