松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

今年一年、お世話になりました。

2007-12-31 21:22:05 | ごあいさつ
いよいよ年も押し迫り、あと数時間で年が変わります。
今年の1月末から始めた「松山櫨復活委員会」の活動は、
暖かくサポートしていただいた周囲の皆様のおかげで、
とても充実したものとなりました。

上の画像は田主丸町にある植木苗木発祥の地の碑が
設置されている諏訪神社です。
ここを最初に訪れてから、松山櫨の活動は始まりました。

この活動をしていて、一番よく聞かれた質問は
「なぜアンタが櫨の活動をしているの?」でした。

その時にしている答えが↓です。

田主丸町の植木販売協会のホームページ
デザインの仕事をしている時に、会長から
『田主丸は櫨の接ぎ木から植木が始まった。』と
聞いたのがきっかけです。
田主丸の植木の歴史を調べるうちに、
松山櫨を発見した竹下武兵衛周直という人物に出会い、
今は誰からも見捨てられている松山櫨を見たくなりました。」

紅葉を人一倍愛されながらも、櫨マケすると人一倍嫌われ、
有用性すら見下されているという
矛盾した二面性を持つ櫨に強烈に惹かれるせいもあります。

こういうとちょっと奇異に聞こえるかもしれませんが
この一年、櫨の活動をしている時は、信じられないほど
スムーズに事が運ぶ事が多くて、よく驚きました。
例えば、とても忙しい人のスケジュールがたまたま空いていて
すぐに会うことができたとか、電話がすぐに繋がったとか…。

でも特に自分でもびっくりしたのは、弓です。
たまたま「正徳芯和ろうそく」を見た「澗水」さんと出会うと、
なんと「澗水」さんちには弓道場があって、
私が的前に立って弓を引くようになったわけですから。
以前なら、自分が弓をするなんて想像すらしたこともありませんでした。

別に自分が無理して活動しているのではなく、
のんびりと気ままにやってるだけなんですが、
次から次に櫨の活動を後押しするような出来事があったりして
なまけようとしても忙しくなったりして
叱咤激励する櫨の守護霊でもついてるんじゃないかと思ったほどです。

来年も引き続き櫨三昧の日々を送ることになりそうですが
できるだけマイペースに楽しく活動していきたいと思います。

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櫨蝋でキャンドル その6

2007-12-30 22:42:45 | 櫨蝋でキャンドル
日本初のハゼロウキャンドル!
とはいうものの、
蝋だれをおこしてしまうという決定的な弱点を、
どうやって改良していくのか。

私は正徳芯に望みを託しました。
蝋を少しでも吸い込ませるために
正徳さんに特殊な芯を作ってもらうことにしたのです。

いつもより堅めに二重、三重に巻いた芯を作ってもらい
さっそく再び荒木製蝋を訪れます。
そして灯してみたのが上の画像。
左が三重巻き、右が二重巻き。

一重で巻いた時よりも炎が大きくなりました。
固唾をのんで時間が経つのを見届けます。

しばらくしたら、二重巻きの方が蝋が流れてしまいました。
そしてその後30分ほどして三重巻きの方も同じく
蝋が流れてしまいました。

やっぱり流れてしまった。
どうやっても蝋は流れてしまうんだろうか。
私はあきらめることができませんでした。

一重の芯の時よりも流れるタイミングは
確実に遅くなっています。
特に三重巻きは、さらに形を保っていたからです。

少しでも可能性のある事を見なくちゃ。
思い切ってイグサを何重でも巻いてみたら?

ダメでもともとです。やってみなくちゃわかりません。

私はまたもや正徳さんの所へ出向き、
今度は、できるだけたくさんイグサを巻いた芯を
作ってくださいとお願いしました。

「そんなの作ったことないけど、やってみるわ。」
と、正徳さんは半分面白がって承知してくれました。

数日後、多重巻きの芯ができました。

多重巻きの芯…。

それはなんだか…、とても和ろうそくの芯とは
思えないような形状をしていたのでした。

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櫨蝋でキャンドル その5

2007-12-29 23:54:12 | 櫨蝋でキャンドル
櫨蝋でキャンドルの続きです。
大與の指導の甲斐あって、荒木製蝋のキャンドル製作の技術は
飛躍的に進歩しました。

上の画像の通り、以前のナナメに歪んだキャンドルとは違い、
美しい形をしています。
胴回りが太くて重量感があり、現代風なハゼキャンドルが生まれました。
日本で初めてのハゼロウキャンドル誕生です。

期待感とともに、さっそく火を灯してみました。



炎もいい感じで明るく燃えています。
ところが………。

またもや櫨蝋の海になってしまいました。
「ああ、工場でつけた時は、流れなかったのに。」
荒木製蝋はがっくりしていました。
私もまた、心がしぼんでしまいました。

あの正徳芯ですら、だらだら流れてしまう櫨蝋。
止める手だてはないのでしょうか。

その時、私は以前正徳さんがチラリと言っていたことを思い出しました。

「荒木さん。正徳さんが『芯の二重巻き』をしたことがあるっておっしゃってました。」

『芯の二重巻き』とは、文字通り二回イグサを巻くことです。
通常の二倍のイグサの量にすることで
二倍の蝋を吸い上げることができます。

キャンドルの胴回りの太さを考えると
この二重巻きが、蝋だれを防ぐことができるかもしれません。

果たして…?

私は再び正徳さんの所を訪れて
至急「二重巻き」の芯作りをお願いすることにしました。

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まぐれ当たり2

2007-12-28 22:37:57 | 和弓と櫨
今日は今年最後の弓のお稽古。
なんと第一射目に当たったのでびっくりしました。

ところが、乙矢(二番目に引く矢)は、
とんでもない所へ飛んじゃって画像には移ってません。
残りの立射4本は全て逸れました。

思うに、甲矢(はや)は何も考えず真っ白な気持ちで射ているんだと思います。
そもそも右手小指に乙矢を挟んでいるので、
邪魔っけだし、さっさと何でもいいから射てしまえという気持ちがあるんですね。

ところが乙矢になると、甲矢が当たった分、
次も中りたいもんだから「欲」が出てきちゃって
どうも妙に力んでしまうみたいです。

何事にも動じない気持ちで完璧に射ることができるようになるには、
いったい何年かかることやら。

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まぐれ当たり

2007-12-27 22:50:54 | 和弓と櫨
今日は弓のお稽古。
こないだ初めて的前に立って以来、少しずつ的前中心に練習するようになりました。
座って射る正式な射である「座射」を2本、
立ったままで射る「立射」を4本引きます。

そこでなんと立射の時、初めて的に当たりました。
ひゃ~~!
思わず満面の笑顔になってしまいました。
的の紙を突き破ると、「パーン」と響き渡っていい音がするものです。
弓を習い始めて一ヶ月半。すごくいい気分です。

正面からの写真も記念にパチリ。
右の矢所が揃っているのが師匠。左の一本だけ中って、あとはバラバラなのが私です。



あんまり気分がよかったせいか、その後の射は悲惨でした。
危うく隣の的までいったり、耳に弦が当たって痛かったり、
何度も矢を取り落とすし、弓手親指の付け根をこすってしまうし…。

でも、気を引き締めなければと自分に思い聞かせる一方で、
まぐれ当たりでも、当たったと思うだけで、
やっぱりまだ気分のよい一日だったりします。

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櫨蝋でキャンドル その4

2007-12-26 21:01:15 | 櫨蝋でキャンドル
櫨蝋で作るキャンドル。
形の不格好さと、蝋だれの問題を抱えたまま、
一ヶ月ほどが過ぎました。
ある日、滋賀県から大與和ろうそく職人の大西さんが
荒木製蝋に立ち寄りました。
私も初めて大西さんにお会いするために荒木製蝋へ。



大西さんは、荒木製蝋のろうそく作りの現場を見るやいなや
次々に問題点を指摘していきます。
もっと簡単で合理的な、型流しろうそくの作り方を
具体的に荒木製蝋に教えてくれました。
これで少しはあの不格好なキャンドルの形が
きれいになるかもしれません。

また、私は正徳さんと出会っていたので、
正徳芯を荒木製蝋さんに渡しました。
質のいい芯ならば、蝋を吸い込んでくれるかもと
思ったからです。
大西さんによる指導と、正徳芯。
二つの大きな力によって、
櫨のキャンドルの改良への期待が高まりました。
そしてその期待は裏切られなかったのです。

「新しい櫨のキャンドルができたので見てください。」と
その後一ヶ月ほどして荒木社長から電話がありました。
さっそく会って、改良版櫨のキャンドルを見てみました。

一目見ると、すぐに荒木製蝋のろうそく作りの技術が
飛躍的に進歩したことがわかりました。

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櫨蝋でキャンドル その3

2007-12-25 21:41:48 | 櫨蝋でキャンドル
櫨のキャンドル話の続きです。

さて、期待を込めて櫨のキャンドルに火をつけてみたところ、
結構いい感じで明るい光が灯りました。
が!
少し時間が経つと、
だらだらと蝋が横から流れていくではありませんか。
流れる蝋は止められません。
中盤からカップキャンドルみたいに、
櫨蝋の海になってきました。

最初楽観的だった私は、
この櫨のキャンドルの惨状に
かなりショックを受けてしまいました。

原因を調べると、普通の和ろうそくに比べ
蝋の胴回りが太いために
一度に櫨蝋が溶ける量が多すぎて
芯が蝋を吸い上げることができないでいるのです。
おかげで溶けるだけの蝋は、形が崩れて落下していくはめに…。

蝋が溶けてもいいようにカップに入れて火を灯しても、
櫨の海になってしまったら、芯が浮き上がり倒れてしまいます。
おかげでカップの底には櫨蝋が貯まってまま。

荒木製蝋も、この現状に行き詰まっていました。

どうやったら、もっと芯が蝋を吸い上げてくれるのか。
なすすべもなく一ヶ月ほど経ちました。

朝倉市にいる芯巻きの正徳さんと出会ったのは、
ちょうどその頃でした。

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祖母の葬式で

2007-12-24 16:48:09 | 復活奮闘日記
昨日、祖母が亡くなりました。
高齢でしたし、長年入院生活をしていたので、近所の知り合いもいなくなってしまい
今日は身内だけのひっそりした葬式をとり行いました。

以前から祖母の葬式には和ろうそくを使いたいと思っていたので
15号の「正徳芯和ろうそく」を灯したのが上の画像です。

まもなくお坊さんが来られて、お経をあげていただいたのですが
その最中も、炎の形がずっと瞬くように揺らめいたり、すっと長く上に伸びたりして
まるで生きているかのように動きます。
お経の声と重なって、私は目を離すことができませんでした。

親しい人が亡くなった時に和ろうそくを灯す。
その時、揺らめき続ける炎がどんなに人の心を癒してくれるか
実際に自分が体験してみて、ようやく身にしみてわかったような気がします。

祖母はもの静かで忍耐強い人でした。
小さい頃から可愛がってもらったので、
その大切な祖母のお葬式に最高の和ろうそくを灯すことができて、
本当によかったと思います。

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環境ジャーナリストの佐藤さんと

2007-12-23 23:24:52 | 復活奮闘日記
今日は東京で活躍されている環境ジャーナリストの佐藤由美さんと、
筑後川流域で刈草を有機堆肥にするという活動をなさっている長野真理子さん、
それに娘さん+赤ちゃんとお会いしました。

佐藤さんは大與の大西さんや田布施の岡部さんなど櫨関係の方々に取材なさっていて
私もその一環としてお目にかかることができました。

JRたぬしまる駅で待ち合わせた後、
風と野の紀行でランチをすることに。
美味しい「なごみ御膳」をいただきながら、
「松山櫨」について、ひとしきりくっちゃべってしまいました。

お土産に佐藤さんの故郷で作られている鶴岡産絵ろうそく(上画像)をいただきました。
享保年間(1716~35)から作られており、
庄内藩酒井公の家紋の入った由緒正しい幕府献上品という歴史を持っています。
美しい絵柄は特産品の「紅花」です。
見れば見るほど、かわいいですね。私の宝物になりそうです。



茨城県石岡市にある水車小屋で作られた線香「水車杉線香」駒村清明堂製もいただきました。
水車の力を利用して、杉の粉を挽き線香を作ってあります。
普通の線香には防腐剤が入っていますが、ここの線香は100%杉の粉で、
おそらく商品化しているのは、今や日本でここだけだろうと言われています。

香りってのは意外なほど人間の脳や体に影響を与えます。
化学薬品が混ざっていると、無臭でも気がつかないうちに体の具合が悪くなったりします。
とはいえ、市場に出回っているのは、
何かしらそうした薬品が入ってるものがほとんどなんですが。

駒村清明堂の線香は、杉本来の自然な香りに満ちています。
私はあまり線香の香りって、昔から好きでもなかったんですが、
実際にかいでみたら、その香りの素晴らしいこと!
他の市販品とは全然違います。
鼻をすーっと爽やかな香りが抜けていくような感じなんですよ。かなり感動しました。

ここのサイトに詳しく載っていました。

夢中でおしゃべりしていたら、あっというまに時間が過ぎてしまい
スケジュールも押していたのでバタバタとお別れしました。
櫨のおかげで楽しい出会いができた一日になりました。

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櫨蝋できゃんどる その2

2007-12-22 23:28:58 | 櫨蝋でキャンドル
今日は冬至の日。
半年に一度のキャンドルナイトの日です。

ちょうど半年前のキャンドルナイトが終わった後、
私が荒木製蝋に問い合わせてから、しばらくたって
電話がかかってきました。
「長さが短く、胴まわりが太いキャンドルタイプの
櫨ろうそくを作ったので、見てみませんか?」

翌日、みやま市高田町の荒木製蝋本社へ出向き
初のキャンドルを見たのが上の写真です。

かわいい!

非常に気に入りました。
従来の和ろうそくと比べて、身長が低く胴回りが太く
櫨蝋の量がたっぷりと感じられます。

でも、なんか斜めにゆがんでない?

初めて作ったせいか、
でこぼこしてるし、斜めだし、芯が傾いているし。
見れば見るほど不格好ですが、
方向性は間違っていないようです。
もうちょっと作るのに慣れれば
仕上げがうまくなるだろうと思いました。

さっそくつけてみました。



なかなかいい感じです。

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櫨蝋でキャンドル その1

2007-12-21 22:17:47 | 櫨蝋でキャンドル
今まで、和ろうそくの話ばかりしてきたわけですが
実は、以前から私には疑問がありました。

和ろうそくでキャンドルタイプのものは作れないのか?

というものです。
キャンドルは、様々なデザインや形が溢れています。
カラーもとりどりに揃っていて、
アロマのように匂いつきも多種多彩です。

もちろん和ろうそくの形は美しいと思いますが
基本的に棒型と碇型の二種類しかありません。
なぜ和ろうそくは、あの形オンリーなのか?

長さが短く、胴まわりが太いキャンドルタイプのものがあれば、
もっといろんなシーンで使うことができるかもしれない。
そんな新しい和ろうそくができないだろうか?

軽い気持ちで、私は荒木製蝋に問い合わせました。
その時は、その後の苦労を少しも考えず
本当に思いつきだけの行動でした。

言うだけなら簡単です。
実行する事がいかに難しいか。
その後、荒木製蝋と私は、その実行することの困難さを
身をもって知ることになったのでした。

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草野陶房 現の証拠

2007-12-20 21:37:50 | 美しい風景
先日、久留米市草野町にある「草野陶房 現の証拠」へ行ってきました。
陶房は耳納山の中腹にあり、山からの小川が流れていて
自然の息吹を感じるところにあります。

陶芸といえば、最近は女性の陶芸家も増えてきて
ネコとかウサギとかをモチーフにした
カワイイ系のが増えてきたなぁと思ってるんですが、

こちらはあくまでも男っぽい渋さが特徴です。
釉薬のかけ方も、ゴツゴツとした手触り感を残してるものが多いですし
すっきりとした皿でも、よく見るとどことなく強くて男性的な印象です。



草をイメージした深い緑の皿は、
夏に遊んだ田舎の草むらを思い出させて、非常に味わいがありました。

河北さんは松山櫨復活委員会についても応援していただいてるので、
今回から正徳芯和ろうそくを置かせてもらうことにしました。

草野町に行かれる方は、ぜひお立ち寄り下さい。
「現の証拠」に関するHPはこちらがあります。

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古来の灯芯草復活へ その10

2007-12-19 19:09:15 | 和ろうそく芯ものがたり
井口さんは、菜種油を手に入れて、
昔の人がやったように灯芯草の髄を一本だけ浸して
火を点けてみました。(上の画像です)

小さな小さな柔らかい光が灯ります。
吸収性の優れた灯芯草の髄は、油をどんどん吸い込み
油が切れるまで、えんえんと燃え続けます。
一本の灯芯草でなんと12時間も燃えているとか。

欠点は、消えやすいこと。
ちょっとした風が流れると、すぐに消えてしまうので
ガラスケースなど風よけをする必要があります。
しかし、明るいとは言えないものの、
長時間火を灯すことができるという点では、優れた特性です。
昔の人の知恵に、あらためて感心しました。

井口さんは髄の引き出しの発展途上にあります。
軌道に乗るまでは、まだまだ時間がかかりそうですが
純国産の灯芯草で作る和ろうそくの夢に向けて
私も出来る限り応援していきたいと思います。

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古来の灯芯草復活へ その9

2007-12-18 22:37:05 | 和ろうそく芯ものがたり
正徳さんの姉に、灯芯草の髄を引き出すワザを伝授された井口さん。
自分なりの工夫も取り入れながら
髄を引き出すやり方に、飛躍的な進歩を遂げることができました。

一生懸命髄を引き出していると、
孫の小学生あっくんが、どこからともなく近寄ってきて
「じいちゃん、僕もやる。」と手伝います。



面白そうに、もくもくと作業をするあっくんに
思わず目を細める井口さんです。
案外、孫のあっくんが髄の引き出し達人になったりして。

井口さんによる髄の引き出しは、
かなり速度が縮まったものの、
まだまだ改良の余地がありそうでした。
「もっと道具をあーしてこーして…。」と
忙しく頭を働かせて工夫しています。

髄の引き出しに慣れてきたら、
いよいよ井口さんの無農薬の灯芯草で、
純粋国産の芯を巻くことが実現できますし、
櫨蝋100%の手がけ和ろうそくができる日も
そんなに遠くないかもしれません。

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古来の灯芯草復活へ その8

2007-12-17 22:04:32 | 和ろうそく芯ものがたり
農作物の収穫シーズンが一段落して
ようやく井口さんは、灯芯草の髄の引き出し方を習得するため、
正徳さんの姉に会いに朝倉市へ行きました。

まず、井口さんの作る灯芯草の髄を見てもらうと
かなり質が高い髄だということがわかり、
灯芯草には全く問題ないことがわかりました。

あとは引き出し方だけです。
三日間ほど灯芯草全体を湿らせること自体は合っていますが
そこからが大問題です。

引き出す本人の前に、固定した小刀を上向きにします。
小刀はあまり研がず、先端はやや丸みを帯びたぐらいにし
そこに灯芯草の先っぽを突き刺して、
ゆっくりと割いていくのです。

その手の加減に非常な熟練が必要で、
慣れないと、途中でプチリと切れてしまいます。
この部分がどうしても機械化できないため
芯の作業を海外に移しているといっても過言ではありません。
国内でも髄の引き出しを行っている所は
数える程になっているようです。

とはいえ、井口さんの灯芯草を
本来の使い方で生かすためには、ここは避けられない部分です。
井口さんは、必要な小刀の長さや太さ、
割いていく時のタイミングなどを熱心に質問していました。
次第にやり方が飲み込めてきたようで、
あとはひたすら練習です。

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