遙かなる透明という幻影の言語を尋ねて彷徨う。

現代詩および短詩系文学(短歌・俳句)を尋ねて。〔言葉〕まかせの〔脚〕まかせ!非日常の風に吹かれる旅の果てまで。

心に響く世界の名言-川端康成

2017-09-28 | 心に響く今日の名言
島村は退屈まぎれに左手の人さし指をいろいろに動かしてながめては、結局この指だけが、これから会いに行く女をなまなましくおぼえている、はっきり思いだそうとあせればあせるほど、つかみどころなくぼやけてゆく記憶のたよりなさのうちに、この指だけは女の感触で今もぬれていて、自分を遠くの女へ引き寄せるかのようだと、不思議に思いながら、鼻につけてにおいをかいでみたりしていた。」
(川端康成『雪国』8より)


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