安倍晋三元首相銃撃事件から約1年半が過ぎたいまも、与党・自民党と旧統一教会の癒着の問題は解決の兆しが見えない。なぜこのカルト教団は日本で肥大し、政治家たちはそれを見過ごしたのか。
米有力誌「アトランティック」に大きく掲載された長編記事を、全訳掲載する。
安倍晋三は人生最後の日の朝、奈良にいた。 五重塔で知られる古寺と、神の使いの鹿で有名なこの地方都市にやってきた目的はいかにも事務的で、市内の主要駅に面した街路の広い交差点で、地元選出の国会議員の再選を訴える応援演説をするためだった。 安倍は2年前に首相を辞任していたが、日本の歴代首相で最長の在任記録を持つ彼の名前には非常に大きな重みがあった。その日は2022年7月8日だった。 詰めかけた群衆が撮影した写真を見ると、後ろになでつけられた髪、チャコールの眉、気さくな笑みで安倍本人とすぐ認識できる男性が午前11時30分頃、急ごしらえの演壇に上がり、片手でマイクを握る姿がうつっている。
その周囲を自民党支持者の集団が取り巻いていたが、安倍の後方に立つ男に気づく者は誰もいなかった。グレーのポロシャツにカーゴパンツ姿で、黒いストラップを肩にかけていた。男は他の群衆が拍手を送るなか、ただ立ち尽くしていた。 安倍の演説が始まって数分後、2度の大音響とともに上がった白煙が演説の言葉をかき消し、安倍は地面に崩れ落ちた。 SPがグレーのポロシャツの男に走り寄る。男の手には、長さ約40cmの金属パイプ2本を黒のビニールテープで束ねた手製の銃が握られていた。首を狙撃された安倍は、数時間以内に絶命する。
山上徹也(当時41)は身柄を確保され、引き金を引いてから30分も経たないうちに犯行を認めた。さらに、あまりに突飛すぎてにわかに信じがたい動機を口にした。 彼は安倍をムーニーズの名で知られるカルト教団、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の協力者とみなしていた。彼の母親が全財産を教会に寄付したため、山上とそのきょうだいは満足な食事ができないほど貧しく、人生を破壊されたという。
暴かれた「安倍政権の偽善」
2023年1月の朝日新聞の記事によれば、 真の標的は旧統一教会の最高幹部である韓鶴子(ハン・ハクチャ)で、安倍ではないと山上は警察で供述している。教団創設者・文鮮明(ムン・ソンミョン)の寡婦である韓に近づくことができなかったため、高名な政治家で祖父・岸信介の代から教団と深い関わりのある安倍を銃撃したという。
調査の結果、この山上の荒唐無稽な主張が事実だとわかり、奈良県警は動揺した。彼らは短い会議のあと、安倍と旧統一教会とのつながりは、少なくとも現時点では明かすべきではない大変にデリケートな事案と判断したようだ。 2日後の7月10日におこなわれる参議院選挙の結果にも影響を及ぼすかもしれない。県警関係者は、銃撃事件当日の夜に開いた記者会見で、山上が「恨みを持つ特定の団体と、安倍につながりがあると思い込んだ」ために襲撃を実行したとだけ述べた。
報道陣が追及しても、彼らは沈黙を守った。 参院選後、旧統一教会は山上の母親が信者だったと公式に認めた。これにより旧統一教会が、政権与党・自民党を長らく支えてきたことが明らかになった。安倍をはじめ多くの自民党議員は、旧統一教会信者を選挙活動に動員してきたのだ。彼らは秘密兵器的な存在として、選挙活動を支援した。
2022年7月、タブロイド紙の日刊ゲンダイは、教団と関係のある国会議員100人以上のリストを明らかにした。同年9月上旬、自民党は379人の国会議員のほぼ半数と旧統一教会の関係について、選挙協力要請、会費の支出、教団行事への参加といった何らかの接点があったとする調査結果を公表した。 さらに朝日新聞の調査に対し、都道府県議会の議員290人と知事7人も教団およびその関連団体と接点があったと回答した。 旧統一教会との関係が疑われる政治家の数が増えるにつれて、ありふれた風景に隠れていたスキャンダルがあぶり出された。
それは韓国の右派カルト教団が過去70年の大半、日本を支配してきた保守政党と密接なかかわりがあったという事実だ。 日本国民は憤慨した。旧統一教会が自民党の政治家を利用しようとしただけでなく、そこに腹立たしい「偽善」があったからだ。安倍は熱烈なナショナリストとして、日本の国際的地位の再興に力を注ぎ、自国の帝国主義的な過去を堂々と誇っていた。 だが安倍と彼の政党は、旧統一教会と秘密裏に選挙で協力関係を結んでいた。さらにそのカルト教団は、過去の戦争に対する日本人の罪悪感につけこんで信者を洗脳し、巨額の金を搾取していた。
感想;
日本から毎年300億円が韓国へ
若い女性が韓国の貧農に多く嫁いだ
統一教会が行ってきたことは、日本から搾取することでした。
それに安倍元首相が協力していたのです。
言葉を変えると”売国行為”と言われても仕方がないことを、自分の利益優先のために行っていました。
このような人が国葬とは驚きです。
国葬は安倍元首相の責任ではありません。岸田首相の責任です。
その自民党を変わらず支持している人は、日本をダメにしているのかもしれません。
今やることは、問題のある野党でも、政権を変えることで、自民党が立ち直ることではないでしょうか。
自民党にも日本の未来を真剣に考えている人がいると信じたいです。
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