松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

無心の離れ

2008-07-17 21:48:55 | 和弓と櫨
オイゲン・ヘルゲル氏著「日本の弓術」には、
阿波氏の弓の教えが詳しく書かれています。
私もその教えの一端にあずかろうと読んでいますが、
難解なことこのうえない。
ヘルゲル氏は離れの時、
親指の上に抑えられている他の指がぱっと裂けるようにしか開かれず、
どうもうまくいかないので先生に問うと

「あなたは無心になることを、
 矢がひとりでに離れるまで待っていることを学ばなければならない」
「しかしそれをやっているといつまで経っても矢は放たれません。」
「あなたが全く無になるということが、ひとりでに起これば、
 その時あなたは正しい射方ができるようになる。」
「無になってしまわれなければならないのなら、それでは誰が射るのですか?」
「あなたの代わりにだれが射るかがわかるようになったら、あなたにはもう師匠がいらなくなる。
 …中略…それよりむしろ精神を集中して、自分をまず外から内へ向け、
 その内をも次第に視野から失うことをお習いなさい。」

離れの時、ぱっと手が開くのは、実は私もそうなのです。
私も(もうこのくらい待ったから、そろそろ離そうかな)と思いながら、
「えいっ!」と心の中で合図をして開いています。
とても「無」というにはほど遠い心境です。

深い集中に到達する方法として
弓を射る前の一時間はできるだけ静かに心を凝らし
正しい呼吸によって心中を平らかにし…と書いてあるので、
で、できるだけペチャクチャしゃべったり、大声で笑ったりせず
無我の境地に入るように努力しなくちゃと思いました。

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