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「企業不祥事はなぜ起きるのか」稲葉陽三著 ”トップに考え方に問題があるから不祥事は起きる”

2024-09-07 01:27:27 | 本の紹介
・なぜ不祥事はなくならないのか。不祥事が起こるたびに企業が第三者委員会を設けて原因を調査しているが、必ず挙げられる理由の一つに「企業風土」がある。

・結論を先取りすれば、不祥事を起こした企業の多くにおいて、企業風土は「企業内で時間をかけて選抜された幹部職員集団が企業を牛耳るネットワークの状態」を指している。ネットワークは社会関係資本の重要な構成要素であるから、換言すれば企業風土とは「過去のしがらみを背負って幹部職員集団緒企業な社会資本関係」と理解できる。

・本来、法令等を遵守しているかは経営者がもっとも敏感であるべき事柄であるから、経営陣がコンプライアンス(法令等遵守)違反ととらえる能力が欠けていたのなら、従業員の能力が欠けるのは当然である。つまり、経営者の無能によって「規範遵守意識の鈍麻を醸成させる企業風土」が生じていたケースであると言える。

・少なくとも筆者には、この報告書でいう企業風土とは、たとえ適法性を書いていてもそれがトップの意向を反映しているのなら意を唱えない、換言すれば、もし異を唱えれば、トップが左遷ないしは解雇を暗黙の裡に示唆していたということのようにも読める。

・企業風土はトップが作る
 2011年のオリンパス事件緒第三者委員会報告書では、企業風土の背景にはトップの移行があるという点がより明確に書かれている。

・会社にもそれぞれ独特な社会関係資本があり、それは企業風土を言い換えることもできよう。しかし、会社の場合、我々が生活するコミュニティである街や村とは根本的に違う点がある。それは、会社は利益という組織の目標が明確にあり、その目標達成のために社長が社員の査定をsて人事権を握っているという点である。つまり、会社というコミュニティの社会関係資本を体現している企業風土は、普通の街の社会関係資本のように住民全員で編み上げるものではなく、社長が編み上げるものである。

・エリザベス女王が尋ねた。「なぜこの危機(リーマンショック)の到来を誰も予見できなかったのですか。これほど大きな問題なのに、なぜ誰も気づかなかったのでしょう」と。・・・
「こんな大事を予見できないのなら経営学になんの意味があるのか」ということであろう。
 その答えは二つある。一つは『サイロ・エフェクト効果』の著者ジリアン・テットが指摘する専門家の陥穽であり、もう一つは優秀な人が集まっても結局問題の本質を看過してしまうグループシンク現象

・日本監査役協会が2003年に発表した『企業不祥事防止と監査役の役割』は2000年1月から2003年1月までの三年間にわたる新聞紙上等で報道された事例約300件を研究し、不祥事を以下の五つに類型化している。
(1) 経営トップが絡むケース
(2) 特定分野、特殊分野で起きるケース(聖域を含む)
(3) 企業文化、風土に根ざすケース
(4) 個人犯罪
(5) 世の中全体が一つの流れの中にあって、適法・社会的にも許されるとして行為をしたところが、その後不祥事化するケース

・社長の在任月数が長いほど利益率は高い
・社長が年上になるほど利益率は低くなる
・社外取締役が多いほど利益率は高い
・外に対し閉鎖性が強い組織は、不祥事の頻度が高く、逆に凝集性が高く、かつ外に対して開かれた組織では、不祥事の頻度が低い、という傾向が明らかに見られる。
           凝集性(役員全体の生え抜き度)が高い
閉鎖性(社長の生え抜き度)が弱い    閉鎖性(社長の生え抜き度)が強い
           凝集性(役員全体の生え抜き度)が低い

・不祥事を未然に防ぐためにはどうすればよいのであろうか。もっとも簡単なメッセージは、ワンマン体制を壊す、グループシンクをさせない、サイロ(異なった専門分野の集団)を外に開いた組織に変える、陰性をやめる、ことである。

・マイケル・バーチェルとジェニファー・ロビン『最高の職場』
「最高の職場では、人はともに働く人々を信頼し、自分の仕事に誇りをもち、ともに働く人々の楽しむ」と述べている。

・『裁かれる三菱自動車』小林秀之著

感想
 不祥事は経営者の考え方に問題があるので、起きているということがよく分かりました。
 トップの考え方は組織にとって大きいということでしょう。

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