『因幡薬師霊場縁起』発行

9月23日に『因幡薬師霊場縁起』が今井出版より発行され、10月1日に永明寺に因幡薬師霊場会より同書が90冊届きました。因幡国（鳥取県東部）は、薬師如来信仰と関わりが深い国です。

因幡国から遷座された薬師如来像を本尊とする因幡堂は、京都市下京区松原通烏丸東入る上る因幡堂町にあり、因幡守の橘行平が長保五年（1003年）に創建し、承安元年（1171年）に高倉天皇から「平等寺」の寺号を下賜されたお寺です。平等寺（因幡堂）・広隆寺・延暦寺・法雲寺・珍皇寺・護国寺・観慶寺の七ヶ寺は、都でご利益のある薬師として「七所薬師」と呼ばれており、因幡堂は、第一の霊場とされていました。

また、『濃州山縣郡岩井山延算寺縁起』に最澄が因幡国岩井郡（石井郡）の岩井温泉で制作した二体の薬師如来像は、一体が比叡山延暦寺の本尊となり、もう一体が美濃国に遷座されて岐阜市岩井の岩井山延算寺の本尊になったと記されています。因幡薬師霊場第26番札所の永明寺の本堂に安置している薬師如来像は、鳥取県岩美郡岩美町の岩井温泉の薬師如来信仰と関わりがあります。

因幡薬師霊場の札所めぐり

　 鳥取県東部の因幡地方には、現在加盟している札所30ヶ寺院と番外札所からなる因幡薬師霊場があります。毎年、霊場会の札所を会場に宗派をこえて加盟寺院で合同法要を行っており、永明寺でも2011年10月に合同法要が厳修され、参拝者の皆様の願意成就とともに東日本大震災追悼の祈願もこめて大般若転読会と真言宗のご寺院様のご協力をえて柴燈護摩供を行いました。掲載写真はその時の様子です。永明寺の薬師如来像の由来に関しましては、カテゴリーの「永明寺の歴史・由来」に記しております。年間を通じて県内外から札所の参拝者（お遍路さん）の方々が団体や個人でお参りいただき、すばらしいご縁をいただいていることに感謝いたしております。皆様も札所めぐりをしてみませんか。

第１番　最勝院（真言宗）　　第16番　三光院（真言宗）　　
第２番　田後薬師堂　　　　　第17番　松泉寺（曹洞宗）　　
第３番　貞信寺（曹洞宗）　　第18番　勝見薬師堂
第４番　長楽寺（曹洞宗）　　第19番　大安興寺（真言宗）　
第５番　東源寺（天台宗）　　第20番　極楽寺（真言宗）　
第６番　瑞泉寺（曹洞宗）　　第21番　西光寺（真言宗）　
第７番　国分寺（黄檗宗）　　第22番　東光寺（真言宗）　
第８番　大樹寺（曹洞宗）　　第23番　福善寺　
第９番　祥雲寺（曹洞宗）　　第24番　林泉寺（曹洞宗）　　　
第10番　吉祥寺（曹洞宗）　　第25番　森福寺（曹洞宗）　
第11番　寺前薬師堂　　　　　第26番　永明寺（曹洞宗）
第12番　新興寺（真言宗）　　第27番　江波薬師堂
第13番　奉安寺（臨済宗）　　第28番　座光寺（天台宗）
第14番　宝泉寺（曹洞宗）　　第29番　龍徳寺（曹洞宗）
第15番　吉岡薬師堂　　　　　第30番　峰寺薬師堂