幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

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「いじめで死なせない」岸田雪子著 ”いじめは担任の先生次第のように感じました”

2018-11-14 08:18:38 | 本の紹介
・この国では、毎年およそ300人の小中高生たちが自らの命を絶っている。1995年に日本テレビ報道局で教育を担当する社会部記者となり、各地の学校を取材して回っていた頃、ある少女が私に言った。「助けてください。いじめは辛いのです。子どもどうしのことだろうと、放っておいたりしないでください」

・全面対決になった。結局、一審で「いじめ行為」が認められ、二審ではさらに慰謝料などが増額して認められ、Nさん一家が勝訴する結果となった。総額およそ50万円を長男が渡したことについても、「たかり」として不法行為と認定された。

・「一番つらかったのは、いじめられていることよりも、自分がいじめられるようなダメな息子でごめんなさい、と思うことだったんです。殴られたり、ボールを顔面に何度もあてられて、『死ね』とか『うざい』とか、『消えろ』と毎日毎日言われ続けていると、だんだん自分の感覚がなくなっていくんです。自分はダメなんだ、ダメな人間なんだ、自分は殴られる運命なんだ、世の中にいなくていい存在なんだ、という思いで心がいっぱいでした。そう思うしかなかったんです。いじめられるのは自分が悪いからなんだってずっと思っていました。だかれ、誰かに相談しようなんて、思ってもみませんでした。自分の一番恥ずかしいことは、誰にも知られたくない。認めたくもない。誰かに話したら、報復されて、殺されるんじゃないかと、ものすごく恐れてもいました」

・先生が「君らがしているのはいじめだ!」と叱ったこともありました。でも先生の注意は逆効果で、むしろ報復は激しくなりました。『死ね』『消えろ』とののしられて、『髪の毛を食え』と言われて拒否したら、血がにじむほど引っかかれました。

・「『学校休むか』って父が言ったんです。それを聞いて、あ、死ななくていいだって思ったんです。それまでは、自分が死ぬか、誰かに殺されるかどちらかだと思っていたんです。学校は行かなければダメとずっと思っていたんです。親はいじめも心配するだろうけれど、学校を休んだら将来のことも心配するだろうと思っていたから、親から『休んでいい、逃げていい』って言われたときは、本当に楽になりました。」

・「生きる世界は学校の外にもある」と子どもに伝えることは、子どもが学校で苦しんだときの「こころの逃げ場所」として、とても重要だ。

・「小学5年生の自分に会えたら、『生きていたら、何かいいことがあると思う』って伝えたいと思います」。

・暴力についても先生に訴えたけれども、先生は相手の子どもも呼んで「自分たちで話し合って、どっちが悪いか考えて。悪かったと思ったら謝って」と言うだけだった。

・母親は何度もJくんに言った。「あなたは、お母さんが命がけで産んだ大切な命なんだよ。あなたの代わりはいないんだよ」。母親は何度も学校に電話したり、ちゅおくせつ出向いたりして話し合ったが、学校側は「解決済み」「対応した」とばかりで平行線のまま、いじめは止まらなかったという。Jくんがいじめの内容をノートに書いて学校に提出すると、担任から「あしたからもがんばろう」などと書かれて返ってきたのを見て愕然とした。「いじめられるために学校に行く意味がわからない」と、学びの場をフリースクールに変えた。

・「お母さんからは、『自分の人生だから、自分で決めなさい。絶対に支えるから』。お父さんからは、『夢を叶えるためにがんばれ』。妹からは、『家族は助け合い』といつもいわれる。ぼくが、どうしたいかわからなくなった時は、家族がいくつかの道を示してくれる。ぼくが幸せじゃないと家族も幸せじゃない事も教わった。どんなに苦しいことがあっても、家族がいるから、勇気をだしてがんばれる。ぼくにとっての命綱は家族だ」。

・集会で出会ったカウンセラーの女性から「あなたは、あなたのままでいいだよ」と声をかけられてびっくりした。ずっと自分は学校に行くこともできない、怠け者で駄目な人間だと思っていたから、そんなことを言ってくれる大人は初めてだった。

・「学校に行かなくていい、では足りないと思います。学校に行くな、と言ってほしい」と、今いじめられている人に、S訓はこう伝えてほしいと。

・「いままでなんかいも死のうとおもった。でも、しんさいでいっぱい死んだから、つらいけどぼくはいきるときめた」(小学生6年生だった少年が書いた手記)。F君は2011年東日本大震災のあと、小学校2年生の時に福島県から神奈川県横浜市に引っ越し、転校先の小学校でいじめに苦しんだ。当初は「いじめでない」と横浜市は主張したが、この手記を弁護士が記者会見で涙ながらに代読し公表したことがきっかけで、市がいじめと認める方針転換に追い込まれたことは大きなニュースになった。「生きていたかったのに、津波で流されて、海の底にいる人もいる。自分はこんなことで死んだらいけない、と思ったから」。

・「一番恥ずかしい部分を知られたくない」という自尊心・自立心。「親を心配させたくない」という愛情。「大人に知らせた後の、報復が恐ろしい」という恐怖。だが、それだけでない、と子どもたちは言う。

・担任にもう一度、「いじめられているって言ったんですけれど」と言うと、担任は「見ていたところ、お前も弱弱しいところがあるから直したほうがいい」と言ったという。ショックでポカンとして言葉が出なかった。ぼくが悪いんだ、先生から見放されたんだと感じ、気持ちがガクンと落ち込んだ。大人というものが信じられなくなった。大人は、大人の価値観で動くのだ、と感じた。

・真矢さんの父親は言う。「大人は、すぐに動かなきゃいけない。『いじめ』っていう言葉は『死』と同じです。私は失敗した親です。でも、これだけは言える。今なら絶対死なせない。死なせない自信がある。だけど、あの時はできなかった。僕らは失敗した親なんです。だからみなさんには失敗してほしくないのです」

・子どもが、ある日突然、犯罪事件を起こすことはない。事件や非行は、彼らの「生きづらさ」の表れでもあるように思えてならない。

・「周りに悩んでいる友人がいたら、聞き流すのではなく受け止めてあげてほしい。今の僕なら止めに行きます」。

・「『LINE』を見た生徒たちは、景虎が本当に死ぬんじゃないかと自殺当日の朝も話題にしていたそうです。その時にだれか一人でも先生や私たち家族に伝えてくれていたら、自殺は食い止めることができたのではないかと思うんです」。
亡くなる前の日の「LINE」には。
(景虎くん)「次会うときは死んでからだよ」
(景虎くん)「こんな細いのでも束にすれば強度が増す」
(同級生Z)「笑」
亡くなる当日、(景虎くん)「ごめん・・・。さようなら」(最後のメッセージ)

・世界20か国以上で導入された、いじめ研究の第一人者オルヴェウス氏の「いじめ防止プログラム」では共通のルールとして、次の4つの項目を提案している。
1)私たちは、他の人をいじめません
2)私たちは、いじめられている人を助けます
3)私たちは、一人ぼっちの人を仲間に入れます
4)私たちあ、もし誰かがいじめられていいれば、それを学校の大人や家の大人に話します

・いじめが起きやすい「ホットスポット」の典型例
 ・校庭
 ・ロッカールーム
 ・食堂
 ・トイレ
 ・階段の下
 ・近くに教室のない廊下 など
 そうした場所は、学校の休み時間などに大人が見守りすることも効果があるとしている。

・いじめられた子どもたちの実に8割近くは「学級担任に相談」している(平成28年)
けれども、子どもたちが教師に伝えても、教師が動かなかったために被害者が絶望し、いじめが加速してしまう例は後を絶たない。
理由のひとつには「いじめとは何か」を、教師が誤って限定的にとらえている現状がある。例えば、ある学校では、子どもが数人から下着まで下げられ、ひどく傷ついたことを教育相談で把握したのに、「単発的だから」という理由で、いじめと認知していなかった。

・いじめ防止対策推進法より
「『いじめ』とは、児童に対して(中略)
 一定の人的関係にある他の児童等が行う
 心理的または物理的な影響を与える行為(中略)であって、
 当該行為の対象となった児童等が
 心身の苦痛を感じているものをいう」

・子どもは教師に期待している。「先生に『いじめられている』と言ったら、全力で守ってくれた」という子どもが何人もいた。「いじめを注意したあとも、ずっと先生が気をつけて見てくれて安心した」という子どももいた。

・京都府は「いじめ認知件数」が全国トップレベルで多くなっている。いじめが多いというネガティブな意味合いでなく、より多くのいじめを発見することに成功している、と見るべきだろう。京都府のアンケートの特徴は、まず記名式ではあるが「名前は書きたくなけれ書かなくてかまわに」としている点だ。

・子ども変化に気づく、11のきっかけ
1)友だちつきいあいに、変化はないか
2)身体にアザやケガが増えていないか
3)服が破れたり、汚れたりしていないか
4)持ち物が壊れたり、落書きされていないか
5)怒りっぽくなってイライラする、集中力がなくなる
6)自信を失った様子で「どうせ僕(私)なんか」とか「学校に行きたくない」などと言う
7)急に甘えてきたり、赤ちゃん返りをする
8)食欲がない。夜、よく眠れていない
9)金がなくなる。金の使い方が変わる
10)電話で呼び出されている。塾や習い事を、黙って休む
11)周囲からの情報

・平日1日あたりのインターネット平均利用時間は、小学生で90分あまり、中学生は約140分、高校生は3時間を越えて200分超と長い。

・カウンセリングマインド
 ・落ち着いて、冷静に話を聞く
 ・つらかった思いに共感し、寄り添う
 ・子どもを主体として、解決すべき道程を一緒に考える
 ・「話してくれてありがとう」「何があってもあなたの味方になる」と伝える
 ・大人の論理で頭ごなしに決めつけない
 ・人を傷つけてはならないと心から伝える
 ・加害行為の背景にあるものを取り除く

・NPO法人「CAP(Child Assault Prevention)」
 「いやだと言う(NO)」
 「その場を離れる(GO)」
 「誰かに話す(TELL)」
 
感想
いじめは、担任の先生次第で自殺にもなるし、助けることもできるように思いました。
それにしても”ひどい”先生が多いのかと驚きました。

そして学校は虐めを認めようとしません。
また加害者側も「いじめでない」と主張するようです。

先生はもう少しプライドを持って欲しいと思いました。
酷い先生は一部かもしれませんが。
周りの先生、特に校長先生がいじめに対して熱意を持つことなのでしょう。
自殺が出ると、きまって「自殺はなかった」と自己防衛に終始しています。
教育委員会は何のためにあるのかを、もう一度考えて欲しいです。

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